tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

牛を置いてください

2005年12月31日 01時11分24秒 | Weblog
大丸梅田店で古書市をしているとかで、大阪へ。本当は火曜日にも昼休みに職場を抜けて、お昼を食べにいったついでに、立ち寄ったのだけど、本当に見ている時間がない。ゆっくり見る事が出来なかったことと、明治期の教科書が置かれているのが目に入ったので、もう一度行く事にした。というのも、明治期後半から、大正にかけての女学校のテキスト入手を伯母から依頼されているのだが、これがなかなか見かけないもの。こまめに時間をかけて探すより無いのだが、いかんせん、イメージ程度の情報しか持ち合わせず、雲をつかむような状態で探す事になる。

結果・・・見つからなかった。

同時並行で、自分の買い物もする。こないだ書いたブログ「飲み込まれるということ」で浅羽氏の『ナショナリズム』を取り上げたのをご記憶だろうか。実はあの本には根拠となると言うか、種本となるものがあって、それが筑摩書房から出ていた「現代日本思想体系(全35巻)」というシリーズに入った『ナショナリズム』という本。浅羽氏はこの全集を早稲田大学の近くの古本屋で均一本として入手し、こまめに揃えていって、その解説の部分を読んでいったと書いてあった。

この部分を読んでから、この「現代日本思想体系」も古本屋で探す対象となったが、良く似たタイトルで出ている岩波書店の全集だけは、腐るほど古本屋で入っている割には、見かけない。一度全く欲しくない主題で書かれたこの全集の一冊を、かつて書いた「靴を脱いで入る古本屋」で見かけた事があるが、結構な値段がついていた。もう均一本どころか、希少な価値を持つ本になったのかも知れないと思っていたが、今日、発見した。それもズバリ『ナショナリズム』で。

本の奥付を見ると1964年初版とある。結構古いが、次の行では1968年の時点で第7刷となっている。たった4年で七回も刷ったのである。結構売れていたのかもしれないが、私が入手した本には、書店で売れたときに抜く「ボウズ」(しおりのようなもの)が挟んであった。売れずに残り、古本屋に回されたのかもしれない。ちなみに定価が650円の本だが、古書市のでの売価は500円だった。まあ、こんなものかも知れない。解説部分は吉本隆明だ。

で、バタバタとしていて、正月早々東京へ行かなければならないので、行きの新幹線や帰りの夜行バスの手配をする。そのついでにJR大阪駅の構内になる新刊書の本屋へ寄ったが、この店は結構商売熱心で、サイン会や「意見をください」の箱を置いている。その質問内容と、回答を書いて貼ってあったが、この中に「?」と思うものがあった。

「牛を置いてください」

という希望である。とんでもない質問だ。これに対して書店側は、

「先日、営業会議があって、議案に載せましたが、残念ながら、議決の際に牛を置く事に今一歩及びませんでした」

という内容のもの。

なかなかユーモアがある。


最新の画像もっと見る