千葉雅也 新潮社
哲学を専攻する大学の教員が書いた小説。芥川賞候補だったが選に漏れたという。表題作の他に、川端康成賞を受賞した短編も収録されている。
一人称で語る感じで、乾いた言葉で淡々と。どちらも主人公はゲイで、性処理は話題として出てくるのだが、性描写も淡々としている。一人称の主人公を、作者が醒めて観ているような感じだ。人との関りも、乾いた感じ。昔、村上龍が、芥川賞の選考で、新しい情報が入っているかを重視していると言っていたけど、そういう意味では、ゲイの世界を垣間見ることはできる。今後、どういう小説を書いていくのだろう。
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