とある匿名のブログで、SIMロック解除サービスを手がけるL&Kの役員逮捕について、詳しく追っていた。
http://d.hatena.ne.jp/shamil/20060914/1158176553
恐らく、このブログを読んだ人の多くは、元からSIMロック解除に関心のある層ではないか。検察の法廷での姿勢に影響を及ぼしたというのは、にわかに信じがたい。
それとこのブログの書き手は筆が走りすぎるというのが、私の感想だ。個人や組織をストレートに「バカ」などと呼ぶのは、新聞や雑誌の記事では、あまりやらないことだ。文面で表現される感情が激しい分、自然に読者を選ぶ内容になると思う。
ブログだからいいのか。私には分らない。(06/09/15 というか、私もやっているな。反省)
ともかく、L&K関連の一次情報はほかに見当たらない。
【追記】06/09/14
私も含め、世間の人間の多くがSIMロックについてよく分っていないという現状。
その無知について、知っている人が、知らない人を責めるような姿勢がないことを祈る。
例えば私は、無知を責められれば反感を抱く、愚かだとか、かわいそうだとか、言われればムカつく。そんな風に言った相手に共感は抱きにくい。
(…私自身も同じことをやっている気がするが…堂々めぐりだろうか)
「無知」は「悪意」とは違うものだ。同じように有害かもしれないが、とにかく違うものだ。
少なくとも毎日の佐々木という記者は、より多くの読者に自分の意見を訴えられたに違いない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060909k0000e040073000c.html
佐々木という記者は、警視庁関連の記事が多く、その専門なのではないかと思う。
数本、記事を読んでみたが、発表内容と自分の意見とを分けない傾向がある。速報性重視なのだろうか。こういう記事を出すなら、
執筆の機械化が適しているかもしれない。
ともかくも、L&Kの役員らは身柄を解放された。
…しかし、逮捕される前の状態から、なにか前進しただろうか。
【追記2】06/09/15
役員らに対する強引とも思える逮捕や、印象操作めいた報道などが、わざとではなくて、警察や関係マスコミの「無知」から来る勇み足だとしたら?
警察に相談した
ソフトバンク(失礼、ボーダフォン)は、当然、SIMロック解除について主張する違法性が、確かな根拠を持たないことを把握したうえで行動したと思うが。
…そうだとすれば警察や毎日新聞の担当者は
大バカもいいところでは…いや、直接会った訳でもないのに、憶測だけで一方的な誹謗中傷は許されないことだ。私自身が無責任に攻撃的な言葉を使うなら、バカは私だ。
…状況によっては無知や偏見から、人は人を殺したり、破滅に追い込む。私が一番気をつけねば…
【追記3】06/09/15
池田信夫 blog
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b131db2bbaa0b36155aae63701ff951d
で取り上げていた総務省の資料
「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会報告書(案)」
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/ip_ka/pdf/060913_2_2.pdf
9月13日に配布されたものだ。82ページからSIMロック関連に関する問題が解説されている。しかし、この懇談会の位置付け、権威がまったく分らない。無知だ。
総務省の懇談会でまとまった意見はSIMロックは、消費者の利益面からみても、限定的な解除が検討されるべきとしている。
さて、これに関連したソフトバンク側の回答を「報告書案に対する意見招請結果及びこれに対する考え方」
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/ip_ka/pdf/060913_2_3.pdf
82ページから引用すると、
・販売奨励金やSIM機能の在り方については、市場原理に基づき事業者が個々に判断すべき問題であり、事業者が自由に戦略を選択できるような環境整備を行うべき。
・本件について、幅広く関係者の参画を得た形で検討の場を設けるとする報告書案に賛同
なお、仮に販売奨励金の廃止やSIMロックの解除に関して新たなルールを策定することとなった場合には、事業者間の競争環境への影響についても十分に調査、分析を行った上で決定すべき。
としていて、あいまい。
個人的印象ではSIMロック解除を強制されるのは反対している様子だ。しかし、NTTドコモやKDDIは、もっと明確にSIMロック規制反対の立場を表明している。
日本ケーブルテレビ連盟(JCTA)、
携帯キャリア3社も加盟する通信関連の業界団体であるテレコムサービス協会(携帯キャリア3社は加盟していない)、フュージョンはSIMロック規制に賛成している。
特にテレサ協は、総務省の懇談会の意を汲んで…というより、もっと過激にSIMロックとインセンティブの制限を求めている。
【追記4】06/09/19
愚痴を少し。
のどもと過ぎれば熱さ忘れる…。
私が色々と考えたことは杞憂に終わったようだ。
事件が終われば、世はすべてこともなし。
義憤も社会改良の主張も、タイムリーな出来事に対する脊髄反射にすぎないのか。
L&Kの役員らが身柄を解放された。総務省のIP懇談会とやらはSIMロック制限を提案している。あとは野となれ山となれか。
まるで、つまみ食いだな。
…ま、実際「他人事」なんてそんなものかもしれない。
他人事でなくなるまでは、わっと騒いで終わりだ。
私は事件というのは、長い川の流れが、瀬にあたって立てる飛沫だと思っている。
その瀬を過ぎたからといって、川の流れが止まる訳ではない。
…ふふ、しかしその流れに棹さすにせよ、ブログで楽しく喚いたり、愚痴ったりしておしまいというのは、お粗末な活動だ。まったく我が事ながら、笑いが止まらない。
企業や警察は違うぞ。彼等は一つの事件が終わったからといって、その流れを流れるままにしては置かない。大衆の関心や興味など引かなくても延々と活動を続ける。
まぁいい。テキトーに書き、テキトーに騒ぐ。楽しければいい。
それでいい。遊びだ。これはみんな「ごっこ遊び」なんだ。