Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

オニヤンマ

2007-08-04 08:51:04 | 自然から学ぶ


 トンボといえば子どものころのひどい仕打ちを思い出す。尾の先を切り取ってそこへエノコログサを差し込んで飛ばせるのだ。エノコログサの穂の部分を取って差し込むこともあったが、そのまま付けて差し込むこともした。子どもにとってあのエノコログサはとても身近な草である。穂の先を手で軽くつかみ、握り締めたり緩めたりすると穂は手の中から抜け出していく。あの雰囲気というか感触が良いからそんな遊びというか暇つぶしを盛んにしたものだ。だから身近な草の一つであるエノコログサを多様したわけだ。そんな一つがトンボとのかかわりである。尾の先に差し込むとなれば細くて鋭いものでないと差し込めない。穂先を引き抜くと芯も硬く滑らかなエノコログサは、そんな目的に格好な草である。加えて穂先の感触が良いから、穂先を抜いては子ども同士穂先を相手の顔に向けてじゃれあうなんていこともするほど、人肌には向いた草である。むごいことかもしれないが、そんな親しみある草だからこそ、またトンボの尾に刺してもそれめを優しさとはもちろん思っていないが、許せる範疇だったのかもしれない。

 尾に重石を付けられたようなものだから、トンボは飛びにくいのは当たり前だ。そのまま飛び回る姿を楽しんでいたのだから、やはりむごいことは確かだ。飛べなければ飛べるようになるだけ重石を軽くしてあげた。そんなことをしたのは赤とんぼもあればオニヤンマにもした。体の大きなオニヤンマは、エノコログサ程度のものを付けられても、ふだんと変わりなく飛んでいったものだ。赤とんぼはともかく、オニヤンマが今よりたくさん飛んでいたことは確かだ。

 オニヤンマは日本に生息するトンボ類の中では最大という。体長は一般的には8から11cmほどという。実際はこれより大きなものを見た記憶もる。メスの方がオスより大きく、メスの尾部には小さな産卵弁がある。写真のオニヤンマは、枝に留まって水面のアメンボでも狙っているようにも見える。水面にはたくさんの虫が行き来していたが、オニヤンマが水面に接近することはなかった。

 撮影 2007.7.29
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