ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

【寄稿】道場日誌10(by J.Mさん)

2005年09月25日 07時30分13秒 | Daily Life
今週も道場の時間がやってきました。

今日のお題は
【音楽のジャンル、種類をできるだけたくさん集めて、それを自分なりの尺度で「分類」して下さい。
分類の数、見方などは自由とします。そして、それぞれの分類に対して簡潔な説明をつけてください。】
というもの。

前回があまりにボロボロだっただけになんとか巻き返しを!と意気込んだものの、
なかなか面白いことが浮かばず、毎度ながら自信なしです。

私は「暑い南国の陽気な音楽」「舞踏会での優雅な音楽」など5つのジャンルを作り、
「静」と「動」のグラフを横につけてそれを更に大きく分けました。

分類の仕方や中にあるジャンルはごくごく一般的であまり面白みもないもの
(自分で言うのも情けないですが)でしたが、このグラフは目を引くものになったようです。

M.Aさんの分類は私のものよりも面白いと思いましたがまだまだどちらもインパクトがないよう。
例えば彼女の考えた「バーに似合う色気の音楽」この中にJAZZやブルース、タンゴなどが含まれますが、
ただブルースというだけではインパクトが弱い。

blueな心を癒すブルース、とか少し付け足すだけで雰囲気が変わります。

どうしたら見る人が「これは面白い!」と思うか、これを見てどんな顔をするか、
そういうことを考えながら、そして自分も楽しみながらお題をやることが大切だと学びました。

【寄稿】道場日誌9(by M.Aさん)

2005年09月19日 00時51分17秒 | Daily Life
第10回道場日誌

記念すべき第10回道場は大玉砕。
30分足らずで終了という始末。
理由は私たちのお題が,全く話にならない状態だったからです。

今回のお題は,“究極の言い換え”。
「音楽に纏わることばを使ったダジャレをつくる」

ダジャレって何だっけ??
ダジャレが分からない・・・
“ダジャレ”を調べてみるも,う~ん??

それでも音楽に纏わることばを自分なりにダジャレ風にしてみました。
私のつくったものは,前後に長ったらしい説明を要するものばかり。
しかも,道場では説明の説明をしてしまう最悪の状況。

J.Mさんもダジャレとギャグを間違えて話にならない様子でした……。
こんな状態で道場が出来るはずもなく,坂元さんから終了が告げられました。

私たちに足りないものはたくさんありますが,いつもスタートに戻ってしまう大きな欠点。
それを改めなければ何をやっても成長出来ないんだ。
道場の回数を重ねても,毎回スタートに戻るのでは意味がない。
一つクリア出来たのなら,クリアしたところから次をスタートさせる。
坂元さんがいつも言っていることです。
分かっていたつもりでした。そして,分かっていなかったことに改めて気付き,とても悔しかったです。

次は,10回分の道場が終わったところからスタートです!!

【寄稿】道場日誌8(by J.Mさん)

2005年09月11日 06時32分59秒 | Daily Life
日中はまだまだ暑い日が続きますが、朝晩はだいぶ涼しくなってきました。
夏もそろそろ終わり。
ぼやぼやしているとあっという間に時間が過ぎてしまいそうです。

今回の道場は前回のお題の続きです。
「前回“言い換え”したことばを食べ物に例えなさい。またそのイメージも書き添えること」

☆不協和音⇒納豆掛け蕎麦・気持ち悪い?意外に旨い!
☆バッハ⇒するめ・噛めば噛むほど味が出るetc…
食べることが大好きな私はかなり楽しんでこのお題に取り組みました。

M.A.さんの答えで面白いと思ったのは私が最後まで悩んだ、平均律。
☆平均律⇒金太郎飴・どこを切っても同じ

それから私が、メロディを浮かんでは消えていくはかないものをイメージし、わたあめと例えたのに対し、
彼女は単旋律としてだけでなくそのまわりにあるハーモニーやリズムをケーキの土台にみたてて
“ショートケーキのイチゴ”としたのも、なるほど~と思いました。

さて、このお題の評価は!?私としては結構面白いじゃん♪と
自己満足していたのですが…自己満足でした。

「例えるのは簡単」と坂元さん。

私たちはどうしても言葉が足りないというか、人に一から伝えるのが下手なよう。
例えた食べ物のイメージと元の音楽に関する言葉のイメージとを自分がどう繋げたかということが
うまく説明できていませんでした。
考えた自分が分かるのは当たり前ですもんね。

「一つの事を考えるのに7を10にしていてはいいものはでてこない。100出して消していくんだよ」

なるほどー。まだまだ修行は続くのでした。

NAR イベント第1弾大成功!

2005年09月11日 06時16分32秒 | Daily Life
盟友・エンジニア今泉の会社、日本アコースティックレコーズの初イベント
〝カプースチン「ピアノ名曲集」CD発売記念インストアライヴ〟
無事大成功のうちに終了することができました。
[2005/9/10 at銀座YAMAHA]

ピアノの川上昌裕さん、全音楽譜出版社の皆さん、銀座YAMAHAの皆さん、
そしてご来場いただいた皆々様、ご支援ありがとうございました!

世界合唱シンポジウムがON AIRされます!

2005年09月09日 05時54分58秒 | Daily Life
お知らせです!

9月18日(日)22:00から、NHK教育テレビ「芸術劇場」の<情報コーナー>で、
特集「響き合うハーモニー 第7回世界合唱シンポジウム」にて、
先に行われた「第7回 世界合唱シンポジウム」が紹介されます。

http://www.nhk.or.jp/art/

是非、ご覧下さい!

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★番組HPより

「響き合うハーモニー 第7回世界合唱シンポジウム」
 
この夏、京都に世界各国の合唱団が一堂に会する。
国際合唱連盟(IFCM)主催の「世界合唱シンポジウム」が初めて日本で開催されるのである。
合唱音楽の芸術性を高め交流を図ることを目的としたこのシンポジウムは、1987年にウィーンで始まり、
その後3年に1回世界各地で開かれてきた。今年はその第7回となる。
参加するのは、合わせて49の国と地域からおよそ2000人。
プロからアマチュアまで、多彩で個性豊かな合唱団が7月末から8月上旬にかけて、
京都コンサ―トホールを舞台に歌声を披露する。
また、並行して国立京都国際会館では世界のトップクラスの合唱指導者や専門家による
興味深いレクチャーや実践型の指導が行われることになっている。
アジア初となる今回のシンポジウムでは、特にアジア、オセアニアの優れた合唱が注目を集めている。
さまざまな地域の歴史や文化を背景に生まれてきた合唱を取材し、
民族の相互理解を深める試みを紹介する。

コオロギと、西郷隆盛と。

2005年09月08日 08時21分29秒 | Daily Life
9月7日(水)

鈴木大介さんが「楽屋で何か鳴いてる」と言うのでいってみると、なんとコオロギ(写真)がいた。

ぼくたちが滞在していたあたり一帯をかつては「庄内藩」と呼んでいた。
この庄内がぼくの故郷・薩摩、とりわけ西郷隆盛と因縁深い関係であったことを、当地に着いてから知った。

不勉強極まりないことである。

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鳥羽・伏見の戦いの契機となった「江戸・薩摩藩邸焼き討ち」を中心となって行った庄内藩は、
その後、戊辰戦争でも薩摩・長州などを含む新政府軍に刃向かった藩でもあった。

戦いが終わり、新政府軍に降伏した庄内藩主・酒井忠篤以下庄内藩の人々は、
自らに新政府軍より厳重な処罰が下るものと覚悟した。
しかし、新政府軍参謀の薩摩藩士・黒田清隆が下した処置は、温情ある極めて寛大ものであった。
そして、その陰には西郷からその一番弟子である黒田への指示があった。

後にそれを知った旧庄内藩の人々は、西郷の精神に感激するとともに、明治に入ると彼らは
直接西郷を訪ね、教えを請うようになった。

かの有名な「南洲翁遺訓」は、この庄内藩の人たちが西郷から教えを受けた「思想」をまとめたもの。
明治23年(1890)、元庄内藩主酒井忠篤により刊行。

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実は、この酒井藩主の血を引いておられる酒井英一さん(財団法人 致道博物館学芸部長)も
保多由子さんのサポーターのおひとりである。

[一昨日アップした、だだちゃ豆は酒井さんご自身が朝摘んで持ってきて下さったもの]

録音は3日間の予定を無事終了。
午前中から台風の影響か、一帯が少し騒がしくなってきた。

最終曲「アメージンググレース」を録り終った時、2:00pmすぎ。
予定よりも約3時間早い終了だった。

その分、リラックスしてとても充実した「音楽」がレコーディングできた。
アーティストの皆さん、スタッフの皆さんに最敬礼である。

帰路、保多由子さん、鈴木大介さん、寺嶋陸也さん、そしてスタッフの皆さんは空路東京へ、
ぼくはエンジニア今泉を残して電車と新幹線を使って東京へ向かうことにした。
今泉はそのまま郡山の実家へ。

帰りの電車の中で、今朝、勃発したちょっとしたトラブルについてメールのやりとり。
あらためて組織という魔物の難しさに思いを馳せた。

8:30pm、東京着。
大手町の丸善で重松清さんの新刊「その日の前に」(文藝春秋)を購入して帰宅。
暖かな録音の後では、心に染みる物語が必要となってくる。

レコーディング、順調です!

2005年09月07日 08時14分25秒 | Daily Life
9月6日(火)

台風が九州を縦断した。
故郷の鹿児島でも大変な被害が出たようだ。

朝、実家に電話を入れてみたが、流石に夜も寝られないくらいの雨と風だったらしい。
ここ山形でも、ずっとどんより曇っており、当地に来てまだ青空を見ていない。

少し風も強くなってきており、そろそろ明日の録音後の「足」が気になる。

レコーディング二日目。
午前中は保多さんと鈴木さんのアンサンブル4曲を楽しみながら収録する。

昨日も書いたが、このセッションは基本的に「プリプロ」が充分なされており、
基本的な音楽の流れはできている。
あとはそれに対してどのような方向づけをするか、あるいはしないか…、それがぼくたちの仕事。

鈴木さんのギターと保多さんのヴォーカルは、時に寄り添い、またある時は反発しながら「対話」する。

午前中の白眉は三善晃作曲「一人は賑やか」。
合唱曲としても有名なこの曲を新たなアンサンブルで聴くことができた。

以前、三善先生の合唱作品を沢知恵さんがピアノの弾き語りを収録したものを聞いたことがあるが、
その時も躍動する旋律に新しい発見をしたことがあった。

もっと、こんな試みをしてもいいな、と思う。

午後は寺嶋さんが再登場。
歌とピアノのアンサンブル、6曲を収録。

今回のアルバムでは、寺嶋さんが20代に書いた歌曲を含め、4つの歌が収録される。
繊細なピアノと保田さんの心憎いまでに深く歌われる「声」が溶け合った時、モニタールームに
静寂の時が訪れる。

是非、ご期待いただきたい。

さて、夜はまたまた地元の食材を使った料理で夕食。
写真は菊を味噌で和えた旬の味覚。(名前を忘れてしまった)

鶴岡の食材、偉大である。

音楽も最高!食事も最高!

2005年09月06日 08時15分04秒 | Daily Life
9月5日(月)
レコーディング初日。
午前中は機材の搬入とセッティングで費やす。

エンジニア今泉は前日までの韮崎でのセッションから引き続いていることもあり、ちょっとお疲れ気味。
セッティング終了間際、元気を取り戻す。

保多由子さん、鈴木大介さん、寺嶋陸也さんとのセッションはこれで二回目。
前回、かなり濃厚な録音を体験した仲間だけに、スッと音楽作りに入れるモードがあることに感謝。

とはいっても、すでに舞台で音楽が鳴った瞬間に、音楽が躍動し始めている。
ぼくたちはそれを少しアシストしているといったところだろうか。

特にこのセッションを通じて感じることは、アーティストの耳が本当によく開かれていることだ。
お互いを認め合い、互いの音を深く聞きあう…。
アンサンブルの本質であるのだが、なかなかここまでできる人たちはいない。

昨日は、難関の大曲レスピーギを何とか録りおえた。
少し安堵。

夜は、プロジェクトのメンバーのお一人、Mさんのお宅でご馳走をいただく。
とにかくこの地の方たちの地元の食材に対する愛情の深さに感激する。

写真は名物だだちゃ豆であるが、これも朝ご友人のお一人が摘んでくださったもの。
枝豆と似てはいるが、味、食感の深さとも、一味違う。

人との出会いがあり、食との出会いがある。

そしてこれがぼくたちの明日の活力源となる。
明日は録音の佳境となろう。

ここらでひとつ気を引き締めて臨みたい。

ブラボー! アル・ケッチァーノ!!

2005年09月05日 08時22分27秒 | Daily Life
9月4日(日)

3日の土曜日は神奈川県立音楽堂で行われた「合唱コンクール」の審査。

「えっ、なんであんたが!?」とお思いに違いない。
それもそのはず、当の本人が思っているのだから…。

詳細は省略するが、神奈川の合唱連盟とは伊集院前理事長の頃から、
連盟が公立の小学校に働きかけた「合唱指揮者派遣プロジェクト」の取材や、
それに絡む文部科学省への訪問などを通してお付き合いをさせていただいた。

そんなこともあり、ぼくにとっても思いの深い団体であり、現理事長の桑原妙子さんのお考えには
深く共鳴している。

今回の県大会は9月3日と11日の2日間で、3日は中学校・高等学校・大学部門。

まぁ、コンクールだから当然演奏の優劣はあるし、それ以外でも舞台から醸しだす雰囲気を含めて、
いろんな要素が審査には関わってくる。

でも、それを超えて今回聞きながら感じたのは、10代の若い人たちがこうやってコーラスに参加し、
舞台でうたうことの清々しさ、そしてそれに対するぼく自身のあこがれのようなものである。

ずっと前にぼくの中学校時代の恩師が、ぼくに「いくつになったの?」と聞いたことがある。
「21です」と答えたぼくに、恩師は「きれいな年齢ねぇ」と返した。

「きれいな年齢?」

ぼくはそれが何を指すのか、まったくわからなかったが、40代になり1日若い歌声を聞いていると、
恩師の言ったことばがなんとなくわかるような気がしてきた。

ま、オッサンになったことの証明でもあろうが、それも満更悪い気もしなくなってきた。

日曜日、鶴岡へ移動。
朝から神保町で打ち合わせと仕事を済ませて、今泉の運転する機材車に同乗。

メゾ・ソプラノの保多由子さん、ギターの鈴木大介さん、ピアノの寺嶋陸也さんとのセッション。
エキサイディングな録音になりそうだ。

午後6時、鶴岡に到着。
地元のイタリアンレストランアル・ケッチャーノで夕食をしながら打ち合わせなど。

しかし、美味しい!本当に美味しい!!
食材のすばらしさ、そしてそれを大切に料理に仕上げるシェフの腕前に感激の連続であった。

当地にお越しの際は、是非、立ち寄られたい!

ところで、店名の「アル・ケッチァーノ」とは、こちらのことばで
●ああ、そんなのあったよねぇ
●歩いていきなさい
…という意味らしい。

わざわざ遠くの食材を探しにいかなくても、地元にこんなにすばらしい食材が「あったよねぇ」、
だから、自分の足で「歩いていって」探してごらんよ。

うん、ホントだね。

食事が終わったら、なんとなく納得してしまった。

ふしぎの国から。

2005年09月03日 08時29分54秒 | Daily Life
9月2日(金)

8月のコンサート&レコーディングラッシュで、身の回りのことやデスクワークがかなり疎かになってしまった。
先月30日にようやくひと段落ついたこともあって、31日と9月1日と、とにかく机にしがみつくことに…。
やっぱり、もう少しタイムマネジメントを考えなくっちゃねぇ。

先週のはなし。
「ゆりがおか児童合唱団 定期演奏会」(8/27)で初演された高橋悠治さんの新曲
「ふしぎの国から」には大きな衝撃を受けた。

藤井貞和さんの詩集「悲しみをさがす時」「明るいニュース」から選択・構成されたテクスト。
難聴を理由にいじめで自殺した子どもの口から語られる嘆き、悲しみ、そして再生への願い。

高橋さんはプログラムに次のような文章を寄せている。

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[前略]
学校でのいじめが原因で自殺した少年は、死んだこどもたちの学校にいる。
運動場をつむじ風になってかけまわったり、冬は霜柱になって、生きているこどもたちに合図を送ってくる。
こどもの神すくなびこなも、からだをすりへらしながら、こんな世界をよくしようと、はたらいている。
音楽は明るい。こどもの現実の世界と二重写しになったふしぎの国の消息を伝えることばと音の絵があり、
それにピアノの線がからみついている。
[公演プログラムより転載]

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「時分の花」ということばを思い出した。
世阿弥のことばだが、10代には10代の、20代には20代の「花」が咲く…そんな意味合いだった。

ゆりがおかの子どもたちの歌声を聞きながら、これほどまでに「時分の花」を感じる作品に
どれだけ出会えただろうか、と思った。
ことばが心に突き刺さり、音楽が「永遠に続く糸」のように絡みつく…。

高橋さんと子どもたちによる本当の意味での「協働」「共創」であった。

なんたって、本番の高橋悠治さんのピアノの「切れ」「サウンド」ともに凄まじかった。
ピアノの音がここまで残酷に、そして悲しみを深め、また再生へのチャンネルを開くことができるということを、
知らされた。

舞台演出は石井かほるさん。
すべての見立てと意匠はこの方から出発している。