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Pretenderの備忘録

もとの黙阿弥

2005-08-14 23:43:01 | 芝居・ミュージカル・バレエ
22年ぶりの再演という。22年前、孝夫さん(現仁左衛門)、大竹しのぶ、水谷良重(現八重子)が出ていたというのに、記憶にない。島田陽子、初のミュージカルというのはその当時の記憶にあるが(ミュージカルなのに、彼女はまったく歌いも踊りもせず、その部分はすべて夏木マリがカバーしたのだった)。
今回は、筒井道隆君と田畑智子ちゃんが軸。この組み合わせ、劇場で気づいた、内舘牧子の「私の青空」ではないか。脇を高畑淳子、村田雄浩、池畑慎之介なんかが固める。劇中劇あり、演劇論争の台詞もあり、歌も踊りもあって、楽しめる。身代わりの喜劇はシェークスピア的だ。
筒井君、芝居はうまいとは言えない。ただ、存在感のなさが存在感なっているような不思議な透明感がある。なんとも危ういナイーブさを醸し出す。こういう役者さんはたしかにあまりいないかなと思う。菊之助がこういう面も持ちあわせているかなあ。
めでたしハッピーエンドと思いきや、最後の10分で大どんでん返し、これが井上ひさしらしさというものであろうか。僕の世代の井上といえば、まずひょっこりひょうたん島で、吉里吉里人、こまつ座。進歩的知識人の面目躍如というところだろうか。
観客の年齢層は高かった。春猿、笑三郎をロビーで見かけた。女形なのに、皆結構体が大きくて、猿之助のイメージとはだいぶ異なる。それにしても、役者って盆休みも芝居を見てるんだあと。

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