ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

椅子に座りすぎて腰が…。

2008年01月22日 08時40分47秒 | Daily Life
1月21日(月)午後、中野富士見町。(社)日本印刷技術協会が開催した「クロスメディア研究会」に行ってきた。このセミナーはジャーナリストの津田大介さんのサイトで知って申し込んだもの。この前ご案内した合唱連盟の「ハーモニー」で、約1年にわたって僕たちは著作権のことを特集し、いろんな側面から著作権の考え方、そこにあるトラブルや障害、またユーザーの悩みなどを組んできたのであるが、どうやらこれはやればやるほど迷宮に入っていく、そんな感じがしてきた。特にこれまでと状況が異なってくるのは単に演奏をしたり、楽譜やCDを買ったりという行為によって発生する「著作権」だけでなく、インターネット環境下において音楽や映像・画像、あるいはテキストが自由に送信・受信されるという状態が生じてきたということだ。このマルチメディアというか、インターネット時代での著作権処理のあり方、あるいはもっというと著作権の概念はある意味飛躍的に複雑化し、また「深く」なって行っていると思う。ハーモニーで特集したものは、基本的に楽譜(出版社)とユーザー(合唱団メンバー)との関係にフォーカスをあてたものであったが、実は、合唱の世界にもダウンロードによる頒布・販売といった行為が徐々にであるが進んでいるわけだ。そんなとこもあり、一度はこのインターネット環境下における著作権について勉強しなくてはならないと感じ、昨日のセミナーに向かったわけだ。昨日の講師とテーマは以下の通り。


「コンテンツビジネスと著作権問題の概況」
東洋大学  経済学部 教授 山田肇氏

「著作権法改正の動きとビジネスへの影響」
~ダウンロード違法化の議論から見えてきたこと~
文化庁 私的録音録画小委員会 専門委員 ジャーナリスト
インターネット先進ユーザーの会MiAU発起人 
津田大介氏

「ビジネスのための著作権管理技術の実際」
早稲田大学セキュアリーガル・ディジタル流通研究所
株式会社メロディーズ&メモリーズ グローバル取締役・客員研究員 
中西康浩氏
ディレクター・客員研究員 木下信幸氏

「メディア制作業務に関わる権利処理の留意点」
凸版印刷株式会社 法務本部法務部 係長 大野郁英氏

それぞれの立場から今、インターネット環境下におけるコンテンツビジネスがどのような問題をかかえ、どのようにシフトしているのかを説明するもので、それぞれ1時間という枠組みであったが、とても参考になった。特に山田さんからは、現在、政府が推し進めようとしている「国立国会図書館」の蔵書3000万冊のデータ化の問題から見えてくる日本の諸問題と海外の現状を、津田さんからは今、政治の世界で「著作権」にからんでどんなことが議論されているのか、あるいは置き去りにされているのか、を論じていただき参考とするところが多々あった。また後半のレクチャーでは現在起きている訴訟にはどんなものがあり、それは何がポイントかということ、また新しい「許諾コード方式」という潮流についても学んだ。基本的に昨日の方たちはダウンロードを促進することで、よりコンテンツビジネスの発展につながるという立場の方である。仕事をする中では、まだその流れに反対の立場を取っている方たちもいる。その議論の双方を聞くことが多々あるが、問題は現在、このグローバル化と呼ばれる状況の中で、どこにその「着地点」を見出すのか、ということではないだろうか。とても難しい。(果たして着地点なるものはあるのだろうか?)いずれにしてもこの仕事をしている以上、著作権のことを学ばないといけない。もっと勉強しなきゃと奮い立つ一日であった。