tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

狂乱の華、咲く

2006年04月07日 23時55分22秒 | Weblog
ようやく桜が咲き始めた。少し時期的に遅いのかもしれない。大阪の扇町公園の周辺でも、咲いている事は咲いているが、まだまだ咲き誇ったとは言い難く、5分咲きと言うところか。

松たか子が主演し、「スワロウテイル」で知られる岩井俊二監督の作品に、「四月物語」という作品があるが、あの冒頭にはとんでもなく満開の桜が出てくる。余談だが、桜吹雪が似合いそうな東宝のヤクザ系の映画の殴りこみシーンは、桜が出てくることはなく、必ず雪が降るのである。これは、東宝映画のお決まりだとか。

花見に出かけた記憶は少ない、あるとすれば父親の所属していたソフトボールクラブのメンバーとその子ども達が連れられて、見に行った事くらいか。
通っていた大学の周辺には桜の木がたくさんあって、花見をするにはもってこいだったが、私が在籍し4年間の桜が咲く時期は、軒並み寒い時期だった。やっている人を見ても、コート着ながらというくらいである。たかだか桜の木の下でドンチャン騒ぎをしたあくる日には花粉症というのも珍しくないだろう。
昨日の朝日新聞の夕刊にこんな記事が載っていた

「桜は怖いもんです」京都の桜守で知られる16代佐野藤右衛門は言う。
藤右衛門は5年前の3月、京都府北部の村へ行った。村の墓にあった桜の巨樹が枯れたので、原因を調べようとしたのだ。根元を掘り返していると、急に雲がわいて暗くなり、風が巻き、雪が舞いだした。藤右衛門は生まれて初めて桜に恐怖を感じる。あたふたと作業をやめて帰った。翌朝起きると、顔の左半分が腫れ上がり、左耳が聞こえなくなっていた。
腫れは一週間ほどで引いた。だが聴力は今もほとんど失われたままだ。「満開の下で背筋が寒うなる感じは、よう分かる。桜には、計り知れん妖気がある。」


にわかに信じられない話であるが、そもそも霊すら感じる能力の無い私だから、なおさら信じられないくらいである。しかし、毎年この時期になると、私は、よほど体調管理をしないと病気になることもあるから、必ずしも桜だけの影響でなるものではないと思う。ただ、何代にもわたって花に接してきた人の話だからリアリティのある話だ。

では、いつの桜が一番「安全」なのか?
多分、散っていくときの桜が一番無難なのだと思う。満開の桜をダイレクトに表現したものよりも、散っていく情景のほうが音楽の題材にもよく使われているしね。