今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

裏妙義縦走

2006年02月08日 | 山登りの記録 2004
平成16年3月14日(日)

 先月の鹿岳・四ツ叉山は特に問題なく、子供たちも岩場に大分慣れたようだ。
 だからと言うわけではないが、満を持しての妙義だ。でも、表妙義はまだ早い、取りあえず裏妙義の方を順番通りで選んだ。

 国民宿舎の駐車場を8時半に出発。フロントの人に駐車することを許可して貰った、車を置かせて貰うだけなのにとても丁寧な対応だった。国民宿舎の背後に並び立つ岩峰は高校の頃遊んだ木戸の岩峰群だ。その、木戸のある籠沢沿いの道を進む。子供たちはいよいよ岩山の本命妙義の一角ということでわくわくして期待しているようだ。

 籠沢コースに入っていくらもしないうちに、「鎖場はまだか」とうるさい。木戸に着くまで、杉林の薄暗い登りをしばらく進み、沢の本流(涸れている)を大石を乗り越えるように進む道になって最初の鎖場が現れた。難易度は低いがこの先も幾つか鎖場があった。木戸からは登りもきつくなってくる、木戸の岩峰群は周りを取り囲むようにそそり立ち、岩のあちこちにある洞窟が子供たちには大変興味があるようだ。この岩峰群は国民宿舎の背後にそそり立って見事な景観を作っている「御殿」と呼ばれ、丁須の頭から仲木川に急角度に落ち込んでいる断崖部分だ。

 木戸からは涸れた藪っぽい沢沿いをはい上がっていく。所々に岩場があるが、特にどうと言うこともない。すっかり春の陽気で、登りは汗ばんでくる。向かいの風穴尾根の風穴(岩峰に開いた穴)がぽっかりと見える。雨が少ないのでほこりっぽい、急な登りも土の斜面は砂埃が舞い上がる。溶岩にぼこぼこと小石の挟まったような妙義特有の岩(安山岩)のゆるい斜面になり、鎖が垂れている。鎖を使うほどでもない。こんな感じでルンゼ状の(岩もあるけど泥のずるずるした)斜面を登り切るとぱっと視界が広がって、稜線に出た。春霞で遠目は利かない、鼻曲や浅間辺りの近い山さえ霞んでぼうっとしている。子供たちは意外に大したこと無いといった風情で物足りないようだ。なあんだ、こんなもんかという感じだった。(ふふふ…これからなんだよ君たち)

 この先、丁須の頭までは数カ所鎖場があった。少し子供たちも緊張したようだ。丁須の頭には中年の夫婦がいただけ、こんなに天気のいい日曜日なのに人気が少なくて気分上々。遭難プレートのある丁須岩の基部まで登って休んだ、さすがに高度感抜群で落ち着かない。長男は「頂須岩の上に登ろうよ」と言って鎖を握る。「登っても降りられなくなるから止めなさい」と制止した。全く怖いモノ知らずだ。(この岩の上に登ると降りる下が見えなくて怖いんだよ、ぼうや達)

 今日は行程が長いので長く休めず、次男は時間が短くてスケッチも乗らないようだ。せかされて少し腐ったようで、できばえも良くない。西大星の岩峰を見下ろした位置で描いていた。(そういえば、西大星はまだ登っていないなあ)

 丁須の頭からは岩稜の縦走だ、行く手に赤岩と烏帽子岩が大きく聳えている。その基部のトラヴァースもここからよく見える。次々に岩を鎖で乗り越えていく。
 しばらくで、本日のメイン20メートルのチムニーの下り…。さすがにここは補助ロープが必要だ。下り口はほぼ垂直で、途中から屈曲しているので下はよく見えない。
 岩自体はスタンスもホールドもぼこぼこ有りすぎるくらいだが、子どもはチムニーの幅をうまく利用できないだろうから、楽な下りとは言えない。落ちたらかなりやばいだろう。ハーネスを付け補助ロープを用意する。次男を先に降ろして、次に荷物、そして長男の順に降ろす。
 下り口を少し下ると傾斜が緩くなって、広い岩溝の緩斜面状になり容易だ。次男も長男も下り口で苦労していたが、思ったほどではなかったと強がった。(結構緊張したろうに…過去一番の難所だからイヒヒ)

 その先も次々に鎖場が現れて退屈しない、子供たちは大満足の様子。まるで冒険の気分だが、思いの外時間がかかって、下り着く時間が遅くならないかが少し懸念された。
 次の難所?は赤岩のトラヴァースだ。ここは滑り台のような大きな岩壁をまさにまっすぐ横切るわけだ。技術的な難しさはないが、高度感があって緊張する。 二人とも足場を確かめながらだが、それほどではなかったようだ。でも、怖くておもしろい?らしい。赤岩を巻き終えると、展望の良い岩壁の縁に出た。山急山や稲村山・浅間方面がよく見える、といっても霞んでいるんだけど。
 ここで本日やっと携帯が繋がってうちに電話した。子供たちは岩場の通過の模様を話していた、次男にしてみれば、自分が最初に下りたチムニーは結構鼻高々のポイントであったようだ。

 休んでから、時間も大分回ってしまったので少し急ぐ。烏帽子岩のトラヴァースはどうと言うこともない鎖場で、この程度では最早子供たちの興味も引かないようだ。「鎖場ばかりで、もううんざりかい」と聞いたら、「ぜーんぜん」だってさ。
 烏帽子岩を巻き終え、風穴尾根の頭の岩頭から来し方の眺めが得られた。正面に烏帽子岩が大きくそそり立っている、登れそうじゃ無いなあ?(子供の居ないときに登ろうっと)その向こうに赤岩が見え、もう大分遠くに丁須の頭と丁須岩が小さく見えた。そこを過ぎればあとは雑木の尾根を辿って急降下し、三方境に着いた。

 谷急山まで往復してきたというおじさんに会う。一休みの後、だらだら下りを下って、仲木川の林道にたどり着いた。もうすっかり夕方になって裏妙義の岩峰は夕日に映えていた。かなりハードなコースだったので子供たちも疲れたようだが、念願の妙義の一角を登れたことが満足だったようだ。
 帰りは坂本の「峠の湯」に寄ってから帰った。

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