何度も、夢のなかに出てくる居酒屋。
40代の美貌のママさんと20代のお手伝いさんの容姿は、ごく普通。
その幸恵は、普通であるのにママさんを意識して自身の容姿を卑下している。
だが、お客の受けは良かった。
愛嬌があったのだ。
その居酒屋は、木島悟の夢のなかに何度も出てきた。
海辺の釣り道具屋の隣であったり、東京の繁華街のなか。
さらに、古都奈良の公園の一角。
公園内で鹿が旅行者から餌を求めていた。
居酒屋の窓からの光景に悟は目を細める。
居酒屋のお手伝いさんは、鹿の餌を用意していて客たちにそれを配っていた。
悟はフィリピン女のジェシカに餌をもたせ、促す。
「鹿は可愛いいだろ?」
だが、ジェシカは眉を曇らせようにして横に首を振る。
酒2本を開けて2人は、待たせたタクシーで、古都巡りに向かった。
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