今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

四ッ叉山・鹿岳

2006年02月09日 | 山登りの記録 2004
平成16年2月28日(土)

 24日に金鶏山と稲村山に登ってまだ4日しかたっていなかったのに、子供たちが山に行きたがっているので、登って間がない鹿岳だ。さすがに鹿岳だけじゃつまらないので四ツ叉山をセットにした。少しきつそうだな…。

 いつものコースで南牧入り、子供たちも大分この村が馴染みになったようだ。六車だの底瀬だの道場だのといった、変わった名前の地名もとても親しくなった。大体、子供たちが初めてこの南牧で登った山は立岩だが、それ以来、毛無岩・黒滝山・大屋山ときて今回5山めが鹿岳・四ツ叉山だから、南牧は冬の山遊びのホームグラウンドになってしまった。実際雪も少なくて、短時間で気軽に登れる上に岩場など変化に富んでいて楽しい山域だ。他にも碧岩・大岩、烏帽子岳・三ツ岩岳・大津や小沢岳、その他もう登ってしまったけど檜沢岳などもある。

 登山口を通り過ぎ、底瀬集落手前の鹿岳駐車場まで行って車を停める。一台既に他県ナンバーが止まっている、先行者がいるようだがこちらは少し戻って四ツ叉山登山口の大久保まで歩く。
 狭岩峡という名前の大岩にサンドイッチされたような岩の割れ目の道を行く、すごいとこだねえ…。落石が危険なので、岩は上の方まで防護ネットが張ってある。少し先に谷間に固まるように小さながあった。ここ南牧では集落はみなこんな感じ、橋から道が分岐し四ツ叉山へはここを登っていく。ゲートボール場のような広場にいた老婆に「四ツ叉山はこっちですか?」と聞いたら、そうだと言った。

 舗装の山道を登っていく、一月に登った黒滝山でも帰りはこんな感じの山道だった。いつの間にか家はなくなり、舗装は土の道になり山道らしくなってくる、堰堤があってそこから本格的に登山道になった。堰堤の手前に10台は車が停められる四ツ叉山駐車場があった。ここでは地元の人が登山者に理解があるようで、結構立派な駐車場がどの山の登山口にも出来てきている。

 登山道に入ると間もなく水場があった。苔のはえた青石の上で足を滑らせて朝からいきなり肘を打ち付けケガをした。いってー。子供たちは元気いっぱい。しばらく杉林を登り、また再び段々畑に出た。こんな上に畑を作って出作りするのだろうか?ここまでくると陽当たりが良くて春の陽射しだ、この分だと今日は暑くなりそうな気配だ、本当に今年は春が早い様だ。最初の分岐に出た、左がマメガタ峠、右が大天狗、右の道を登る。傾斜が可成りきつい、汗をかく頃大天狗に着く。ここは四ツ叉山の南側急斜面の取り付きになっている。

 実はこの時期、鹿岳のニノ岳の悪場はもしかしたら雪や氷で登れないかもしれない、と二人にに言って置いたが長男は別段それを気にする風ではなかった。次男はそれを気にして不満のようだった、「登りたい」と若干の愚図模様。だから、四ツ叉山も登るのは少し不本意のようだ、「鹿岳だけでいいのに…」とぶつぶつ。頂上まで結構な急登だった。頂上の手前に剣をささげた石像があった。この山には沢山の石像があるようだ、大天狗にも小さな天狗の石像?があったし、大天狗の反対方向にも「石像有り」の標識があった。

 頂上は大変眺めの良い雰囲気のいい所だ。ビリケンのような石像がある、意地の悪そうな顔をして手に桃のようなものを持っている。頂上には雪が残っていたし、隠れて見えにくい北側斜面にはかなり積雪があるようだ。そんなことをいったら、また次男がすねたような顔をした。今朝コンビニで買ったチョコレートを食べたり、スナック菓子を少し食べた。
 ここからみる鹿岳は、遙か向こうといった感じ、いやーこの調子だと出発時間からして遅かったから、正午はとうてい無理で午後の遅い時間になってしまいそうだ。お昼は途中で食べるしかあるまい…。
 すぐ隣のピーク(ほんの2,30メートル程しか離れていない)の上にも石像があるようだ、そこには人がいるのか話し声がする。三角点のそばにノートの入った缶がある、ノートの一番最後の記載文を読むと今日の日付で男二人と書いてあるが、その記載者の話し声のようだった。

 先が長いので休みもそこそこで次のピークに向かう。一旦下り、北面の雪が残るトラヴァースになるが、ここにはロープが張ってある。2番目のピークの上には、ほっぺたの膨らんだ神様の石像があった、そこに2人のご年配が休んでいた。休むことなく、また下り三つ目のピークに向かう。

 3番目のピークにはカラス天狗が羽を広げていた。これは傑作だ!この日に見た石像の白眉でした。何しろ顔つきと、特に口が出っ張っているところの表現が秀逸、「あはは」でした。この山は石像を見て歩くだけでも面白いね…。

 4番目のピークとの鞍部で腹が減ったので昼食とする。子供たちは、やっぱり鹿岳が本命なので、特に次男はニノ岳登頂にこだわっている。それはともかく、おむすびは美味しかった。
 4番目のピークを過ぎ(四ツ叉山なのにまだ2つピークがあった)さらに小さなコブを越えて、目の前に大きくなった鹿岳との鞍部であるマメガタ峠に急降下。やはりこの下りも北面なので雪が残っていた。峠には中高年のグループがいた、これから四ツ叉山に向かうようだ。

 休む間もなく今度は鹿岳・一の岳の岩峰に向かって登り返す。次男が疲れたのかやや遅れ気味、いつの間にかまた杉の植林帯まで下っていたので、暗い杉林の登りをジグザグと繰り返して雑木の尾根にたどりつき、藪がややうるさい一ノ岳岩壁の基部に着く。ここにも中高年のご夫婦がいた。見上げるとやや被り気味の岩壁はのしかかるように大きい、ここからこうして見上げると、この岩の上に容易に立てるとは本当に信じがたい。雑木を透かして、越えてきた四ツ叉山が、もうかなり低く見えるようになった。

 時間は既に午後1時を回っている、次男の到着を待って一ノ岳とニノ岳の鞍部に向かって岩壁沿いをへづり気味に登る、ここにも真新しいロープがあった。さっき次男に聞いたら、一ノ岳よりも先にニノ岳に行きたいそうだ。もし、雪や氷で登れなくてもそれを確かめてからでないと一ノ岳に行くのはイヤだなんていっている。ヤレヤレ…(この子は言い出すとガンコなんだから)。長男は先に鞍部まで登っていて休んでいた。

 ここからは1年半前に登ったときと同じコースだ。次男が到着するのを待って、そのままニノ岳に向かう。ニノ岳の北面…前に登った時は病み上がりで体力が無い時だったのと、まともな登山から遠ざかっていて、情けないくらいその岩場に緊張したことを思い出す。実際は、しかし今回行ってみると大した岩場ではなかった。少なくともこの日はそう感じた。

 幸い懸念していた雪も、登れないレベルのものではなかったし、補助ロープを出すまでもなかった。でも、二人ともスタンスが外傾している箇所では、高度感もかなりあり緊張したようだ。次男はここが登れたことが本当に嬉しかった様で、岩場を無事通過し、最後のリッジに出たところでこの日一番の笑顔を見せた。最後の一歩は手を取って引っ張り上げた。ホントは怖かったようでした。

 ニノ岳山頂にはもう誰もいなかった。既に1時半を回っていたが、それでも予想よりは早く着いたようだ。結構きつい登山しちゃったな。前回の時と同じ、山頂を一段下った岩棚を3人で占領し食事をして休憩した。

 家に電話をしたら、2時にもなるのにまだ山頂に着いたばかりだというので少し心配していた。周囲は360度の展望、妙義やその周辺の山々、雪が融けてきて黒いところが増えてきた浅間山、目の前はトヤ山・荒船山・黒滝山と南牧の山々、など飽きない。でも、一番のみものはすぐそこの一ノ岳の岩峰だろう、なんでこんな格好の岩山がここににょっきりと立っているのだろう、まさに生えているという感じだ。前回は逆光だったため写真がよく撮れなかったが、今回は西から陽を浴びてほぼ順光で撮れた。

 おにぎりやラーメンを食べたり、次男はまたスケッチをしていた。でも、大分山でのスケッチも飽きてきたのか、浅間山を描いていたけどあっという間に終わってしまった。おやおや…。
 ニノ岳の下りは特に問題なかった。一ノ岳も展望は良かったが、既に大分陽が傾き初めて夕方の雰囲気だ、やや赤みがかった山々の光景をはいつまでもパノラマで広がっていた。真下の谷間沿いの集落は日が陰って寒そうなグレーの中に沈みはじめていた。
 下りはあっという間で、無事に車まで戻った。鹿岳も四ッ叉山も小さな山だけど、本当に楽しいお山でした。
 帰りはまた、磯部の「恵の湯」に寄って帰った。この温泉気に入ってます。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿