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創作 人生の計算 最終編 4)

2021年08月09日 23時12分09秒 | 創作欄

東京文化会館前は花見客で混雑していた。
帰る人と花に見物に向かう人たちの人波が交雑していたのだ。
社長秘書の伊藤亜里沙と川口雄介は、同僚のたちが上野駅公園口から改札口へ向かったのに、東京国立博物館方面へ向かう。
「私とても酔ってしまったの。酔い冷ましに歩きたい。川口さん付き合ってね」亜里沙は雄介に身を寄せる。
「仕方ない。鴬谷駅まで歩きましょう」雄介は応じた。
東京芸大の前を通る時、雄介は音楽療法を日本に伝えようとしたイギリスのロブソン夫人のことを思い出したのだ。
雄介はまるで語学がダメであったの、ロブソン夫人に取材する際に芸大の大学院生の女性に通訳を依頼した。
それは、雄介が25歳の思い出である。
なお、ロブソン夫人の夫のロンドン大学名誉教授ウィリアム・A・ロブソン博士は、東京都の当面する諸問題について意見を求めるために、東京都と東京市政調査会は 1967年 4 月に招聘されている。
再度、来日したロブソン博士に伴ったロブソン夫人は芸大に招れ、音楽療法の効果を日本に伝えた。
雄介は記憶の不思議さを改めて感じた。
東京芸大の前を通らなければ、蘇ることのない思い出であったのだ。
「あなたを慕っているの」アルコールが言わせた本気、亜里沙の思わぬ告白であった。
雄介はこれまで何度も女性を好きになったが、その恋慕が成就することはなかった。
「愛するより、愛されたい」それが雄介の究極の願望であった。
「雄介さん、何時かあなたを心から好きになる人が現れるわよ。じっと待っているの」神田駅カード下のバー「藤」のママ藤子の助言であった。
42歳の藤子は娘時代、進駐軍兵士たち3人から性的暴行を受けてた被害者だった。
雄介の米国嫌いは増すばかりとなる。
雄介が幼いころのことであるが、ジープに乗った進駐軍兵士が近隣の若い娘を奪い去る光景を目撃した。
駐在所の警官がジープの前に立ちはだかり、両手を広げ行く手の制止を試みたが、跳ね飛ばされ呆気なく即死したが、この事件はどこにも報道されなかった。
雄介が中学からの英語学習をボイコットする契機となる。
「私は汚れた女だけど、私の願いを聞いてね。あなたに抱かれたい」
鴬谷ホテル街のネオンが亜里沙の本気を言わせた。
29歳になるのに、雄介にはそれまで、女性との肉体関係は皆無であったが、彼はすでに亜里沙の誘いに応じる気持ちとなっていた。
だが、思わぬ結果が待っていたのだ。
二人で風呂に入る。
「あら、あなたは包茎ではないの?」亜里沙は勃起した雄介の陰茎の異常に気付く。
「包茎?」雄介は自身の陰茎に目を落とす。
「セックス出来るかしら?」亜里沙は陰茎に手を添えながら入念に点検するのだ。
それは、<性体験なし>の雄介の気持を萎えさせた。

参考

“音楽療法”の歴史は古来までさかのぼります。音楽の力が人間の身体(しんたい)に大きな影響があることは、かなり昔から意識されていたようです。しかし、日本の“音楽療法士”の歴史はまだ浅く、誕生から20年ほどしか経っていません。

参考

包茎症状について
勃起時や平常時に皮が被って 亀頭が露出していない状態である。

包茎とは、陰茎の先端の“包皮口”が狭いことによって陰茎を包む包皮が十分にむけず、亀頭を露出することができない病気のことです。
多くは生まれつきによるものだ。

包茎でもセックスはできるのか?

挿入をするとき(包皮が邪魔をして)スムースに挿入できない時がある。
また無理に挿入しようとして包皮が突然剥けてしまい嵌頓包茎になる可能性もある。

包茎のデメリットについては以下のことが挙げられます。

1 性交時にうまく挿入できない
2 包皮と亀頭の間に恥垢(あか)が溜まり臭いの原因になる。
3 恥垢に細菌が潜み、亀頭包皮炎の原因になる。
4 長期の炎症は亀頭癌の原因となります。
5 亀頭の成長期に包皮で覆われていると、成長が阻害され、先細りの亀頭になります。
6 亀頭がいつも包皮に守られており、刺激に敏感になりやすく、包茎性早漏の原因になります。
7 尿が飛び散る原因になります。
8 真性包茎の場合は、勃起障害や射精障害の原因になります。
9 仮性包茎でも重度の場合は、カントン包茎になりやすくなります。
10 特に真性包茎では、陰茎癌のリスクが上昇します。

仮性包茎は早漏の原因の1つとして考えられます。なぜならば、亀頭は、仮性包茎の場合には平常時は包皮に保護され、刺激に慣れていません。そのために、セックスの際の刺激に敏感になるからです。

包茎のままでのメリットは特にないのが現状です。


坂上忍 感染の野々村真が悪化も一度は搬送見送り→入院に「こういうことってあるんですか」

2021年08月09日 18時40分43秒 | 医科・歯科・介護

8/9(月) 13:33配信

デイリースポーツ

坂上忍

 新型コロナウイルスに感染し、自宅療養していたタレントの野々村真(57)が、症状が悪化し、5日から入院していることが9日、分かった。妻でタレントの野々村俊恵(57)がフジテレビ「バイキングMORE」の取材に明かした。

 8日に取材に応じた模様が9日の同番組内で放送された。

 野々村は7月30日にPCR検査を受け、陽性が判明。38度の発熱、せき、倦怠感の症状があった。同31日に感染を公表。40度近い高熱が出ていたが、自宅療養となっていた。

 俊恵によると、4日には酸素飽和度が90にまで下がり、救急車を呼んだ。しかし、救急車到着時には93や96の数値に戻っており、都の入院基準「96未満」を満たしていないとして、入院できなかったという。しかし、翌5日にも90になり、再び、救急に連絡。ようやく保健所の指示で入院できたという。

 野々村とは長年の友人で、妻の俊恵と連絡を取り合ってきたというMCの坂上忍は「これ、今の(東京の)状況だと、すぐに入院できないのかな、と思ったんですが」と語り、「酸素飽和度が90まで落ちて、(4日に)救急車呼んで。それで96とかに戻って、『だったら入院の必要ありませんね』って(救急車が搬送せずに)帰っちゃったんだって。こういうことってあるんですか」と東京都の入院提供体制に疑問と不安を投げかけていた。

 野々村は5日に入院。検査では両肺が真っ白で「重度の肺炎」と言われたという。現在はマスク型の酸素吸入器と心電計をつけ、ベッドから動けない状態で、医師からは「重症化の瀬戸際にある」と伝えられていることも明かしていた。

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野々村真 コロナ悪化で入院 肺が“真っ白”で重度の肺炎

2021年08月09日 18時38分10秒 | 医科・歯科・介護

8/9(月) 15:50配信

日本テレビ系(NNN)

野々村真さん コロナ悪化で入院

新型コロナウイルス感染のため療養を続けているタレントの野々村真さん(57)が体調悪化のため現在入院し、入院時の検査で肺が真っ白にうつるなど重度の肺炎となっていたことを所属事務所が明かしました。


野々村さんは感染が確認された当初、自宅療養を続けていましたが、体調が悪化したため、今月5日に入院したということです。入院の翌日には血中酸素飽和度が急激に低下。さらに、マスク吸入をして心電図を装着、トイレやお風呂などにも一切いけず寝ているだけの状況となったということです。


野々村真さんは、仕事関係者が感染したことを受け、濃厚接触者となる可能性があったためPCR検査を受診。新型コロナウイルスに感染していることを、7月31日に所属事務所が発表していました。

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新型コロナウイルスは「中国から流出」と断定した、米報告書の「驚くべき内容」

2021年08月09日 17時06分46秒 | 社会・文化・政治・経済

8/6(金) 7:02配信

現代ビジネス
圧倒的な証拠が決め手となった

中国の習近平国家主席[Photo by gettyimages]

 米下院外交委員会の共和党スタッフが「新型コロナウイルスは、中国の武漢ウイルス研究所から誤って流出した」と断定する報告書を発表した。この結論を導いたのは、衛星画像をはじめとする「圧倒的な量の証拠」だった。いったい、武漢で何があったのか。

【写真】日本人は知らない…中国の「990万人コロナ検査」で見えたヤバい事実

 同委員会の共和党スタッフは、マイケル・マッコール筆頭委員の下で、これまで2回にわたって、新型コロナ問題に関する報告書を発表してきた。2020年6月15日に発表された最初の報告書については、2020年6月26日公開コラムで紹介した(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73607)。

 同年9月21日には、中国共産党と世界保健機関(WHO)の責任を厳しく追及する2回目の報告書を発表した(https://gop-foreignaffairs.house.gov/blog/mccaul-releases-final-report-on-origins-of-covid-19-pandemic/)。8月1日に発表された今回の報告書は、その続編だ(https://gop-foreignaffairs.house.gov/press-release/mccaul-releases-addendum-to-origins-of-covid-19-report/)。

 今回の報告書は、これまで世界で断片的に報じられたり、収集された多くの客観的な証拠や証言を丹念につなぎ合わせて「武漢ウイルス研究所からの流出」という結論に導いた。その手法は、ほとんど「第1級の調査報道」と言ってもいい。

 だれかが「私が流出させました」と自白したわけではないので、厳密に言えば、状況証拠の積み重ねである。それでも、もしも公正な裁判があるなら、「有罪判決」に導くのは可能だろう。少なくとも、中国とその仲間たちが宣伝してきた当初の「海鮮卸売市場起源説」は、もはやまったく信用に値しない。

 報告書の後半では「仮説」と断りながら、武漢ウイルス研究所から始まった小さな感染が、あっと言う間にパンデミック(世界的な大流行)に拡大していくプロセスが物語のように語られていく。読者は「そういうことだったのか」と多くの謎に合点がいくはずだ。

突然起こった、不可解なシャットダウン

武漢ウイルス研究所の責任者の1人である石正麗氏[Photo by gettyimages]

 ここでは、報告書の記述に沿って要点を紹介したい。全文は84ページ。うち本文は62ページである(https://gop-foreignaffairs.house.gov/wp-content/uploads/2021/08/ORIGINS-OF-COVID-19-REPORT.pdf)。引用したサイトは、ほとんどすべて報告書に記載されている。

 問題の武漢ウイルス研究所は、新型コロナの感染が広がる前、廃棄物処理システムやお粗末な空調設備の改造に取り組んでいた(https://archive.is/bfoTD#selection-229.0-229.131)。にもかかわらず、研究所の責任者の1人で「バット・ウーマン(コウモリ女)」こと、石正麗(Shi Zhengli)氏は、本来なら「BSL-4」という高度な実験室で行うべきウイルスの遺伝子操作実験を、「BSL‐2」や「BSL-3」のような簡易な実験室で取り組んでいた。BSL-2は歯医者の診察室レベルだ。

 事件が起きたのは「2019年9月12日の午前2時から午前3時にかけて」だった。武漢ウイルス研究所のデータベースが突然、オフライン化されたのである。そこには、同研究所が収集した22000以上のコウモリとネズミの病原体サンプルと、その遺伝子情報が収録されていた。

 このデータベースを参照すれば、どんな病原体がいつ、どこで収集され、ウイルスがうまく分離されたかどうか、が分かる。新型コロナにつながるウイルスがあれば、それがいつ、どう発生したのか、起源を突き止める決定的な証拠になるのだ。

 それまでデータベースは公開されていたが、なぜか、この日のこの時間に突然、シャットダウンされ、現在に至るまで、外部から接続できないでいる。この事実は、中国自身のデータベース管理情報によって確認されている(https://archive.is/AGtFv#selection-1553.0-1567.2)。

 だが、石氏は、複数のメディアに対して「外部からサイバー攻撃を受けた後、保全上の理由でオフライン化した」とか「パンデミックの最中に受けたサイバー攻撃のためにダウンした」などと矛盾した答えを繰り返した。言うまでもなく、2019年9月時点でパンデミックは発生していない。

 研究所は、中国人民解放軍とともに、生物兵器につながる秘密の研究をしてきた一方、安全性に重大な懸念があり、米外交官は国務省に技術者の訓練不足などを懸念する電報を送っていた。報告書は以上から「2019年9月12日以前のどこかで流出が起きた」と推測している。

地道な検証作業が実を結んだ
 すると、何が起きたか。

 報告書は、ボストン大学やハーバード大学の研究者たちによる調査に注目した。彼らは衛星画像を基に19年9月と10月、武漢にある6つの病院のうち、5つの病院の駐車場が他の平均的な日に比べて、非常に混雑していたことを突き止めた(https://dash.harvard.edu/bitstream/handle/1/42669767/Satellite_Images_Baidu_COVID19_manuscript_DASH.pdf)。

 さらに、研究者たちは中国の検索エンジンである「バイドゥ」で「咳」と「下痢」が武漢でどれほど検索されていたか、を調べた。その2語は、同じ9月と10月にピークに達していた。「新型コロナと同じ症状の病気が武漢で広がっていた」状況を示唆する有力な証拠である。

 衛星画像や検索エンジンを調べて、感染状況を観察するとは、素人には思いもよらない方法だ。犯罪捜査でいう「デジタル・フォレンジック(法医学)」の手法に近い「デジタル疫学」と言ってもいい。

 2019年10月18日から武漢で「大イベント」が始まった。第7回軍事スポーツ世界大会(MWGs)である。これは「軍人のオリンピック」だった。世界109カ国から9308人の選手が集まり、27種類の329競技で競った。中国政府は23万6000人のボランティアを募り、90のホテルを用意した。

 参加したカナダの選手は「街はロックダウン状態だった。私は到着後、12日間、熱と悪寒、吐き気、不眠に襲われ、帰国する機内では、60人のカナダ選手が機内後方に隔離された。私たちは咳や下痢などの症状が出ていた」とカナダ紙に証言している。

 報告書は、この大会が「新型コロナを世界に広げた原因」とみている。競技会場も、6つの病院も、さらには大会参加後に体調不良を訴えた選手がいた場所も、すべて武漢ウイルス研究所の周辺に位置していた。

 報告書は参加国のうち、イタリアとブラジル、スウェーデン、フランスの4カ国について、具体例を示しながら「2019年11月から12月にかけて、国内での感染発生を確認した」と記している。帰国した選手から感染が国内に広がったのだ。

 

 


米コロナ感染者数、2月以来最多に 国立衛生研所長「失敗」認める

2021年08月09日 16時47分55秒 | 医科・歯科・介護

8/9(月) 14:37配信

AFP=時事

米ミシガン州ランシングの州議会前で、新型コロナウイルスワクチン接種の義務化に抗議する人々(2021年8月6日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】米国で8日、新型コロナウイルスの感染者が新たに11万8000人確認され、1日当たりの感染者数は2月以来最多となった。1日当たりの死者数も、この2週間で89%増加。米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ(Francis Collins)所長は、米国は感染抑制に「失敗している」と警鐘を鳴らした。

【図解】世界の新型コロナ感染者、2億人超える AFP集計

 米国ではすでに世界最多の61万6000人以上が新型コロナ感染で死亡しているが、感染力の高い変異株「デルタ株」の感染拡大で状況は再び悪化。若年層の感染者が増える中、フロリダ州をはじめ全米各地の小児科で医療がひっ迫している。

 8日の米ABCの討論番組「ディス・ウィーク(This Week)」に出演したコリンズ所長は、「本当にこのような状況になるべきではなかった」と述べ、「その点について言えば、そうだ、われわれは失敗している」と認めた。

 デルタ株への懸念から、ワクチン接種希望者は急増している。一方で、接種に懐疑的な市民もまだ大勢おり、特に保守層の多い地域でその傾向が顕著だ。

 コリンズ所長は「もし、もっと効果的に全国民へのワクチン接種を進めることができていたなら、デルタ株の感染急拡大によって今のような状況に陥ってはいなかっただろう」とし、「われわれは今、ひどい代償を支払っている」と語った。

 米国では現在12歳未満はワクチン接種対象外なため、コリンズ所長はもうすぐ始まる新学期に児童のマスク着用を義務化しなければ、感染は「さらに拡大する」と警告。「恐らく学校で集団感染が起き、またリモート授業をしなければならなくなる。それは防ぎたいと思っている」と述べた。

 こうした中、感染拡大が最も深刻な州の一つであるフロリダ州のロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事(共和党)が、州内の学校でのマスク着用義務化を禁じる知事命令を出し、物議を醸している。しかし、州内の病院は急増する患者への対応に追われており、一部の校区は知事命令に従わない方針を示している。【翻訳編集】 AFPBB News

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一言で言うと若い世代が多く、高齢者が一握り 保健所長が説明するコロナ「第5波」

2021年08月09日 16時43分30秒 | 医科・歯科・介護

8/9(月) 9:00配信

神戸新聞NEXT

感染第5波の特徴や市の対応を説明する姫路市保健所長の毛利好孝さん=姫路市坂田町

 新型コロナウイルスの感染再拡大の傾向が兵庫県姫路市内で顕著となっている。7月下旬に「第5波」の流行が鮮明となり、8月は1日当たりの新規感染者数が7日に過去最多の49人に上るなど高い水準で推移する。夏休みやお盆の帰省時期を迎え、人流の増加も懸念される。第5波の特徴や求められる対策について、姫路市保健所長で医師でもある毛利好孝さんに聞いた。(聞き手・田中宏樹)

【写真】ワクチン「打たぬ選択ない」免疫学の第一人者、慎重姿勢を一転 データで安全確信


-第5波の傾向は

 一言で言うと若い世代の感染者が多く、高齢者が一握りになった。そのため、重症者は少ない。ただ、感染者数の増加に伴い、市内の宿泊療養施設はほぼ空きがなくなった。高熱や食欲の減退で衰弱した人が入院するケースもあり、病床は埋まってきている。

-感染拡大はデルタ株の影響か

 デルタ株は感染力が強いとされるが、ここ最近は市内で1人の患者から大人数に広がった事例がなく、クラスター(感染者集団)も確認されていない。それよりも、若い世代の生活が徐々にコロナ禍前に戻り、行動範囲が広がっている影響が大きい。友人との食事などマスクを外して人と接する場面が増えると、感染リスクは高まる。

-政府が示した感染者の入院制限方針が混乱を生んだ

 姫路市では以前から軽症、無症状の患者は原則、自宅や宿泊施設での療養としてきた。血中酸素濃度が低下している「中等症1」の場合は、基礎疾患があるなど重症化のリスクが高い患者の入院を優先し、呼吸不全のある「中等症2」や重症者は全員が入院となる。65歳以上は症状に関係なく入院としているが、感染者の増加により病床が逼迫(ひっぱく)してくると、この基準で入院の可否を判断する。

-自宅療養者への対応は

 入院が必要かどうかを対面して見極めるため、保健師らのチームが近く35歳以上の在宅患者への訪問を始める。34歳以下でも必要と判断すれば足を運ぶ。さらに、夜間に急変した患者の搬送先として、市内の病院で一時受け入れを可能とする病床の確保も検討している。救急の搬送困難事案の解消にもつなげたい。

-お盆の時期に入る。注意点は

 マスクの着用や手洗い、うがいの徹底は基本。帰省先では自身や相手がワクチン接種を終えていても、マスクは着けておく。複数人での食事の場では飲酒をして騒がず、食べ終えたらマスクを着用する。子どもはずっと家で過ごすのは難しいだろう。熱中症に気を付けつつ、密にならない屋外での気分転換を楽しんでもらいたい。

     ◇     ◇

■重症化防止へ医師往診、8月中旬にも/自宅療養者増で

 新型コロナウイルスに感染した自宅療養者の重症化を防ぐため、姫路市医師会は市保健所と連携し、8月中旬にも患者の往診を始める。市内の自宅療養者は感染再拡大とともに増加しており、往診を症状悪化の早期発見につなげる狙いだ。

 市によると、市内の自宅療養者数は感染第4波の5月上旬に最多の332人を記録。6月下旬に一時ゼロとなったが、7月下旬から再び右肩上がりとなり、8月6日時点で164人に上る。

 往診に取り組むのは開業医ら約30人。市保健所から依頼を受けた患者宅を訪問し、症状の確認や薬の処方などを行う。市医師会の担当者は「症状が重くなる兆候に早く気付き、必要に応じて入院調整を保健所に働き掛けたい」とした。

 市保健所の毛利好孝所長はこれまで自ら往診を担ってきたといい「医師会の協力はとても心強い」と話した。(田中宏樹)

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なし崩し的に入院制限が進む沖縄 酸素の要る患者に波及の恐れ 「命の選別をさせないで」と医師

2021年08月09日 16時41分11秒 | 医科・歯科・介護

8/9(月) 9:11配信

沖縄タイムス

県内の新型コロナウイルス療養者

 沖縄県内で未曽有の急拡大をたどる新型コロナウイルス感染症。沖縄本島内の医療体制は逼迫(ひっぱく)を極め、8日時点で国の診療の手引きで入院対象に位置付けられる「中等症1」の感染患者は、既に入院が難しくなった。今週には、呼吸不全で酸素投与が必要な「中等症2」の患者も、入院できない事態が現実味を帯びる。綱渡りが続く県内医療現場の実態は今-。県対策本部で入院調整を担う医療コーディネーターの一人、佐々木秀章医師(沖縄赤十字病院)は「私たち医療従事者に『命の選別』をさせないでほしい」と訴える。(社会部・篠原知恵)

【一目で分かる】止まらない沖縄の感染拡大 10歳未満も過去最多に

■在宅で酸素投与を計画

 本島内の受け入れ可能な新型コロナ重点医療機関の440床中、わずかな重症用ベッドのほかに2床しか空きがなかった6日夜。

 県の対策本部は、中等症2の患者を中心に10人の入院待機ステーション搬送を決めた。受け入れが決まらず救急車内で1時間待機したり、中部から北部に長時間搬送したりする患者も既に発生している。

 やむを得ず、在宅で中等症2の患者に酸素投与などの医療を行う計画を立て、8日から数人にそうした調整を始めたが「それで間に合うのか。どこまで患者が増えるのか。先が見えない」。佐々木医師は言う。

 政府は2日、入院の対象を重症者と特に重症化リスクが高い人に限る方針を打ち出して批判を浴び、数日後に「中等症は原則入院(酸素投与が必要な中等症2、酸素投与不要でも重症化リスクのある中等症1は入院対象)」へと修正した。

 だが連日、人口比で全国最悪の陽性者が発生している県内は、なし崩し的に、当初の政府方針のような「入院制限」が現実化しつつある。

■「救命率の高い世代の入院を優先せざるを得ない状況」

 夜間早朝の時間外も、県の新型コロナウイルス対策本部には、命に関わるほど状態が悪化した感染患者の受診や入院調整の依頼が次々と飛び込む。

 ここ数日の時間外は20人前後で推移し、7~8日には最多の33人に上った。時間外の調整は、特に厳しさを増す。既に多くの患者を診ている救急病院に頼み込み、緊急度に応じ残り数床の入院用ベッドをどの患者に充てるか考える。最後のとりでの重症用数床は残しておかなければならない。

 「現実に、酸素の低下した患者さんが不安を抱えながら何人も入院を待っている」。佐々木秀章医師は言う。「ともかくベッドが足りない。連日、空き病床がゼロか1の各病院に電話して無理にこじ開けてもらっているが、とても追い付かず、受診だけの受け入れさえ困難になりつつある。各病院の努力にも、限界がある」

 高齢者の入院は、特に難しくなっている。

 大規模クラスターが起きている医療機関では、高齢の患者約100人が重点医療機関に転院できず、県派遣の医師や看護師ら医療チームの下、その医療機関で療養を続ける。

 「限られた県内の入院受け入れ能力の下では、同じ症状なら、救命率が少しでも高い40~50代の患者の入院を優先する判断をせざるを得ない状況になりつつある。さらに今、20~30代や妊婦、小児の重症例も散見され始めた。入院需要の圧が日増しに強まっている」

■20~30代や妊婦も重症化

 佐々木医師は慎重に言葉を選ぶ。基礎疾患がなくても重症化する40~50代もおり、さらに今回の第5波はこれまで重症化しないと言われていた20~30代の悪化も「普通に見られる」。感染初期にリスクが見えづらいことが入院調整をいっそう難しくしている。

 佐々木医師は、新型コロナ対策を話し合う6日の県専門家会議で「入院候補者の優先基準」を設けるべきか否か提案したが、結論は出なかった。

 入院中の重症・中等症患者は計474人に上り、過去最多を更新中だ。今週は1日500~600人規模の陽性者が発生した先週の入院需要が表面化し、病床はさらに逼迫(ひっぱく)する。ワクチンで高齢者の重症化は減ったが、日々の陽性者そのものが過去にない多さで、病床を増やしても追い付かない。市中感染の余波で、家族の濃厚接触者になるなど就業制限で働けなくなる医療従事者も増えている。コロナ患者だけでなく、通常なら助かるはずの病気やけがも治療できなくなる医療崩壊に至る懸念がある。

 佐々木医師は「今は何とか耐えている中等症2の入院受け入れも、今週か明日か、今晩にも難しくなりそうだ。一人でも多くに沖縄の医療提供体制が限界にある危機を知ってほしい」と訴える。

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創作 人生の計算 最終編 3)

2021年08月09日 13時23分38秒 | 創作欄

土曜日の午後から、上野公園で花見をする。
花見を企画したのは、編集・記者の戸田秀雄(30歳既婚)だった。
広田社長(67歳)が出張中なので、秘書の伊藤亜里沙(30歳)も参加した。
大きなブルーシートを戸田が用意していたので、先輩の沢田寅雄(34歳)と川口雄介(29歳)が午前中に場所取りに向かった。
既に場所取りがされていたが、何とか7人が座れる空間を探し出すことができた。
コンビニ店で戸田や記者の林田伸幸(28歳既婚)、東恵子(24歳)、経理の勝俣美紀(27歳)たちがビール、日本酒、つまみ、おにぎりなどを買ってきた。
伊藤亜里沙が社長から預かった資金を出す。
社員旅行がないので、花見は唯一の交流・憩いの場となっていた。
農林新聞では沢田と川口のように社員同士が個人的に付き合うこともなかった。
川口雄介の前職場では年に2回社員旅行が行われていたので、人間関係も密になったが、負の部分も否めなかった。
憩いの場である社員旅行の夜の宴席なのに、酒癖の悪い上司の支社長に元支社長の父親が手を焼いていたのだ。
怒った父親は「布団蒸しにして、懲らしめてやりなさい」と社員を促す。
実際に3人の部下が支社長を畳に押せつけて、座布を数枚も被せる行為に及んだのだ。
そこまでされたのに、支社長は記憶を失っていたので、誰も咎められなかった。
酒を飲んで不祥事に及んで「記憶がない」と弁明することが俄かに信じられなかったが、「それもありなのか」と川口雄介は納得した。
また、酒を飲み本気が出ることもままあるものだ。
秘書の伊藤亜里沙は持参したウイスキーを一人飲んでいた。
「皆、ウイスキーダメなの?」亜里沙は不満顔をする。
「川口さん、一口くらい飲んでよ」亜里沙の目が怪しくなっていた。
雄介は紙コップで角瓶のウイスキーを受けた。
雄介に好意を寄せる東恵子は冷ややかな視線を二人に向けていた。
風が起こり、花吹雪は舞う。
雄介は喧騒の中の静寂を感じた。
帰り道、上野駅の公園口まで、雄介は亜里沙と肩を並べて歩いた。
「実はね。私、あなたを慕っているの。それなに、嫌味を言って・・・」亜里沙は涙を浮かべた。
雄介は不可思議な想念に支配されそうになる。
男と女の関係は計算などできないものだ。


創作 人生の計算 最終編 2)

2021年08月09日 11時35分10秒 | 創作欄

人生の途次、どのような人間と出会うかが肝心である。
真心の交流を広げる中で人生は豊になり、誠実な出会いを重ねる中で人は成長していくものだ。
だが、意に反して人生には大きな躓きもある。
男と女の出会いは、計算できるものではない。
伊藤亜里沙は21歳の時に、前の職場で34歳の妻子ある男と恋愛関係となる。
「このまま、関係を続けることはできない」亜里沙は自ら関係を断つために、生まれ育った名古屋を去り東京へ出てきた。
姉の和江が所帯を持つ世田谷区内のアパートに移り住む。
新宿や市ヶ谷の職業安定所で職探しをする。
全部で7か所の面接を受けたが、最終的に職を得たのが農林新聞社だった。
好色家(性的要求が強い)の社長の広田は、肉感的な体系をした伊藤亜里沙を秘書として採用する。
面接の際に「この女は男を知っている、好き者だな」と食指が動いたのだ。
広田の思惑が的中する。
「明日から福岡へ出張だ。同行しろ」広田は命令口調だった。
「福岡ですね。是非、お供します」亜里沙は表面上は微笑むが、前の職場の愛人の野々口敦の顔を浮かべ、「私は、二度と男とは変な関係にはならない」と決意する。
だが、福岡中州の料亭で博多和牛やロブスター、牡蠣の香草ガーリックバターなどの逸品コース料理で堪能し、酒も飲まされる。
同じホテルの部屋に泊れば、亜里沙は広田の意のままになってしまう。
男を拒めなかった。「女の性なのね」亜里沙はベッドで背を向けて咽び泣いた。
「おい、何で泣くんだ」相手は無骨・無礼な老人でしかなかった。

川口雄介が面接に来た日、亜里沙は心の高まりを覚えた。
学生時代の彼氏であった児玉雅章に似ていたのだ。
この日、70人余りの男性が面接に来ていたので、採用される確率は70分の1。
京都帝国大学出の元農林省官僚であった広田明彦は、「私学出の奴らはろくでもない」と侮蔑していた。
川口雄介は<私学出の奴ら>の一人だった。
その雄介を広田社長が唯一選んだのだ。
「彼は70分の1の人なのね」亜里沙は自らの身を雄介と引き合わせて比べた。

参考

禄(=官に仕える者に下付される給与)を受ける。
 
 ・碌でなし(ろくでなし)
 まともでないこと。また、その人。役に立たないのらくら者。 
 陸(ろく)」の原義は、陸地のように平らであること。→ものごとの様子や性質が正しいこと。まともであること。
 


失明原因の第一位は糖尿病網膜症

2021年08月09日 11時34分06秒 | 医科・歯科・介護

糖尿病で失明しないために

ご注意
ここに記載されているデータはこの文章が作成された当時のものであり、現在の失明原因の第一位は糖尿病網膜症ではありません。
しかし、糖尿病網膜症が失明原因の上位であることに変わりありません。

平成14年度の厚生労働省の調書によると、日本では現在740万人の糖尿病患者がいると推定されています。これは実に40歳以上の成人約10人に1人が糖尿病患者であることになります。その原因は、高度経済成長を遂げた日本で、食生活を含めたライフスタイルが欧米化され、また一方でストレスがたまりやすい社会環境が作られて、糖尿病にかかりやすくなっていることにあるようです。
ところで糖尿病がなぜ問題かというと、糖尿病が原因で起こってくる合併症のうち、糖尿病網膜症が失明原因の第一位になるからです。欧米では既に30年ほど前に糖尿病網膜症が失明原因の第一位になり、失明者の保護のための様々な社会保障や援助が必要になって、社会復帰のためのリハビリテーションに膨大な予算がとられ、社会問題となりました。
日本でも年々この傾向は上昇し、ついに1989年の調査では、視覚障害認定(身体障害者認定「視覚」)患者が、何の病気で失明したかを比較したところ、糖尿病網膜症が第一位となり、全体の約18%、ほぼ5分の1に相当することが分かりました。

糖尿病網膜症による失明は、専門用語で「中途失明」といいます。本来は正常の視力があった人が、人生の途中で、ことに成・壮年期に失明するという意味です。生まれつき目が見えない人たちは、小さい頃から見えないことを補う様々な手段を身につけています。しかし、40~50歳を過ぎて今まで見えていた目が急に見えなくなると、状況の変化についていけなくなります。しかも働き盛りや、社会の中心的重要地位を占める年代です。このような人々を失明させる糖尿病網膜症は、本当に忌まわしい病気です。


中高年の視力障害や失明の原因は

2021年08月09日 11時18分36秒 | 医科・歯科・介護

目の定期検査のすすめ

人間の情報の約80%は目から入るといわれています。人生の後半を豊かに過ごすためにも、自分の目を大切にしなければなりません。

現在、中高年の失明原因の1位は緑内障、2位は糖尿病網膜症で、夜盲を来す網膜色素変性症、最近増えている加齢黄班変性がそれに続きます。いまだに治療方法が確立していない網膜色素変性症以外は、早期発見・早期治療で進行を遅らせ、失明を防ぐことができるようになってきました。

失明原因としては多くありませんが、網膜剥離や白内障も視力を低下させる重要な病気です。治療法が進んで、手術で改善したり、失明を食い止めることができるようになりました。

目の定期検査のすすめ

1.はじめに

「目は大切です」。これは誰もが思っていることでしょう。しかし、いつ視力を損なうような目の病気にかかるかは分かりません。一方で、最近の眼科学の進歩によって、これまで不治の病であった多くの目の病気が、治療できるようになってきました。ただし、その恩恵を受ける為には早期発見・定期検査が大切です。

このホームページは、主だった目の病気の早期発見・定期検査のポイントを分かりやすく説明しています。きっと皆さんのお役に立つことでしょう。

賢く病気と付き合っていって、手遅れにすることなく、適切な時期に最善の治療を受けるようにしてください。自分の目を守るために。


海外メディアは異例ずくめの東京五輪をどう評価したのか…「優しく寛大で忍耐強かった日本人」「指導者が安全・安心を裏切る」

2021年08月09日 11時18分36秒 | 事件・事故

8/9(月) 6:51配信

Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE

閉会式では無観客のスタンドに「ARIGATO」の文字。57年前の東京五輪の閉会式と同じフォントで当時は「SAYONARA」と掲示されたそうだ(写真・ロイター/アフロ)

新型コロナの感染拡大で史上初の1年延期となり、感染防止のためほとんどの種目で無観客となるなど、異例ずくめの東京五輪が8日、閉会した。開催前から新型コロナの感染拡大への懸念や開会式の担当者の過去のいじめ問題や人種差別につながる行為が発覚するなどの混乱もあった。海外の主要紙やメディアは、東京五輪をどのように評価、総括したのか。

「様々な要素が入り混じった舞台」
 米国の五輪放送権を持つ米NBC系列のNBCニュースは次のように伝えた。
「東京五輪は新型コロナの影響で1年延期され、開催に懐疑的な一般の人々を落胆させたが、それでもドラマはあった」と書き出し、「前例のない新型コロナ対策の管理課題と日本国内の反対に直面した五輪だったが、スポーツの栄光に加えてアスリートのメンタルヘルスを巡る議論など様々な要素が入り混じった舞台でもあった」と振り返った。
 注目のトピックスとして、米国のスーパースターである女子陸上のアリソン・フェリックスが400mで女子史上最多の10個目のメダルを獲得、女子競泳選手のケイティ・レデッキーが800m自由形で3連覇を果たし、男子競泳のケーレブ・ドレッセルや女子体操のスニーサ・リーらの新しいスターが誕生したことに加え、ベラルーシの女子陸上選手、クリスチナ・チマノウスカヤが帰国を拒否してポーランドに亡命した事件、リオ五輪で4つの金メダルを獲得していた米体操界の“スター”シモーネ・バイルズがメンタルヘルスの問題を抱えていたと明かし、いくつかの種目を棄権したこと、ドイツの女子体操チームが露出度の高いウェアを着ることに反対し「全身を覆うボディスーツ」で出場したことなどを挙げた。
 また開幕前のドタバタについても改めてこう伝えた。
「わずか3週間前には東京大会は暗礁に乗り上げたかのように見えた。組織委員会の主要メンバーがスキャンダルで失脚し、世論調査では日本人の大多数が五輪開催に反対していた。五輪最大のスポンサーであるトヨタ自動車は、汚点を残すイベントと結びつかないように日本でのテレビ広告を中止。さらに選手から新型コロナの陽性反応が出たことの報道が相次ぎ、“安全・安心”を繰り返した日本の指導者の言葉を裏切る結果となった」
 また、それらの逆風を押し切り、菅首相が開催を強行したことについても「日本の菅首相は、東京五輪の前夜に行われたNBCニュースのインタビューで国民に五輪を売り込むのに苦労したことを認めた。しかし、菅首相は『オリンピックは続ける』と話し、そして彼らはそれをやった」と、皮肉をこめて記した。ちなみにIOCは、菅首相と小池百合子都知事に「五輪功労章」を贈っている。

ニューヨークタイムズ紙は「思い出に残るオリンピック。その理由は正しいものか?」という見出しで、記憶に残る大会だったが、果たして五輪開催は正しいものだったのだろうか、と問いかける検証記事を掲載した。
「昨年IOCのトーマス・バッハ会長が語ったようにパンデミックの中で開催されたこの大会は、『全世界が通っているこの暗いトンネルの終わりの光』となるはずだった。しかし、社会から切り離された閉所恐怖のような状態になることが多かった」と、出場選手や関係者が選手村のバブルに閉じ込められ、大会もほぼ無観客で行われたことを「閉所恐怖」という言葉で表現。
 大会開催への葛藤は、一般の人々だけでなく、社会から切り離された環境で競技するアスリート側にもあったことをレポートした。
「アスリートたちにとって、今回の五輪は生き延びること、なんとかやり遂げること、そして最後には目標に届かなくても構わないと思うことのできる五輪だった。しかし、メダリストの中にも、この場にいることや、歴史上最も奇妙な五輪の一つである疎外感のある状況に耐えることに対し相反する感情を抱いている人もいた」
 またほとんどの競技が無観客となったが、一部の観客がスタジアム近辺に集まり、“チラ見”をしていたという現状も伝えている。
「オリンピック・ファン・パークは、チケットを持っている人たちのための広大なお祭りの場所だったが、南京錠のかかったフェンスに閉ざされ、使われていないテーブルやアトラクションが並んでいた。しかし、東京の人々は、大会の様子を小さな鍵穴から垣間見ることができた。電車の駅(ゆりかもめ・有明テニスの森駅)からBMXのコースを眺めたり、陸橋の上からスポーツクライミングの壁を眺めたり、自転車レースが疾走する道端から見たり。また東京湾に近い歩道橋では、毎晩のようにささやかに人が集まり、警備員やボランティアが半ば強制的に移動を促す中、写真を撮ったりしていた」
 強行開催と、その運営方法も厳しい批判にさらされているが、一方で、今大会を評価する意見もあり、19回目の五輪参加となったオリンピック史家のデビッド・ワレチンスキー氏は、「もし新型コロナのパンデミックがなかったら最もよく組織された五輪として歴代の上位に近いものだったのではないか」というコメントを寄せている。
 英ガーディアン紙は、「親切さと異常なコントロール」をテーマに東京五輪を取材したバーネイ・ロネイ特派員が、五輪の取材生活をまとめた。
 通常の五輪であれば、記者は街の中に出て、タクシーの運転手や街の人からさまざまな話を聞いているそうだが、今大会では感染防止のため14日間の隔離生活を強いられた。
「密閉された部屋から通路へと移動し、アプリで撮影、追跡され、身を縮めていた2週間の隔離生活が終わった。ガーディアン紙の記者が開幕から14日間、五輪会場以外に行った場所はホテルにあるコンビニだけだった」

 隔離期間が終わり、ようやく街に出た記者は、日本の人々の様子をこう観察していた。
「東京2020大会を取材して最初に言うべきことは、この街の人々が必要のない訪問者に対して非常に寛大で忍耐強かったということだ。五輪のコストを負担するように求められた地元の人々は、敵意や冷たさを感じていたかもしれないが。でも想像してみよう。もしロンドンで五輪を開催し(ユーロ大会でスタジアムに侵入した)ウェンブリージブの若者たちに『見に来てはいけない』と言ったとしたら彼らはゲートを襲撃しバスを包囲するだろう」
 日本人が礼儀正しいのは、それが国民性であり、「外国人ジャーナリストが好きだからというわけではないかもしれない」と前置きした上で、この状況下で受けた親切と感染防止のための行動監視は忘れられない思い出になったと綴っている。
「私の五輪体験が優しさに満ちているのは、ホスト都市だった東京の優しさの表れである。このイベントの最終的な目的が何であれ、この東京の人たちの配慮と親切は、この過酷な時代に必要なものを示す教訓だ。私にとっての東京五輪は相反する二重の経験だった。日常的に行われていた極端な監視は、近未来を垣間見たような気がする。しかし、その先には、地元の人々の恵み、ストイックさ、そして五輪が私たちに提供するはずの教訓、つまり人間の素晴らしさが大会の最も良い部分であるということを教えてくれた」
 このガーディアン紙の記者が感じたことが、東京五輪のすべてだったのかもしれない。
 すべでが異例ずくめで負の側面がクローズアップされた大会となり、選手村のバブルも崩壊し、いくつかの違反事例が生まれ、選手も含めた五輪関係者の新型コロナの感染者数も437人に至った。組織委員会やバッハ会長は、参加者の総人数における感染者のパーセンテージが1%に満たないことを強調したが、437人という人数は決して少なくない。当初、懸念された通りに予防対策は万全ではなく、また「緊急事態宣言」下にある東京都の新規感染者数は増加、5日連続で4000人を超えた。組織委員会の武藤事務総長は「五輪とは関係ない」とコメントしたが、何の根拠があってそう言うのか。
 だが、一方でアスリートたちは、素晴らしいパフォーマンスを見せ、そこには様々なドラマがあった。スポーツの力が、新型コロナとの戦いに疲れ、閉塞感が生まれていた社会に勇気と元気を与えてくれたことも確かである。相反する2つの出来事…。東京五輪は、今後も続く新型コロナ禍での生活に必要なことを示してくれたのかもしれない。

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創作 人生の計算 最終章 1)

2021年08月09日 07時13分18秒 | 創作欄

元農林省官僚の広田明彦社長の強引とも言える営業手法は、川口雄介にとって参考になった。
まさに、<虎の威を借りる>たのである。
虎は、社長の広田の存在である。
「広田先生」と農機・農薬企業の営業担当者や農協の関係者は畏敬の念を抱いていたのだ。
農林新聞の社長の立場であるとともに、全国各地で講演活動もしていた広田は、1970年代の農業機械化の先導者の一人でもあった。
だから、広田が企画した特集記事に競うように広告が出稿されたのだ。
薬業新聞時代、給与や賞与に不満であった雄介は、同僚の森田修司と組合を創って、支社長の渡瀬久雄と対立した。
農林新聞の給与や賞与は薬業新聞より上回っていたので、不満はなかった。
だがある日、社長秘書の伊藤亜里沙から「川口さん!会社を乗っ取るの気なの?」と詰問されたのだ。
その日、社長は東北方面へ出張していて、7人の社員も外出していて、社内は二人きりだった。
唖然とした雄介は「そんな気持ちは、さらさらありません」と否定した。
「そうなら、いいのだけれど・・・」伊藤亜里沙の視線は射すように厳しかった。
「あなたは、私のことを軽蔑しているのね」30歳になった亜里沙は、中年の女性のように腹回りが太くなっていた。
社内では皆が社長と亜里沙が愛人関係であることは知られていたのだ。
亜里沙は、特に女性社員たちに引け目を感じていた。
妻子が居る67歳の社長は愛人だが、どこまでいっても結婚相手ではなかった。
一方、同僚の女性たちには20代、30代の恋人たちがいて、未来が開かれていたので羨むばかりだった。
実は、雄介は亜里沙が学生時代に愛した彼氏にどこか似ていた。
その雄介に女の人から度々電話がかかってきたことに、亜里沙は嫉妬していた。
複雑な感情が屈折して、亜里沙自身思わぬ言葉を雄介にぶつけてしまったのだ。

参考 <虎の威を借りる>とは
権力者の力を頼みにして威張る小者を意味する故事成語。「威」とは威厳、「借る」とは「利用する」という意味。


有終の美を飾る

2021年08月09日 07時08分21秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

読み方:ゆうしゅうのびをかざる

有終の美を飾るとは、有終の美を飾るの意味

有終の美を飾るとは、事を全うし、締めくくりの局面でも見事な成果を挙げるという意味で用いられる言い回しである。
競技生活を引退する選手が、最後の大会や試合で勝利や得点を上げるといった場面で用いられることが多い。
有終の美を飾るの「有終」は、物事を最後までやり遂げる(完遂する)という意味合いの語である。
有終の美を飾るの類語

有終の美を飾るの類語としては、最後の締めくくりが立派であるさまを表現する「掉尾を飾る」が挙げられる。
「掉尾」(ちょうび)は最後・最終盤で勢いを増すことを指す語である。他には、「花道を飾る」も類語として挙げることができる。