ゆ~たん音楽堂

ドキドキ&ハートフルな音楽と仲間を探して
東奔西走!
音楽ディレクター ゆ~たんの日常。

CDをいかにしてリスナーに届けるか@エビスプロモーションはエライ!!

2019年03月20日 10時33分50秒 | Daily Life
CDが売れなくなった。まぁ、それはこっちに置いておこう。みんな知っていることだし、今に始まったことではない。問題は「これからどうやってCDをリスナーに届けるか」だ。僕たち作る立場からいうと、制作したCDはひとつずつ大事に自分の足で店をまわり、丁寧に説明をしてショップの方たちと意見交換をして展開をお願いしたい、と思っている。でも、そのやり方自体が古いという人が多くいる(実際、今、CDショップに足を運ぶ営業、販促スタッフは極めて少ない。別のシステムで動いているからだ)。現実問題とて特にレコード会社で働いていた時は、毎月ごとのリリースに追われ自分が店まわりをするなんて不可能に近かった。そして大きな営業・販促予算がつく企画ならまだしも、クラシックや学芸一般の企画においてはスタッフの数が充分でない、あるいは「いない」といった状況も多く、いわば「作りっぱなし」の商品が蓄積されるばかりとなる。こうなるといったいどうやってアーティストに報いたらいいのか、わからなくなってくる。そんな時、エビスプロモーションの大黒俊亮さんに出会った。以前、一度ちらっと紹介したことがある。ずいぶん景気のいい屋号だが、その名の通り大黒さんは「プロモーション」を専門にやっている。もともとは僕と同じレコード会社の出身で、まだ聴いたことはないがパンクのアーティストらしい。大黒さんはとにかく三度の飯よりもプロモーションが好きだ。もうこれだけで希少価値なのだが、大黒さんはきちんと店頭でポップを作ったりディスプレイを提案したりと本当に丁寧な仕事をしている。つまり、店員の方たちを自らのトークと資料で説得して動かしているわけだ。実際のところ、これはそうとう大変なことだ。僕もよく大黒さんと話すのだが、彼がいかに預かっている作品を愛し、リスナーに届けたいと思っているのか痛いほど伝わってくる。世にはいろんな形でCDがリリースされている。レコード会社が発売するものからインディーズのもの、プライベート盤まで。でも、もし大黒さんのような人がもっと増えたら、少なくとも売り場にももっと多様性が生まれ、いろんな音楽の聴き方を提供できるようになるんじゃないだろうか。「もうお店は売れないよ」なんて簡単に判を押したように言わないで欲しい、そう思う。そこに店舗があり、売ることでビジネスをしている人がいる、そして大黒さんのような「届けよう」とする人がいる限り、まだまだ、やるべこと、できることはたくさんある、と思うお彼岸の頃である。



【歌曲をうたいながら号泣した教え子の宮前聖くんが舞台に立ちます】

2019年03月16日 08時17分08秒 | Daily Life
まずはこちらの映像をご覧下さい。

pic.twitter.com/rc9aHE8lIS

リンクした映像に映っている「男子約1名」は大阪芸術大学での教え子です。

宮前聖(ひじり)くんといいます。
「ひじり」は本名。

もともとは音楽教育コースの学生で教師を目指していました(はず?)。

しかし最近彼のツィートを見ているとどうも教師になっている形跡はなく、
もしかすると俳優になろうとしているのでは、と思っていました。

でも、「あ、そうかも」と考えたのです。
それには理由があります。

実は彼の学年の「卒業制作」(実技発表)を見に行ったのですが、
その時、彼はなんと「歌曲」をうたいながら号泣し、
会場を興奮と困惑の坩堝に巻き込んだ経験があるからです。

「聖、これは本当に泣いているのか?それとも芝居か?
もし芝居ならこれはすごい、役者になれる!!」
と見ていた僕も興奮してしまったのですが、
どうやら本当に役者の卵になっていたので、これには驚きました。

あの時の涙の真相はまだ本人から聞いていませんが、
「卒業制作」がどのように評価されたのか、
これは永遠の謎となりました(笑)。

とにかくむちゃくちゃいい奴です。

今日と明日、大阪で研究所の公演があるようです。
僕は行けないのですが、お近くの方でご興味をお持ち下さる方が
いらしたらどうぞお運び下さい。

よろしくお願い致します。

◇公演の詳細は以下です。
http://www.himawari.net/school/kansai/osaka/news/14103.html

【児童養護施設「子供の町」での音楽活動@春日部市】

2019年03月15日 09時25分47秒 | Daily Life
児童養護施設というのは保護者のいない児童で、環境上養護を必要とする児童を児童相談所からの委託によって養育して自立支援と退所後のサポートをする施設をいう。かつては孤児院と呼んでいた。僕と同世代の人にとっては「タイガーマスク」での記憶が鮮明だろう。そんな児童養護施設のひとつ、春日部市にある「子供の町」で2年前くらいから月に一回の音楽活動を行っている。実際に子どもたちと活動をしているのは音楽療法士の井上勢津氏。資料によると「子供の町」の開設は戦後間もない1949年、戦災孤児の収容施設として誕生した。同じ時期に沢田美喜さんが神奈川県大磯町に設立したエリザベスサンダースホームがある。現在では幼児から高校生まで約150人がここで生活をしている。設立当初、両親のいない児童が入る施設であった児童養護施設も時代の変遷とともに、その様相が変化してきたという。1980年代の高度経済成長による社会的な「歪み」による家庭崩壊、2000年代になると児童に対する虐待が社会的な問題となり、両親がいても家庭生活を営むことができない子どもたちが親から逃れ、児童養護施設で保護されることになる。実際に「子供の町」では入所している子どもたちの60%強には親がいるが、入所後に交流ができるのは30%強という状況らしい。そして入所時の児童の約70%は虐待被害体験を持っていて心身を傷つけているという。このような子どもたちに対して月一回の音楽活動がどれほど役に立つのか、そこにはなかなか難しい問題もあるが、それでも2年にわたって活動を続けていると子どもたちから「もっとやりたい」「発表の場があったらいいのに」という言葉が出て来るようになったことは嬉しい限りだ。今年も卒業の季節を迎え、何人かの子どもたちがここを巣立つことだろう。このセーフティネットが完備されていない社会に飛び出すことがどれほど大変なことか、今僕には想像することしかできないが、僕たちが参加させてもらっているこの活動が、どこか心の支えとして残ってもらえたらと思っている。

◇子供の町のHPはこちら
 https://kodomonomachi.jp/