goo極楽トンボの人生行路

勝手気ままに、独断と偏見の瞑想空間ほ

土用の丑の日

2014-07-29 18:52:13 | 日記
土用の丑の日が来ると毎年思い出す。

私はうなぎを代表にあなご、はも、ドジョウ等の類いは苦手である。だから土用の丑の日は私の生活には何ら関係がない。

もう半世紀も前になるが、同志社女子大の学生だった女性と付き合っていた。

今の学生の交際はセックスなんか当たり前だが、私達の学生時代はキスをするのも大変な時代であった。

医者のひとり娘で実に淑やかで大変美しい知的な女性で、私がクラシック音楽の話をすると微笑みながら聞いてくれていた。

二人でコンサートに行った時に、演奏を聴きながら手をつなぐくらいの全く清らかな付き合いであった。

彼女は自分から話をするようなことは殆どなく、私の理想の女性でもあった。

今の時代とは違って、ひとり娘は必ず養子を取るのが当然の世の中であったので、彼女との交際には限界があるのではと思いつつ月日が過ぎ、手をつなぐのも余り抵抗もなく・・・

お手手がスムーズになって来ると、次はキスをどんな風にしようか??と

彼女とキスが出来たらどんなに素晴らしい事かと、日夜脳裏を駆け巡らせながら、清らかな唇に想像力をフル回転させて、甘い恋のしたたりと痺れるような激情の夢物語に陶酔していた。

そうしたあるデートで、何時もは私が食事は何を食べるのかを勝手に決めるのだが、一度彼女の希望を聞いて見ようかと思って「何が一番好きですか?」と聞いてみたら、彼女は嬉しそうに「うなぎが一番大好きです」

あの清らかな唇でうなぎをがぶりとかぶるんだと思うと、身震いがした。
少しの間言葉も出なかった。、

彼女とのキスをこの世の最高の至福のものと夢見たのが、強烈に打ちのめされ、彼女の唇があたかも悪魔のものではないかと思うと、付き合いは瞬時にして消え失せた。

若さの無知な判断を 今でも忘れなれない。