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うどんのこと香川のこと

開店後、ほぼ週1ペースの更新になってます。
しばらく、主なテーマに信号番号の設置を加えようと思います。

クリティカルマスの仮説

2007-05-04 12:43:47 | Weblog
ここんとこ、ゴールデンウィークは、うどん屋巡りをしている。

今日は、昨日120人いた行列が200人になっていた。

行列はパスして、別の店に行く。

思うに、お客さんの多い少ないと味の良し悪しは、あまり関係ないと言わざるを得ない結果になる。
今日行ったある有名店なんか。。。。いやあ。。。ちょっと言えません。

よく、「味が大事」と「立地が大事」と言われるのが2つ多いと思う。
味がいいから売れるなら、いつも思うけど、マクドナルドが世界で一番うまい飲食店という結論になる。

うどんジムは、お客さんが多いお店には、ある共通の理屈があると思った。
確かに、それが味につながるものもあるけど、何か、思い切ってお金をかけている部分があることだと思う。

たとえば、氷が一緒に出てくる冷水機なんか、1台何十万円もする。
ケチな人だと、儲かってても、1台で済むなら1台で済ますと思う。
それを並ぶとこと、ホールの両方に置いたりする。
また、浄水器なんかも、無くても文句はいわれないし、別に積極的に評価してくれる人もいない。
うどんジムが知る限り、うまいかどうかはともかく、浄水器がついてるとこは客数が多い。
誰もほめてもくれんとこに、少なくとも10万円以上かけて、お客のためになるとこにお金を突っ込むという考え方は、その浄水器の効果だけうんぬんでなく、お店の端々に行き届いているのだと思う。

ほかにも、人がたくさん入っていると思われるお店は、従業員を思い切ってたくさん入れるとか、無料トッピングが豊富とか、何か気前がいいというかお金を経営者がきちんとかけているなあ。
一つ一つのことで、それが売上げに対応するかどうかとか考えずに、人気を出すというかお客さんに喜ばれることを優先しているポイントがあると思う。
うどんそのものの味の良し悪しや味の評判は、はっきりいって、高松で上位ベスト5位に入るようなところは、そんなに良くないのでは?
ただ、暇さえあれば、椅子の脚まで丁寧に拭いているとか、異常に安いトッピングがあるとか、何かある。

ここで、「クリティカルマス」というネットワーク外部性との絡みでよく出てくる言葉が思い出される。

商品やサービスそのものの価値以上に利用者やネットワークに参加している数が多ければ、それに伴って、商品やサービスの価値が上がるという。
直接的なものとして、携帯電話など持ってる人が少ないと価値がないが、多くなると誰もが持ってないと生活しにくくなる。
間接的なものとして、よく出るのが、ビデオテープがVHSかベータかで、ソフトであるテープが多くなった方がハードであるレコーダーでもシェアを伸ばすとかいう補完材どうしでの現象。

このネットワークの外部効果は、一定以上の顧客をつかむと急速に上がるといわれ、そのポイントをクリティカルマスとかいう。
「ぐんぐんお客数が伸び始める臨界点の顧客数」みたいな訳ができるでしょうか。

うどん店においても、ある一定以上の客数を得ると、急速に伸び始める客数というのがあるような気がする。
それは、家族労働や家賃がいらないとかのアドバンテージに左右されるものと、左右されないものがあると思う。

まず、お客に喜ばれようというサービス精神が旺盛で、特に私生活でのぜいたくに興味がない場合は、一定顧客数を超して、儲かり始めた時点から、どんどんお金がお客に喜ばれるためのサービスや設備や店舗拡大などに向く、うどん店は、毎日朝から晩まで店にぺったり張り付いてるので、そんなに儲かってなくてもある程度お金ができるとそれなりにお店に投資できる。
また、サービス精神が旺盛なら、各テーブルに置くと取られすぎが心配になるようなネギやしょうがなども列の流れのスピードアップも兼ねて、列の流れから各テーブルに動かすなど客数増の好循環につながることができる。
確かに、各テーブルに置くと、テーブルは狭くなるし、各テーブル毎に減ったのを補充するなど手間がかかるし、後で洗い物が増えるし、セルフ店としては原価も経費も増える可能性が高い。
しかし、サービス精神が旺盛な経営者は、ある程度から顧客が増えて、損益で余裕が感じられると、原価がかかっても喜ばれることを優先しようと安心して思える。
そういうポイントは、儲けにかかわってくるので、家賃のあるなしとか家族労働のあるなしも影響する。

あと、儲けにかかわらないクリティカルマスとして

ある一定以上の客数になると、自然に店の外に行列ができたりして、注目されずにはおかれなくなると思う。
列ができてたら、知らないお店でも、そんなに悪い店とは思われないから一回は入ってみたくなるし、ある程度から顧客が増えると正比例以上に話題に上る回数が多くなり、それも、行ってるお客さんがいうのだから、そんなに悪くいうわけでもない。
ある程度から客数が増えると、客が客を連れてくるようになる。

それに、一定客数を超すと、麺を長く茹で置きしなくて済むようになる。

また、香川のマスメディアは、たくさんお客さんが来てにぎわっているうどん店は、その理由のいかんを問わずほっとかないし、取材をしてしまえば、マスメディアは取材者がまずいと思っても、絶対にお店の悪口は言わない。

それらの効果が出て自然に好循環を呼んで経営を安定させながら客数を伸ばしていくポイントがあるのではないか?

これらのクリティカルマスとなる客数がどの程度かは、いろんなお店の事情にもよるのだろうけど、セルフ店でも家賃を月100万とか払ってなければ、200人を超せば間違いないと思う。
いや、実際にもっと少ないところでも、一定のクリティカルマスの効果は出ると思うけど、まだ、うちは200なんか全然いってないし、もうちょっと経過を見ていく必要があると思う。
効果にもいろんな面があって、100人ぐらいでも効果が出始める意味はあると思う。

流行っているお店を見ると
確かに味は、どう評価していいかわからないものがあるでしょう。
いろいろお店をまわっていれば、それは感じると思います。

ただ
①何か、気前がいいポイントがどっかにある。
②お客が多いことそれ自体が客数を増やすか維持させる効果を持っている。

その2点は、共通ではないでしょうか?
よく、こだわりのメニューとか特色のある一品をとかいわれるけど、多くの店をまわって観察した事実と相談して、客数の多い店を思い出してみると、そういうの無いところも多いと思う。

うどんジムは、儲けとか、利益率とか原価よりも、客数を一番に気にしてるのは、「クリティカルマス」という言葉として、明確に意識はしなかったけど、そういう感じの効果を急いで出す必要があるなあとは何となく思っていた。
180円のお客2人と400円のお客1人なら、前者を喜びたい面はあるし、極端にいうなら、並ぼうとして混んでるから帰ってよそに行くんなら、ただでもいいから(実際にはただにはせんけど。)うちで食べてってと思うことがある。
また、営業だかし示しがつかんからせんけど、人がホームパーティーでもてなすがごとく、ただでも食べてもらいたいという潜在的な感覚はあるにはあると思う。

早く儲かるといろんな意味で楽だと思う。
そうすると、どんどん、サービスや原価に同じ価格でも投入しやすくなる。
すると、自分の気分のいいことをして、人に喜ばれて、さらに経営状況が良くなる。
そういう考えはあると思う。

個々の行動が売上げにつながるかどうかよりも、そんな感覚を持って、あるいは結果的に気前がいいことをしてて、ある殻を破れたところが多く成功しているのではないか。


まだまだ検証がいりますが

クリティカルマス仮説は、原価率を高めて、お客に喜んでもらいながら、経営の数字とやりがいを高めるので、うまく検証できれば、多くの人にプラスの価値だと思います。
これって、香川では、讃岐うどんにこそ顕著な効果ではないでしょうか?
うどんジムがカレーのお店をやっていれば、たぶん、取材やネットで取り上げられるなんてことは、未だにほとんどなかったと思います。