tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

角川書店『ガンダムエース』 2005年5月号

2005年03月29日 23時25分42秒 | ガンダム
ネタばれ注意!

「ララア=スンは私の母になるべき女性だった。」
おなじみ、「逆襲のシャア」で赤い彗星が最後に残した言葉として知られる。あれだけの人物が、最後に求めていたのは母親の影だった。というそのことに対して、アニメの各評論家は、かなりの議論を行った。かくいう私は、その記事を読んだのが高校生くらいの時だったから。詳細に関しては、あまり覚えていない。

なぜ、母親の影を追い求めたのか。あれだけの大思想家の父親を持ち、そのイデオロギーに命すらも投じたあれだけの男が。

これまで、アニメで描かれたシャアの「復讐」の原因は、父親がザビ家に暗殺されたということが定説であった。しかし、今回の安彦氏のオリジンを見る限り、父親が偉大なる思想家でも何でもなく、ただメンタルな面で弱い人だったことが強調されている。むしろ母親の方が強いという印象さえ全面に出てくる。

ジオン・ズム=ダイクンが偉大な思想家であったと思わされていた、当時の大衆と同様に、われわれ読み手もまた、父親が偉大だった人の復讐劇だと思いこむから、上記のような議論が出てくる。今回の話はそこのところを見事につかれたという印象がある。

いずれにしても、話がかなり練られたものになってきていて、ますます、安彦氏が描き出す、別な意味での「ガンダム」は非常にスケールの大きいものとなってきている。

アニメとしての、劇場版としての「ガンダム」から見ると、これはパラレルな意味での、周辺に位置づけた話と受け取る向きがあるが、そうではない。周縁もまた中心となる可能性を指摘したい。

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