愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

虐待された猫

2006年11月26日 | たっちーの部屋
 10年以上前になりますが、虐待された猫を見たことがあります。その猫は、保健所で保護されていたのですが、ある施設に引き取られました。その施設で、当時スタッフとして働いていた友人を尋ねたときに、その猫を見たのです。
 猫カゴの中で身を硬くして、食べるとき、飲むとき、トイレに行くとき、という生きるために最低限必要なときしか、カゴからでることはありません。それも、それぞれを大急ぎで済ませ、逃げるようにしてカゴに入っていました。友人がカゴから出して、抱き上げても抵抗はしません。身を硬くしてジーっとしています。しばらくして、ゆっくりと床に降ろすと、大急ぎでカゴに入っていきました。鳴くことも、怒ることもしなくなった猫。見ていて、胸が詰まるような思いがしました。
 子どものころに虐待を受けて育った人にも会いました。一見すると、普通に生活しているようですが、だれも信用していませんし、愛してもいません。他人を信用すること、愛すること、大事にすること――人が人とつながるために必要な最低限のことができません。
 だから、誰かと一緒にいてもいつも孤独です。でも、それでいいと思っているわけではなくて、本心では信用し合い、愛し合い、大事にし合う関係を人一倍望んでいます。
 だけど、やっていることは、いつも人を傷付けること、人に嫌われること、人を憎むことばかりで、常に敵を作り続けています。
 人間は、新しい生き方を始めることができます。決断をしてゆっくりと、でもしっかりとした足取りで誠実に歩んでいけば、気がつくと信用し合い愛し合う関係に囲まれていきます。
 人間を虐待するのは人間、猫を虐待するのも人間です。でも、同時に人間や猫を愛しみ、大切にすることができるのも、やはり人間しかいません。
 しばらくして、友人は施設を退職してしまったため、その後、猫がどうなったのかは不明ですが、猫好きのスタッフの多い施設だったので、きっと大切に育てれられたことと思います。
 人間のほうは、新しい生き方を始めて、今では同じように虐待されて育った人の心のケアをする仕事をしています。
 猫も人間も、すぐには結果は出ません。うまくいかないことがたくさんあると思います。でも、信用し合い、愛し合う関係を年輪のように積み重ねていくことができれば、ゆっくりですが、何かが変わっていくのだと思います。
 ちなみに、今回の写真は、僕が打つフリをしても、まったく無反応な西子の寝顔のアップ。もはや飼い主としての威厳はゼロ。虐待はいけませんが、ここまで舐められるのは、ちょっと悔しい。
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5 コメント

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まったく! (hana*)
2006-11-26 09:21:13
弱い者をイジメるのは許せませんね
たぶん、戦争ってなくならないですよね。
それといっしょで虐待とかイジメもなくならないでしょう。
ヒトも動物ですから、自然淘汰というか弱肉強食の本能みたいなものはなくならないでしょう。
野生の動物たちだって、イジメや虐待をするっていいますものね。
野生動物の場合はまさに自然淘汰で生きていく上で必要なことなんですね、ヒトからみると残酷ですが。
でも、ヒトの場合は自然の中ではなくてヒトの社会で生きてますから、淘汰ではなく共生する術を持っていますから、絶対あってはならないことなんだと思います。
特に、その社会で生きる人間がノラネコや野生動物を虐待するなんて、とんでもないコトで、最低最悪ですよね、まったく。
返信する
本当にそうですね (rinko)
2006-11-26 18:48:41
虐待をするのも人間、そしていたわり愛することをできるのも人間。
この殺伐とした世の中で悲しい話を聞くたびに心が痛みますが
たっちーさんのコトバでちょっと救われました♪
西子ちゃんもたっちーさんの愛情をわかってるから舐めて…
はっ!いやいや…  うちも一緒でした~ 
返信する
こんばんは! (たっちー)
2006-11-26 23:57:51
◎hanaさんへ
おしゃるとおり! 人間は…というより人間だけは、
共生する術をもっているのですから、
虐待やいじめは許されるものではありませんよね。
hanaさんのように、身近でできることから、
コツコツとやっていくことで、愛情の連鎖が
少ーしずつでも拡がっていくことを願っています。

◎rinkoさんへ
救われていただきましたか。
そういっていただけるとうれしいです!
ありがとうございます。
西子が、僕の愛情をわかっているかは不明ですが、
舐められまくっています(笑)
返信する
削除してもかまいません (氷花)
2006-11-29 07:45:25
沈黙黙考西子ちゃん…

この記事にコメントは、むずかしいですね…

とてもなまいきでもうしわけないのですが、
>誰かと一緒にいてもいつも孤独です。
孤独じゃないひとは、きっといない
けれど、この方は、孤独という闇を、ふつうのひとよりもっと、かかえているのかもしれません…

>それでいいと思っているわけではなくて、本心では信用し合い、愛し合い、大事にし合う関係を人一倍望んでいます。
だれしもがねがう、とうぜんの望み
せつなるおもいで、ねがっているのでしょう…

(ほんとうになまいきでもうしわけありません…
ほんのすこしだけ、自分とかぶるところがあるのです…

撥ねつけているようにおもえながら、実はひとより以上にもとめていたり、するんですよね…
ち、ちがうかな;)

神さまは人間に「自由」をあたえる
虐待する「自由」も あたえる

ときになやむ「自由」ですね…


(わたしはわがねこにきびしいです!
「なんでそんなにえさあげるのよ!」なんていつも母に怒っています
「(これ以上)でぶになって病気になったらどうするのよ!」なんて)
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氷花さんへ (たっちー)
2006-11-30 00:54:56
人間はひとりで生まれて、ひとりで死んでいく…
その意味では、誰しもが孤独なのかもしれませんね。
でも、どのようなかかわりであれ、人と人がかかわりあって、初めて「人間」になるのだと思います。
できるだけ、良好なコミュニケーションを実現して、猫がお互いの身体を温めあうように、寄り添って生きていく…そんな関係を少しずつ広げていくことができればいいんじゃないかなぁって思っています。
自分だけ温またたまるのではなくてね!
団塊の世代がよく「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」って使っています(使っていた?)けど、大切なのはそーいうことなのかな?って思います。
氷花さんは、魔術師ですから大丈夫!
ちゃーんと周りも温めてますよ!
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