東方不敗の幻想

インターネットのジャーナリズムについての覚書

touhou_huhai@gemini.livedoor.com

憎悪の時代

2006-08-04 23:17:00 | Weblog
どうにも「韓国は」「中国は」「日本は」というおしゃべりを読むと、

「アジアニート市場急成長の秘密は日中韓の密なコミュニケーションにある。各国のプチナショナリストがお互いの掲示板・ブログを切磋琢磨しながら荒らしあうことで通信量が増大。大きな経済効果を及ぼした」
http://bogusnews.seesaa.net/article/7476971.html

を思い出す。
ボーガスニュースは、いつも、私の深刻ぶった悩みを笑い飛ばしてくれる。
私も、ボーガスニュースのような勇気とユーモアを持ちたいと思う。

しかし、ネット上では、韓国や中国の「国民すべて」を憎み、蔑むという、
考え方がじわじわ浸透している。
私は、たとえイスラエルやアメリカだろうと「国民すべて」が共通した人格であるという考え方はしない。してはならない。
それは人種差別とか民族差別とほぼ同じものだ。

尤も、特定の社会が、そこに暮らす人に特定の考え方や行動をさせることはある。
大日本帝国時代、日本人の多くが、特定の考え方をしたように。
だから韓国や中国にも同様の問題がある。北朝鮮にもある。
欠点がないふりをして、相手を美化するのは、
隣邦の住人に対して人間として関心を持たないのと同じだ。

それでも、「国民すべて」の共通意識とやらを決め付け、生き物のように扱い、なんらかの地位を与えようとするのは危険だ。

私には、韓国人の知り合いが一人いる。
リベラリストで、理性的で、こちらが恥ずかしくなるぐらい素敵な人だ。
(もちろん、日本人のナショナリズムをくすぐるようなもの言いをする”親日派”ではない)
その人は、口には出さないが、
韓国におけるナショナリズムの横行に不快を感じている。
それが、我が身にひきつけて、よく理解できる。

ぼんやりと思う。
どこの国でも同じだ。
こうして憎しみを育て、隣国にも憎しみを呼び起こすことができれば、
それぞれの国で、憎しみを糧に力を付けている連中にはなんと都合がいいだろうと。

「殺し合い」とか「憎しみ合い」とかいう、偽善めいた表現の裏には
たしかに、双方の側に、それを望んでいる者がいるのだ。

隣国人への憎しみ、という「国民すべて」の共通意識を醸成し、
それをてこにして「国民すべて」としてまとめた民衆を動かそうとする者がいるのだ。
彼等にとっては、隣国の「国民すべて」がこちらを憎悪すれば憎悪するほど、都合がいいに違いない。
自分たち「国民すべて」が相手の「国民すべて」を憎む理由を作れるのだから。

私がなによりも恐ろしいのは、その「国民すべて」というまとまりに
個人個人を押し込めようとする力の働きだ。

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2 コメント

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Unknown (Bar)
2006-08-05 01:06:27
おたがいのんびり構えて、

みんなの血の気が引くように、できるだけ静かな環境を整えて待ちましょう。



世の中いつかよくなりますよ。
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コメントありがとうございます (東方不敗)
2006-08-06 13:55:17
いつかよくなることを願ってやみません。

周りから誰かや何かを憎むように強いられることはつらいものです。
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