美しかった木曽

御嶽山の麓の木曽温泉に泊まった。

木曽福島から20km以上もあるのに、私１人の為にわざわざ迎えに来てくれた。

温泉は沈殿物が浴槽、洗い場処構わずこっぴどくへばり着きまくり、視るからに効能が強そうである。

一夜明けて朝食を済まし、又親切に車でロープウェイ迄送って頂き、見渡す限りの山影を楽しんだ。

雄大な御嶽山を背に乗鞍、穂高、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳・・・

バスで昼過ぎ木曽福島に着いたので、観光案内所によって尋ねたら、美味しい蕎麦屋を紹介して、訪ね歩く処を丁寧に教えて頂き、おまけに荷物までも無料で預かってくれる。
こんな親切東京や大阪には半世紀前の話である。

そして、木曽福島の街には感心させられた。

古より受け継がれた歴史が散策していてしみじみと感じ 、街は美しく 人びとは汚れを知らないかの如く純粋で、この街を歩いて木曽路 中仙道の極一部ではあるが私の心を清らかにしてもらった。

日々の疲れを十分に癒されたひとり旅でした。

骨の無い老骨

年長さんの送り迎えの間の時間が私の腕の中 だった人と20数年振りに出逢う。

長年の時間差なんか 瞬時に消え失せて良くもこんなにピッタリの体勢、くちづけの呼吸、悦びのリズム感

私の猛烈なイビキも知らなかっと、素敵な目覚めを腕の中でつぶやき 微笑みを浮かべて 私の可愛いい恋人はくちびるを・・・

新しい月日が老骨を若返させられるのか、充分なエネルギーの供給源の確保が私の馬鹿さをに一層磨きを掛けている。

次から次へと私には課題が押し寄せる。

もう少しあの世迄の時間が又必要になってきた。

東京と大阪

こてこてのナニワの私が久しぶりに上京した。

東京は大阪と違った良さがある。

大阪は全くの人情の街、その点東京はビジネスそのもの。
東京に足をついた途端、ビジネス心がかきめぐる。

50数年前に最初に就職で有楽町に来てから、私の社会人としての生活が始まった。

それまで大阪から離れた場所での生活がなかったから、今でも東京はビジネスの街として心の隅に定着しているのだ。

他人との会話には東京対大阪がよく使うが、私の中では素晴らしい東京と心休まる大阪がその地の素敵さを常に微笑ましく豊かに存在している。

クラシック音楽は心の糧

ある親しい人の経済生活は極端に苦しい毎日が続いている。

そんなに安い車が有るのかとびっくりするようなオンボロ車を仕事で乗り回している。

時たま乗せていただくのだが、乗り心地なんてレベルの話ではない。

しかしながら、そんな車なのにCDプレーヤーが何時もクラシック音楽を息絶え絶えに車内に流している。

彼はクラシック音楽に詳しく特に指揮者とオケにはことのほか一言の持ち主で、車に乗せてもらったら乗り心地なんて考える暇も無く、別世界の話が充満する。

この夏、循環器系の病気で入院したのでお見舞いに行くと、ベルリンフィルのCDのパックが二つも積んであった。

病や経済的な苦難の最中に在ってもクラシック音楽という心の糧に充たらされた人は豊かな微笑みで私を見送ってくれた。

私もクラシック音楽には多くの苦悩を癒された経験がある。

素敵な調べが悪魔のような激情を穏和な笑顔に導いてくれる。

クラシック音楽を聴ける歓びをしみじみ嬉しく感じる。

苦月？

9月は月初より苦しい毎日が続いている。

NPOの資金も枯渇し、頼みの借金も思うようにならず、究極の手法でようやく振り込まれた。

しかしながら、支払い予定が多いので老化の禿げしい頭を支払いの順番待ちが脳裏で狂乱している。

一方で今月中に申請しなければならない案件を２件抱えて、悪戦苦闘が私を可愛がっている。

部下を抱えて各自に仕事を指示していた人間は、部下の数だけ手早く仕事が出来たが、今は二人前の仕事が軽く１０日は掛かる。

一人で仕事をするのは気楽なんだが、静かに事を進めていても、電話や来客でペースが狂う。

年寄りの世間話にも耳を貸さなければならず、己の楽しみ事にも気を散らさねばならない。

世の中暑さもおさまりかけて、良い気候だと言うのに、私を取り巻く環境は今日も苦しい毎日が続いている。

今月は9月？ それとも苦月？

どちらにしても仕事は完遂させなければならない。

あぁ 苦行も又楽しいものです。