Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

黄色い線

2008-04-04 12:30:43 | つぶやき
 無人の駅で放送が流れるというと、「電車が来ます」とか「○分遅れています」といったぐあいの電車の到着を知らせる録音と、遅れを知らせる緊急的なものに限られる。ようはほとんどないといってもよい。

 伊那市駅では駅員が常駐していて加えて昇降客もそこそこいるから、かならず肉声で電車の到着を知らせる放送が入る。時には「黄色い線の内側でお待ちください」という。確かにホームにはイエローラインが遠めには見える。しかしそのイエローラインは、実は目の不自由な人用の点字ブロック、あるいは点字のシート張りである。2メートル程度の狭いホームであれば、ほぼ中央にそのイエローラインはあるが、伊那市駅のようにホームが広ければ、イエローラインはどうみても電車に近寄ったホームの前面にあるといってよい。ほぼホームの先端から1メートル程度の位置にあるこのラインは、電車側に対して停止を指示するものである。しかし、この停止ラインを意識して縦断方向に歩いていてよろけたりすると、場合によってはホームから転落しかねない。しかしそんなことが話題になったこともなけれけば、転落して事故が起きたということも聞かないから、そんな可能性はかなり低いのだろう。それでも広いホームになるとかなりホーム先端寄りにあるから、危険な印象を受ける。いや、放送で「黄色い線より前に出ないで」ということはこのラインは危険ラインの目安とされているし、運行している側もそういう意識で見ている。もちろん目の不自由な人たちもこのラインを危険ラインとして認識しているのだろうが、点字ブロックの位置がホームにおいて適正なのか少し疑問にも思う。健常者でもこのラインより中側を歩くことはない。しかし、点字に誘導される人にとっては、このラインを意識して歩けば、ホームの先端寄りを歩くことになる。そう思って他のホームを見てみても、ほとんどはホーム先端から1メートルのところに設置されている。それは道路の歩道なども同じ設定だから、必ずしも危険ではないのかもしれないが、先端からすぐさま線路に落ちてしまうような落差の世界は、道路とはまた違った危険さを感じる。

 もう一度ホームの様子をうかがってみよう。点字ブロックは、ホームの縁から1メートルほどのところを一直線に敷かれている。ところが飯田線を走るワンマン電車の乗車口が健常者用に指示されてはいるが、それは展示ブロックの外側に矢印で示されている。ようは「ここでお待ちください」みたいにである。点字ブロックとしてそこを指示するブロックは置かれていない。目の不自由な人にはワンマンの乗車口は認識できないのである。そう見てくると、もともと点字ブロックを必要としている人たちのために設けられたものではなく、停止位置を示す意図があって、たまたま点字の停止用のブロックが使われているということなのかもしれない。いずれにしても、目の不自由な人には危険な空間であることに違いなく、逆に言えば、この空間にそういう人たちが1人で入りこむことは不可能ということなのだろう。そんなことを思いながら、自宅のある最寄りの駅に着いて確認してみると、そこには目の不自由な人を誘導する点字ブロックが平行して敷かれている。ようは停止ブロックと誘導ブロックが平行して50センチくらいの間に敷かれているのである。これなら問題ないと、わたしの思いすごしなのかと思って翌日駒ヶ根駅や伊那市駅で確認してみると、やはりそれらの駅には向かいのホームへ誘導するブロックが敷かれている。ただし、ホームまでの誘導で、ホーム内は停止ブロックで囲われているだけである。わたしには解らない世界ではあるのだが、どうやってこのエリアから電車に乗ればよいのだろう。
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