10年前の初演、勘三郎も芝翫(当時橋之助)も福助もいない最初の本当に若手のコクーンだった。勘九郎がみずみずしく、「俺は誰なんだ」という叫びと共に記憶にある。逆にそれしか覚えていなかったことが観ていて分かった、苦笑。
黙阿弥だったっけ。こんな展開だったっけ。そんな感じで観ていた。ジャズっぽいトランペットの串田演出の音楽は何となく覚えていたけど、これ、三人吉三で使ったらいいだろうなとか思ったり。
井上ひさしの雨を思い出したりもした。
今回は勘九郎の「巧さ」が目立った。
芝居としては面白いので、普通の脚本で、国立辺りにかけても良いかもしれない。
河竹黙阿弥 原作「五十三次天日坊」
串田和美 演出・美術
宮藤官九郎 脚本
天日坊(てんにちぼう)
法策 後に 天日坊 人丸お六 地雷太郎 猫間光義 観音院/赤星大八 北條時貞 傾城高窓太夫 越前の平蔵 お三婆/鳴澤隼人 久助 | 中村 勘九郎 中村 七之助 中村 獅童 市村 萬次郎 片岡 亀蔵 中村 虎之介 中村 鶴松 小松 和重 笹野 高史 中村 扇雀 |