東方不敗の幻想
インターネットのジャーナリズムについての覚書

touhou_huhai@gemini.livedoor.com
 



元ジャーナリストの浅井久仁臣氏が、NOVA問題について触れている。
http://blog.goo.ne.jp/asaikuniomi_graffiti/e/61dc7609f0378e56c587a24a83bf2263

いつもは、鋭い意見を言う退役兵という感じなのだが、こういう記事をみると元ジャーナリストの「元」の冠がグラグラしてポロリと取れてしまいそうな気持ちになる。

それでもまだ、浅井氏にとってみれば、事件の浅瀬に過ぎず、現職の記者はここで大きく呼吸して、一気に深層へ飛び込んでいかなければいけないというのだ。その上で事実を一つ一つ検証し、勘違いはないか、ウソはないか、調べて…いや、とてもいまの発表ジャーナリズムにはできっこない。

売れるとか売れないとかいう以前に、記者がそういう訓練を受けていないのだ。戦う意思以前に、戦う技術を無くしてしまっているから…。どこから手をつけていいか分らず、モタモタし、時間とコストがかかりすぎるような気になって敬遠する。
だからますます無能になっていく。かくて、言葉から言葉を再生産して自分はたいそうな書き手だと思い込むブロガー(私のような、ね)並のオツムしか残らないのでは、ただただ経産省と厚労省が出すプレスリリースを添削するしかない。ああ情けない昔は良かった。

という、ワンパターンのマスメディア批判はここまで。
独自取材をしないナマケ豚のマスメディアはともかくとして、メディアリテラシーがどうのといってる私だって、公表資料からなに一つ読み取れていなかった。

教育訓練給付制度の、美々しいうたい文句の裏で、雇用保険のカネを費消しているという事実を、じっと考えてみもしなかった。推測し、検証するための情報はすべて、当の官公庁がりちぎに情報公開しているのに。これではマスメディアを笑えない。
もちろん自営業者の私は、雇用保険もなにもないから、被害者ぶることはできないし、関心も薄かったわけだが、他人事であっても最低限の良識として問題を認識すべきだった。

腐敗や歪みは、一つ一つ突き詰めていけば、必ず解決できるはずだ。キリがないように見えても、そうやって戦い続けることが、必要なのだ。
しかし私は、浅井氏がかつての身内として、マスメディアにその役割を期待するようには、彼等に望みを持てない。

ああ結局マスメディア批判になってしまった。
読者としての務めは、NOVA問題を忘れず努力する記者が居たら、それを見落とさぬよう気をつけて、評価することだ。よし。

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■「はてブ」と社会系個人ニュースサイトのレベルの低さ
http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20070622/p1

この記事では、ブログのあり方について批判しているほか、「はてなブックマーク」(はてブ)という、自分の「お気に入り」をコメントつきで公開して意見交換するツールについて問題点を述べている。ネットオタク向けの非常に閉じた話題だが、重要な意味を含んでいると思う。記事にはおおむね同意する。

当然ながら、図星を刺された「はてブ」ユーザーがモゴモゴと文句を言う。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/tukinoha/20070622/p1
こっけいな連中だ。思春期の少年のような態度だ。だが正直いって、つい先日まで私も同じことをやっていたのだ。ひどく楽しかった。安全で、無責任で、下劣な楽しみだ。今も同じかもしれない。

本題に戻ろう。
最初に引用した記事を書いたtukinohaという人は、信奉者を多く抱える有力ブログのひとつ「痛いニュース(ノ∀`)」について勇気ある批判をしているが、残念ながら幾つか的を外している。

まず第一に、

普段マスコミ批判をしている人たちが結局はマスコミの意見を鵜呑みにして、昼のワイドショーに出てくるコメンテイタ以下の寸評を添えて、マスコミの意見を拡大再生産する程度の見識しか持ち合わせていない


(↑色づけは私がした)
これは違う。「痛いニュース(ノ∀`)」は以前から、
マスコミの報道に疑わしい意見が含まれている場合でも、
十分承知のうえで拡大再生産している。

自分の主義主張に都合のよいマスコミの報道は、うさんくさくても利用し、
都合の悪いものは正確であってもねじまげて、非難する。
引用元2ちゃんねるのレスの流れさえ、取捨選択して、ゆがめる。
見識がないどころか、優秀でおそるべき確信犯だ。
その洗練されたマスコミ的な印象操作の手法は大成功を収めているし、これからも収め続けるだろう。

「痛いニュース(ノ∀`)」のようなブログにとってはだから、「マスコミ批判」は目的ではなく手段だ。
都合のいいときにマスコミを批判し、あるいはマスコミの尻馬にのって、特定の意見を醸成することを目指している。
今回の場合は、安田弁護士らを攻撃したいから、マスコミの尻馬に乗る方を意識的に選択したのだ。

当然、自らがマスコミ的であることに対してなんの心のとがめも感じないだろう。

さて、そこで「痛いニュース(ノ∀`)」を批判した最初の記事のコメント欄にある、


マスコミというのは制度ではなく、普遍的な欲望であるということです。

についても間違っていると言わざるを得ない。

確かにマスコミを支えているのは、我々人間の欲望が大きい。
安全なところで「みんな」といっしょになって誰かを叩き、一体感を味わいたいとか、そういう需要がビジネスとしてテレビや週刊誌などを成り立たせている面もあるだろう。

しかし、だからといって、欲望そのものが自然にマスコミを動かしているという訳ではない。
人の無意識に誰かを憎みたい、おとしめたい、という心が隠れていたとしても、絶えず表に出て、猛り狂っているわけではない。

むしろマスコミ自体が、影響力を高め、保つために、
常に憎しみのきっかけとなる獲物を見つけ、読者を煽り立て、憎しみの快楽に麻薬のように依存させるようとする。
「痛いニュース(ノ∀`)」や、マスコミのような媒体はそのためのノウハウ、技術を持っている。

それは「人は誰しも情報を都合よくゆがめて伝える」といったレベルではない。
素人が木の棒を振り回すのと、熟練の剣士が切れ味の鋭い刀で一閃するのが違うように、まったく違うのだ。

それは「多数派の意見に乗っかるだけ」ではない。
「多数派の意見が、自分の主義主張に都合のよいときにそれを膨らませる」、もっといえば「多数派の意見を作り出している」のだ。

それは羊の群れの愚かさとは対極にあるもの、牧羊犬の賢さだ。

インターネット上の媒体においてはいまだ、羊と牧羊犬は同じように見えるかもしれない。
同じように盲目的な感情に突き動かされているように見えるかもしれない。

しかし、そうではない。それを、かなたの羊飼いはよく知っていると思う。

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ブログの書き手本人が言う訳ではないが、その崇拝者などが、記事についての批判があるたび「あれは釣り(イタズラ目的のひっかけ)だった」といって、ゴマカしたがる風潮はどうにかならないものか。

マスメディアの記事では絶対にそんな風に誤報やミスリーディングの責任を回避できない。読者や取材対象から苦情を言われたときに「いやぁアレは釣りですから」と申し開きをすれば、社会的責任を問われる。

イタズラのつもりだろうが、なんだろうが、発言には責任を伴うものだ。
以前、オーマイニュースの編集部が、2ちゃんねる利用者が書いた釣り記事にしてやられたといって大騒ぎしていたが、本人がほかにどんなサービスを利用しているとか、どういう意図があって書いたとか、そういう情報で、記事の主張を「なかったこと」にはできないはずだ。

心にもないことを書いたとしても、それは本人の姿勢、思想の一部として扱われる。
またそうでなければ、ブログやネットメディアは信頼を得られない。「遊びだから」といって、責任逃れをすれば、一人前には扱ってもらえない。

ところで、釣り、は「読み手の気を惹きたいからやる」と解釈されるのが一般的だが、それはマスメディアでもやっていることだ。タイトルに工夫し、おおげさな表現をし、事実を取捨選択して印象を操作する。
ブログの利用者には、そういうマスメディアの錬金術を問題視する人も多くいるはずだが、ブログやネットメディアで起こる同じような問題を、釣り、の一言で済ませる傾向はどう思っているのだろう。
私は嫌いだし、ほかの人にもやめて欲しいと考えている。


【追記】2007/07/19
「事実主義」こそ、ジャーナリズムの敵だ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070712/129746/
まさに具体例としてぴったりだが、なんと日経BPに寄稿した「ジャーナリスト」だ。

ウィニーこそ史上最強の「ジャーナリスト」?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070522/125376/
について弁解を試みている。

「ブログジャーナリスト」の諸君。失礼した。
この手の言葉を弄するのは、なにも「ブログジャーナリスト」だけではありませんでした。謝罪して訂正します。


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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007060700657
驚いた。ふむ。追い出したりせずに、ちゃんと居場所を作ってほしい。

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くだらないことを書きつづけるブロガーもいる。特にアルファブロガーやオピニオンリーダーを以って自らを任じる連中は、ほぼ全員がゴミクズ以下の品性とゴキブリ未満の知能しか(失敬、ゴキブリ種族を侮辱するつもりはない)持っていないのに、自分たちのゴタクに対して、なんら恥の意識を抱いていないのが救いようがない。

だが、だがだ。
まじめな書き手もいる。特に、ネットでダベる以外の職業(ジャーナリストという賤職は除く)に就いており、その職業的良心から、ブログという場を通じて情報発信をしている人々が。

だから、安易な絶望はよそう。
読むに値する意見を読もう。

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「フィルタリング普及啓発アクションプラン 2007」について
http://www.iajapan.org/rating/press/20070601-press.html

パソコン向けにもフィルタリング・サービスの普及を図るとか。
ははは。まったく。


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