Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

減り続けるカワラニガナ

2007-08-15 08:26:41 | 自然から学ぶ


 今年もカワラニガナの様子を見に、小渋川を訪れた。とはいっても以前知った場所を定点的に様子見しているだけで、わたしが認識している場所以外にもどこかに生育している場所があるのかもしれない。いずれにしてもその定点でのカワラニガナの生育状況を見る限り、その数は明らかに減ってきている。初めてその場所でこの花を確認した際には、その場所の広範にかなりの数確認できたものだ。ところが昨年訪れると、川べりに近いところでもだいぶ背丈の高い草が生えていて、様子が変わっていた。その半月ほど後に増水があり、その後に訪れるとまた一変していたが、水が浸かったために花の数はだいぶ少なくなっているようにも見えた。その後も何回か訪れると花の様子を確認できたのだが、その昨年よりも今年はさらに株が減ってしまったように思うのだ。生育環境として、背丈の高い草に覆われるようになると、カワラニガナは減少していく。まさにその過程にあるような状況だ。夏の陽射しで熱くなった石と石の合間にこの花は姿を現すことからも、まったく水分は不要なのかと思うほどの花だ。少し背丈の高い草が日陰にしてくれればありがたいと思えば、そうではないのだ。

 当初に確認していた際にも、すでに減り続けている過程であったのかもしれないが、その際はまだまだ河原という環境にあって、陽射しの下、砂地にその姿を現していた。時に増水することもあるが、それは上流のダムが放流する時で、大雨が降れば必ず増水するという環境ではない。そういうこともあって、環境が変化する要因というものもなかなか計り知れない部分がある。

 この日、30分ほどあたり一帯を確認してみたが、花の咲いている姿は3株しか見えなかった。花はなくともそれらしき株はけっこうあったが、それでもわずかな空間に咲いているのみだ。その一帯もかなり背丈の高い草に覆われていて、かつて見たような石と石の合間のカンカン照りの空間ではない。記憶をたどると昨年写真を撮った場所とほぼ同じだ。来年もまた変わらず花を見せてくれればよいが、まさにこの空間だけをのぞいていると絶滅危惧状態である。カワラニガナは国県ともに絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。

 撮影 2007.8.12(下の写真は、すぐ横にあった綿毛状態になったカワラニガナである)

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