”明日のジョー”にはならない、、、、、。

89番がグラウンドから去った。
144試合の最後の日、まさしく王監督のなんともいえない複雑な"涙雨”だった。
彼の教え子である選手たちは最後の最後まで歯を見せて笑うことを忘れて、ただふがいない自分達の力の無さに、涙を浮かべた。
「俺が勝ちたいんだ」と最後の最後まで勝ちを欲し、ファイティングスピリットを忘れなかった89番に対して、あの子供達はなす術も無かった。
さみしい、、、、、、、89番の煮えたぎるような心の内が痛いほど伝わってきた、、、つらかった。
89番がや(八）きゅう（九）を意味して王監督が欲した番号だとはつい最近まで知らなかった。ここまで野球を愛し、ファンを大事にし、選手を大事にしてきた監督はあまりいないと思う。だから彼には「球聖」という言葉が一番合うと思う。
14年間という考えられない長い期間、ただホークスの栄光のために、体をボロボロにしてまでも戦ってきた。
「引退」を決意されてからこの日までの間、試合が終わるたびに諦めたような表情をした彼の顔を見るのが非常につらかった。
秋山監督が誕生した。西部の黄金時代とホークスの上昇期にはバリバリのスラッガーで活躍し、若手の選手には自分の体を張ってまでも教え込んでいった。数年間の解説者時代には持ち前の明るいキャラクターと熱心な研究力で的確な解説をして視聴者を楽しませてくれた。二軍のコーチとして再びホークスに戻ってきてからはこれから世代交代をしていくべき若手をドンドン育ててきた。一軍にて、チーフコーチを任されるようになってからは、王監督を後ろから支えた。
以前にも書きましたが、「俺が、俺が、、」という変に傲慢なところが無いように見える彼のキャラクター、杞憂であれば良いがホークスの監督として任命された以上は、秋山イズムを強烈に押し出していって欲しい、そう、あの選手時代の明るく強引なキャラを出していけば、選手は絶対付いてくるし、自然と王イズムも完成に向かってゆくだろうと思う。