エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

「感動のテレビ鑑賞」

2008-02-25 | 文芸
                 【吹雪の日曜日】

  昨夜来の吹雪が断続的に続いた。今日は炬燵に当たり、厳寒の吹雪を眺めながらのテレビ鑑賞となった。はからずも、午後3時過ぎから5時半まで、感動の2本立てだった。
(2008.2.24 (日))

○「“きつね”になった少年~新美南吉・童話の世界~ 」

「北の賢治、南の満吉」と言われた、あの有名な「こんぎつね」の作者、童謡作家・新美南吉の半生と作品の紹介。「でんでん虫の悲しみ」と「きつね」などの作品が朗読された。 幼いころに亡くなった母への思いを、狐の親子に託した「きつね」など、どの作品も、悲しいものであった。
孤独な生い立ち、あまりに悲しい生涯であったと思う。 病気で29才の若さで死ななければならなかった南吉の悲しみが辛くてならない。
 子どもたちの豊かなこころを育む児童文学について、少し考えてみたいと思った。
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 〈NHK番組紹介より〉
童話『ごんぎつね』で知られる愛知県半田市出身の作家・新美南吉(1913~1943)を特集します。30年に満たない波乱の人生を駆け抜けた南吉。死の直前に書いた『狐(きつね)』という隠れた名作を紹介し、南吉の作品と生涯に新たな光を当てます。
朗読は、女優の浅野温子さん。日本神話の語り舞台をライフワークとする浅野さんが、半田市の南吉が育った民家で語りに挑みました。
『狐(きつね)』は、夜道で「コン」と咳をした一人の少年が、「“きつね”がついた」と噂され、不安に脅えながらも、最後には母親の優しさに救われるという物語です。幼い頃に母親を亡くし、「親子の絆」を生涯のテーマにした南吉にとっては、集大成となる作品です。また、“きつね”は、18歳の時に書いた『ごんぎつね』以来、南吉童話に繰り返し登場するキャラクターで、少年の心を描き続けた南吉の分身でもありました。
秋、南吉のふるさと半田の矢勝川の堤は、2キロにわたって200万本の真っ赤な彼岸花で埋め尽くされ、童話さながらの世界が広がります。美しい秋の風景とともに新美南吉の童話の世界に誘います。

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○「この世界に 僕たちが生きてること」(プレミアム10 再放送)

辛い病状にあり、自分の病気と生きることの意味を考える彼の心が痛いほどわかった。一時は、「もういい」と思ったことなど、自分自身の病魔に冒されていたころの心と重なり、切なく涙が止まらなかった。日々の肉体的な苦しさ、精神的な辛さを、笑顔の絶えない家庭が支えていた。家族に支えられて、彼が追求する幸せを思った。番組を見終わって、しばらく放心状態であった。そして、生きていることの意味を自分自身に問い直した。

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〈NHK番組紹介より〉
 愛知県・旧下山村(現 豊田市)の山あいの静かな地区に、家族が営む素敵なカフェ「ときどき館」がある。そこには双子の画家が描いた美しい絵が飾られている。
 河合正嗣(まさし)さん、範章(のりあき)さん。難病、筋ジストロフィーとともに生きてきたが、弟、範章さんは、すばらしい油絵を描き上げた直後に、眠るように息をひきとった。23歳だった。同じように病気が進行していた兄、正嗣さんは、声を失うかわりに気管切開手術を選択し、一日でも長く、絵を描き続ける道を選んだ。
 そうして正嗣さんが描き始めたのが「ほほ笑み」の絵だ。手術をした病院でモデルを募集、命を支えてくれた医師や看護師、そして入院している患者たちの笑顔を、一人一人時間をかけて丹念に描いていく。目標は、110人。「1(ひと)10(と)人(ひと)」、人と人がつながる、という意味をこめる。
 たとえ世界がどんなに絶望や苦しみに満ちていても、それでも人は「ほほ笑む」ことができ、人生は生きるに値する。
 そんな「ほほ笑み」を求めて、鉛筆の繊細な線で画用紙に優しい笑顔を浮かび上がらせてゆく。

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