今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

金鶏山・稲村山

2006年02月09日 | 山登りの記録 2004
平成16年2月24日(火)

 昨年、登ろうと思って登り損ねた妙義の金鶏山と碓氷バイパス脇の稲村山。わざわざ登りに行くほどの山ではないが、何時も目について気になっていた山だから2山組にすれば結構魅力はある。
 平日の朝7時過ぎは渋滞の時間帯だ、高崎まではかなり混んでいた。それでも金鶏山の登り口に9時少し過ぎに着いた。元有料道路(妙義もみじライン)だった道だ、今はごく普通の県道になっているが、どちらかというと道は荒れている、観光シーズンでない今の時期だから、道路の補修工事をあちこちでしていた。

 妙義に来ると、信越線を電気機関車に引かれた客車に乗って松井田駅まで来て、駅から白雲山を見上げながら、てくてく登山口まで登ってきた高校の頃を思い出す。一応松井田の駅から妙義神社経由下仁田行きというバス便があったが、どういうわけか列車の時間が合わなくて大抵は歩いたものだ。そうして表妙義の縦走や、一つ先の横川まで行って裏妙義の岩場や沢で遊んだ。妙義は岩登りを始めた練習場だった。土曜の午後に自転車をこいで通った事もある…。

 旧有料道路(妙義もみじライン)は道路工事の人以外には人を見なかった。ホームページに書かれていた金鶏山に関する登山情報によれば(昔からというよりここは有料道路が造られたころから道路に落石の心配があるので登山禁止ということになっていたが)金鶏山下の見晴らし駐車場から少し先R40の標識のあるカーブから階段を登っていくらしい。ここから登るのが頂上への最短ルートで、短時間で登れるということだ。その駐車場に車を停め、仕度をして歩き出す。陽射しはすっかり春のようで、登りは暑くなりそうだ。

 石段のところに登山を自粛するように促す看板があった(読んでみると禁止ではないらしい…)。始めから登りは恐ろしく急で、その上ずるずると滑りやすい。すぐに尾根に取り付き、ますます急な登りを行く。意外だが、結構歩かれているようだ、余りハッキリしない登山道ながらもしっかりと踏み跡が上に向かっている。
 しばらくで沢すじに移り尚も急な登りをあえぐと、恐竜の背のような溶岩流がそのまま冷えた感じの岩場に出た。

 眺めが良くなった。真下に愛車が屋根を光らせて小さく見えた。岩場を登っていくのは上級コースとある、当然それに取り付いたが、少し登るとホールドもスタンスも問題のないらくちん登りだが、完全に馬の背状になってその岩脈は上に続いている。下を見ると落ちたらただではすまなそうな高度感。今日は危ない登りをしにきたのではない、もう一度下りて巻き道コースにした。ザイル持って来なかった…。
 巻き道は左に回り込んで、頂上から?南に下る支稜に向かって登りだした。とにかくこれもきつい登りだ、すり鉢のへりを這い登るような急斜面をしばらくで支稜に出た。ここからわずかでやや藪っぽい山頂だった。

 御嶽山大神の石碑と、いつもの御嶽山信仰の山によくある位官装束の石像(本家の木曽御嶽にはたくさんありました。御嶽の神様です)があるピークの少し先に三角点のある頂上があった。途中の沢を登る所で朽ちかけた栗のイガに手を付いて、右手にどっさりトゲを刺してしまい酷い目にあった。トゲは一生懸命抜いたけどまだ少し残っていて痛い。思っていたより大分厳しい登りだった。少し金鶏山を甘く見ていたようだ、やっぱりここも妙義の一峰なのだからそこそこの険しさを考えて当たり前か?
 昔、この山の峰続きの筆頭岩には何度も登ったけれど、そこから金鶏山への道には入れないようにしっかり通せんぼしてあった。筆頭岩は快適なクライミングが楽しめる妙義でも最高のスポットだが、ここも今は一般登山者は登らないように書いてあるらしい…。まあ、鎖もないし、頂須岩よりもグレードは高いから当然なのでしょうが。

 春の陽射しが溢れていて、おかげで景色は靄っている。すぐそこに白雲山がノコギリの乱杭歯を壁のように立ちはだからせている。大の字も手に取るようだ。登ってくるときに見えていた南牧方面の山々はここからは見えない。樹木に邪魔されて思いの外展望は良くない、狭い山頂をあちこち移動して草津方面・榛名・赤城方面を透かし見、高崎まで続く関東平野周縁部の町並みが霞んで続いていた。のどかで眠くなるような山頂だった、足元はぞっとするほど切れ落ちているけれど。

 下りは文字通り転げ落ちるように下って、30分足らずで下りてしまった。南支稜の下り口から見る金洞山は見事過ぎるほどの眺めだった。

 さて、次は稲村山だ、まだ時間はお昼前だった。
 碓氷バイパスに入り、去年の秋登った山急山の登山口を過ぎ、上信越道のアーチ橋をくぐって直ぐ廃業したカラオケ屋のところを左折、のどかな山村といった雰囲気の集落を赤坂に向かう。左手にピラミダルな稲村山が高い。その稲村山を西側に大きく回り込んで、登山口の標識がある橋のたもとを林道に入る。登りが急になって、建設中のダムの工事現場手前に車を停めた。そこから落葉松の林を快調に登り、傾斜がきつくなって雑木の峠状の分岐に着いた。ここから稲村山は左、右は高岩方面だ。

 空は霞むというよりやや曇り始めていて、いまひとつのお天気。雑木の斜面をジグザグに登る、急だが思ったほどではない、そのうちひょっこり山頂に着いた。朽ちてばらばらになった小屋の屋根が一段下に散乱していた。小さな祠と、山急山にもあったくせ字の山名板があった。

 確かに周囲はよく見渡せる、碓氷バイパスを走る車も手に取るようだ。しかし、長いこと登ってみたいなあと思っていたあの稲村山(下から見た、軽井沢からだと上から見下ろしたピラミダルな格好の良い山のイメージ)なのに登頂の喜びはイマイチだった。その山頂がごく平凡な雰囲気だったからか?それとも簡単に登れてしまったからか?思っていたほど、その山頂からの眺めは良くなかったからか?曇り始めているこの天気のせいもあるのか、どれもあったろう。
 
 ラーメンをすすって、のんびりとした。周囲は360度ぐるっと見渡せる、多少低い藪が邪魔をしているが許容範囲かな。一番近くに谷急山、裏妙義の岩峰群、なつかしい?山急山と高岩、矢ヶ崎山の上に浅間が大きい。
 しばらく休んでそろそろ下りようかなと思ったら、中高年のご夫婦が登ってきた。下りは更に早く15分足らずだった。バイパスに出る手前で山急山と稲村山が形良かった。気になっていた山を2つ登れて満足だった。

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