打撃の神髄―榎本喜八伝松井 浩講談社このアイテムの詳細を見る |
1月9日(水)。僕たちの事務所は神保町と下落合にあり、そのふたつを複数の会社やチームでシェアしている。といっても普段はいたって静かで、ガヤガヤといった感じはない。なにしろみんな外で仕事をすることが多く、なかなかじっとデスクワークというわけにはいかない。わがユージンはそんなこともあり、水曜日の朝を定例ミーティングの日と決めている。とはいえ大した議題もないこともあるのだが、とりあえず一週間に一回くらいは「顔合わせをしよーぜ」といった意味合い。昨日も朝からせっちゃん、ピロコ、愛ちゃんの3名の女性群に囲まれて、今年初めてのミーティングを開始した。ユージンのミーティングは掃除からはじまる。僕は献血と掃除が何よりの趣味であり、献血は毎日できないので、掃除は毎朝やっているが、大勢でやるとそれはそれでダイナミックでいい。特に普段は手が届かないところや、「いいや、今度」でと思っていたところなどがササッときれいになる様子を見ていると、「おぉ、やってよかったぞ」とついつい唸る。<美しい音は美しいセッティングから>と教えてくれたのはエンジニアの吉岡恵一郎だが、なんとなくきれいになるといい仕事ができそうな気がしてくるから不思議なものだ。昨日は、1月に集中的に行われる仕事のスケジュール関係の打ち合わせと4月から始める新企画トーク・セッションについて。後者はまだ発表できないが(勿体ぶっているのではなく、企画倒れになると恥ずかしいから)、一応、いろんなところに少しずつ話している。「おっ、いいんじゃない」という人もいれば、「は?」という人もいる。いいバランスである。午後はひたすらとデスクワーク。この静かな日々も木曜日まで。金曜日からはエキサイティングな日々が待っている。沢木耕太郎さんの本を読んで触発された榎本喜八さんのことをもっと知りたいと思い、松井浩さんが書いた「打撃の神様 榎本喜八伝」(講談社)を読み続ける。こうなると気持ちは野球一筋だった少年の頃にもどる。いろんな分野で達人と呼ばれる人がいる。その極地を知る喜びは何ものにも代えがたい。