アロマテラピー学習ブログ

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参照。

妊娠中のホルモンの変化

2009-01-28 12:56:33 | 女性の健康
胎盤は、妊娠の最初の数週間で発達する血管に富んだ器官で、胎児に酸素、栄養素およびその他の物質を供給する。胎盤では、妊娠の維持に必須のホルモンの産生も行う。胎盤によって産生される主要な4つのホルモンは、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、プロゲステロン、エストロゲンおよびヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)である。

①ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)

ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンは、特に妊娠初期に重要なホルモンである。胎盤がプロゲステロンとエストロゲンの分泌を完全に引き継ぐまで、黄体を維持する役割を担う。

②プロゲステロン

プロゲステロンは、胚の着床を助け、子宮内膜に働いて肥厚させる。また、乳汁の産生に関係する乳腺の発達を刺激するように働く。さらに、胎児抗原に対する母体の免疫反応を抑制していると考えられている。プロゲステロンは、妊娠初期には黄体によって分泌され、妊娠7週目までには黄体と胎盤の両方から産生されるようになる。12週目までに、プロゲステロンの分泌は完全に胎盤に引き継がれ、妊娠期間終了時、つまり出産過程である陣痛発来にその役割を果たすと考えられている。

エストロゲン

エストロゲンは、妊娠中の子宮の発育を促し成長していく胎児を助ける。乳腺の成長も促す。妊娠中にはエストロンおよびエストラジオールの濃度が通常の約100倍に上昇し、エストリオールの濃度が1000倍に上昇する。

ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)

ヒト胎盤性ラクトーゲンは、授乳に備えて乳腺組織の成長と発達を刺激するホルモンである。妊娠中の代謝変化に役割を果たす。

乳汁分泌

オキシトシンは、下垂体後葉から分泌されるホルモン。このホルモンの役割は正確にはわかっていないが、陣痛の開始に関係し、その後子宮を妊娠前の大きさへと収縮させる。また、授乳中の乳房からの母乳の分泌を引き起こす上で重要な役割を果たす。

プロラクチンは、下垂体前葉から放出される。このホルモンは、他の腺を刺激することなく標的組織に直接作用すると考えられ、性腺刺激ホルモンと同様に生殖のコントロールに深く関わっている。女性ではプロラクチンは、乳房を刺激して母乳を産生させる。大量のプロラクチンは、排卵と月経周期に対して抑制的に働く。

分娩後のオキシトシンおよびプロラクチンの分泌は、新生児による乳房の吸飲作用に刺激される。出産直後、新生児が最初に母乳を吸い始めると初乳と呼ばれる濃厚な母乳が分泌される。初乳には、特に蛋白質が豊富で、新生児を感染から予防するための免疫すなわち移行抗体を含んでいる。産後2~3日目までは通常の母乳は分泌されない。新生児による乳房の吸飲が母乳の産生を刺激し、乳房での母乳産生は要求に見合うように調整される。すなわち、成長に伴って母乳要求量が増えるに従い、母乳産生量も徐々に増えていく。

閉経

卵巣の老化により、卵胞刺激ホルモンの刺激に卵胞が徐々に反応しなくなり、エストロゲンの分泌が低下していく。エストロゲン濃度が低下し続けると、フィードバックによる下垂体の抑制が弱まるため、更年期にかけて卵胞刺激ホルモンの産生が若干増えることになる。

ほぼ同時期に、周期半ばの黄体形成ホルモンのピーク(LHサージ)がなくなり、無排卵月経周期が起こる。卵巣機能がさらに低下していくと、排卵が完全に停止する。黄体の不在によりプロゲストロンの分泌が低下し、最終的にはエストロゲン濃度も非常に低くなって月経出血が不規則になり、ついに月経は停止(閉経)しする。この時点の卵胞刺激ホルモン濃度は非常に高くなる。このために、最近まで治療用の卵胞刺激ホルモンは閉経後の女性の尿から抽出され、不妊治療に用いられる卵胞刺激ホルモン・ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン製剤が作られていた。

閉経の徴候は、エストロゲン濃度の低下とそれに付随する下垂体機能の変化に関係している。卵胞刺激ホルモンの分泌増加には、甲状腺刺激ホルモン(TSH)や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)など他の下垂体ホルモンの分泌増加が伴うことがある。

エストロゲンと性腺刺激ホルモンのアンバランスに付随した甲状腺刺激ホルモンの増加は、血管透過性の不安定性によるのぼせ(ホット・フラッシュ)や過剰な発汗をしばしば引き起こす。情緒不安定も甲状腺刺激ホルモンの標的器官に対する作用と関係している可能性がある。副腎皮質刺激ホルモンの増加は主として過剰な副腎皮質アンドロゲンの分泌を引き起こし、多毛(顔面で顕著)の原因となる。

エストロゲンの産生不全は、下垂体を介したその間接的作用とは別に、主として生殖器管に反映される。乳房は小さくなってその形を失い、外陰部と膣の組織は血管が乏しくなり上皮は傷つきやすく感染を起こしやすくなる。亀裂、痛みおよび出血を伴った萎縮性膣炎が起こることがある。卵巣と子宮は萎縮し、子宮内膜は完全に消失する。

閉経後の低いエストロゲン濃度には、骨粗鬆症が伴うこともあり、荷重骨である特に椎骨と大腿骨頸部に脆弱化が起こる。

閉経に伴う徴候の多くは、長期のホルモン補充療法によって緩和される。

栄養所要量

2009-01-28 11:15:58 | 健康と食生活
栄養所要量とは
「栄養所要量」とは、日本人の健康の保持・増進と、生活習慣病の予防のための標準となるエネルギー量と各栄養素の摂取量を、厚生労働省が示したもの。
昭和45年に策定されてから5年ごとに改定されており、現在公表されているのは第6次改定の日本人の栄養所要量である。
以前は栄養の欠乏症の予防が主目的だったが、現在は過剰摂取への対応も考慮しており、“欠乏を防ぐ必要量(所要量)”とともに、“過剰摂取による健康障害を防ぐための上限値(許容上限摂取量)”も設定し、これらを合わせて「食事摂取基準」としている(許容上限摂取量が設定されている項目は、ビタミン類・ミネラル類のみ)。

※平成 17年4月より、「食事摂取基準」が策定され、従来「栄養所要量」の名称で指導していた部分は、「食事摂取基準」として扱うこととなる。
これまでの

「栄養所要量」
 「日本人の栄養所要量」は、健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために、標準となるエネルギー及び各栄養素の摂取量を示すもので、

教科書等では

・成長し健康を維持・増進させていくために、

 どのような栄養素がどれくらいの量必要かを示したもの

・一日に摂取することが望ましい栄養素等の量を示したもの

等と説明されている。

 栄養欠乏症の予防を主眼として5年ごとに改定され、健康増進施策、栄養改善施策等の基本となるものであり、栄養指導、給食計画等の基準として幅広く利用されている。

今回の

改定への

流れ
 現在の食生活の状況から、栄養欠乏症よりむしろ 過剰摂取による健康障害を予防する観点からの検討も必要となってきた。

 現在教科書等で使用されているのは 1999年の第6次改定(平成12年度~16年度)のものだが、過剰摂取への対応もできる限り考慮した策定が行われており、ほとんどの人に健康上悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量が「許容上限摂取量」 として示されているところである。

「食事摂取基準」とは  来年度の改定では、このような食生活の現状や国際的動向を踏まえ、「食事摂取基準」という考え方を導入している。

 この「食事摂取基準」は、より「確率論」的な数値の捉えがされており、「リスク分析・評価」の考え方が主体となっている。

 平成17年度からは、「第7次改定 日本人の栄養所要量」ではなく、 「日本人の食事摂取基準(2005年版)」として 平成17年度から平成21年度までの5年間使用される。


坐骨神経

2009-01-27 15:46:29 | 解剖生理学(脳神経系)
坐骨神経(ざこつしんけい)は多くの動物に於いて同一個体中で最大の直径と長さをもつ末梢神経。

ヒトの場合、腰仙骨神経叢から始まり総腓骨神経と脛骨神経に分かれて終わる。腰仙骨神経叢を構成する末梢神経のうち坐骨神経をなす物は第4、第5腰神経と第1~第3仙骨神経である(L4~S3)。



坐骨神経の走行は、腰仙骨神経叢を出た後、梨状筋の前面を通り、下殿神経と共に大坐骨孔(梨状筋下孔)を通って骨盤外へ出て、大腿後面(大殿筋と大腿二頭筋の前面)を下行し、大腿屈筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)と大内転筋へ筋枝を分枝し、膝の裏(膝窩)の上方で2終枝(総腓骨神経と脛骨神経)に分かれる。

症状として坐骨神経痛がある。

 全身の神経は脳と脊髄からなる中枢神経とその中枢と夫々の部分を連絡する末梢神経に大別される。末梢神経は知覚神経・運動神経・自律神経に大別され身体の末端の刺激は知覚神経が脳に伝える。脊髄は背骨の脊柱管の中に納まっており、脊髄の末端からは腰神経や仙骨神経、尾骨神経などが下に向かって走っている。

 肋間神経と坐骨神経の大まかな位置は下図のとおり。





妊娠までのプロセス

2009-01-26 15:43:13 | 解剖生理学(身体の発生)
排卵、受精、着床がスムーズに進行しなくては妊娠できない。
妊娠は簡単のように見えて実はそこには複雑なメカニズムが存在する。

    ①排卵が起こる
生命の誕生は、精子と卵子の運命的な出合から始まる。無事、精子と卵子が出合い受精に成功して、受精卵が子宮内膜にしっかり着床したとき、始めて妊娠が成立する。
妊娠の成立には、受精と着床が不可欠である。月経のころになると、視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される。
分泌されたGnRHは下垂体に作用して、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、卵巣内にある5~6個の発育卵胞が成熟し始める。
これらの卵胞は、血液中にエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、これによってFSHの分泌はストップする。このとき、発育卵胞の中から、たった1個の卵胞が選ばれ(主席卵胞の選別)、他の卵胞は発育が止まってしまう。選ばれた卵胞はその後も発育を続け、この卵胞から分泌されるエストロゲンがピークに達したとき、下垂体から排卵を促すLH(黄体ホルモン)が多量に放出される(LHサージ)。
その刺激によって卵胞をおおっていた膜が破れ、卵子が飛び出し、排卵となる。

    ②子宮内膜の準備が始まる
排卵が起こると、卵巣に残された卵胞の組織黄体になり、プロゲステロンが分泌されるようになる。このプロゲステロンはエストロゲンと強力をして、子宮内膜を厚くやわらかくし、受精卵が着床できるように準備を始める。
妊娠成立後、黄体は妊娠黄体となり、妊娠8~10週ごろまで機能するが、妊娠しなかった場合は月経黄体となり退縮し、プロゲステロンも低下して子宮内膜がはがれ、月経になる。

    ③卵子は卵管で精子を待ち、精子は自力でたどりつく
卵巣から排出された卵子は、卵管采から卵管膨大部へとゆっくり運ばる。ここで精子の到着を待つ。
一方の精子は、1回の射精で1~3億個排出されるが、膣内が強い酸性になってるため、半分ぐらいはすぐ死んでしまう。
それをなんとかクリアした精子は、しっぽのよな尾部を動かして自力で子宮内へと泳いでいく。その間にも弱まった精子はどんどん脱落し、数が減っていく。
ようやく子宮にのぼりつめた元気な精子も、半分は卵子のいない卵管に行ってしまい、卵子に無事たどりつくのわずか60~100個程度である。精子がここまで来るのに、だいたい数時間~十数時間かかる。

    ④精子と卵子の結合で受精
卵管で卵子と出合った精子は一斉に卵子に取り囲み、頭部から酸素を出して卵子の外膜(透明帯)を溶かし始める。このとき、卵子の大きさは0.1mm程度である。
1個の精子がなんとかこの膜を突破して侵入すると、瞬時に卵子の周りにたんぱく質からなる透明帯でバリアがつくられ、他の精子は侵入できなくなる。
結局、卵子と結合できるのは、何億個の精子のうちたった1個。つまり、精子が受精できる確率は数億分に1である。
卵子の受精能力は排卵後約24時間、精子は射精後48~72時間。

    ⑤受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮へ
受精したからもう安心といわけにもいかない。まだ、着床するという大仕事が残っている。
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管から子宮へと向かう。
受精後24時間で2個、40時間で4個とどんどん細胞分裂を繰り返し、細胞数が増えていく。
これが卵分割である。3日で16個の細胞になり、桑の実のような形をした桑実胚になる。
受精卵の周りにはられた透明帯は、胚がバラバラになるのを防いでくれる。
受精後4~5日たっと、桑実胚はやっと子宮内に到達する。受精卵は自分で動けないので、卵管の繊毛運動と蠕動運動によって運ばれる。
子宮にたどりついた桑実胚は胞胚腔を形成し、大きな胞胚をつくる。

    ⑥子宮内膜に着床し、妊娠が成立
受精卵は大きな胞胚になり、排卵がおこったときから、子宮内膜は胞胚を確実に受け止めるために、着々と準備を整えている。もうベットはやわらかくてふかふかでである。
受精後は、6日目ぐらいになると透明帯が破れ、胞胚は子宮内膜に接触し、いよいよ着床開始。栄養膜細胞が酸素を出して子宮内膜をとかしながら、胞胚は中にもぐりこんでいく。
受精後12日目ぐらいには、すっかり埋もれてしまい、着床が完了する。
卵管、子宮とただよっていた不安定な状態から抜け出し、やっと母体に根をおろしたわけである。
受精してから着床するまでには、このようなプロセスがあり、2週間近くかかる。無事着床すれば妊娠が成立である。

アイソメトリック

2009-01-26 15:10:02 | 健康と食生活
 アイソメトリックとは、等尺性運動(静的な局所運動)のことで、筋肉の長さを変えないで筋力を発揮すること。たとえば、関節を動かさずに壁や柱などのように動かないものを全力で押すとか、バスタオルなどのように伸び縮みしないものを引っ張ることで筋力トレーニングを行なうというものである。この押したり引いたりする動作を約10秒~20秒行なう。筋肉は、全力で力を入れるとおよそ6秒で最大筋力を発揮するようになる。その状態でさらに数秒間力を入れ続けることでハイパワーのトレーニングになる。

 アイソメトリック・トレーニングの利点は、家庭にあるバスタオルや電車の吊革、オフィスの給湯室やデスクを利用してどんなところでもトレーニングすることができ、特別な用具がなくても行なえることである。また、筋肉痛になりにくかったり、関節への負担が少ないのでトレーニング初心者でも簡単に始めることができる。

アイソトニック

2009-01-26 15:04:08 | 健康と食生活
アイソトニックとは、筋肉の力の発揮方法をさす言葉で、等張性筋収縮ともいう。関節の動きを伴う静的な運動のこと。関節を動かし、筋肉の長さを変えながら力を発揮させる。バーベルやダンベル、マシンなどを使って一定の負荷をかけながら行う。アイソトニックには、筋肉を収縮させながら力を発揮するコンセントリックと、筋肉を伸ばしながら力を発揮するエキセントリックとがあり、エキセントリックのほうが強い力を発揮する。

血小板形成

2009-01-08 08:00:48 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
血小板とは、骨髄の巨核球 (megakaryocytes)の細胞質がちぎれてできたもの。当然、核はなく、大きさはまちまち。

巨核球と血小板形成:巨核球は球形または卵形の直径30-100μmの大型の細胞で、表面に不規則な突起を出す。核は複雑に分葉し、染色質網が粗く、核小体が多い。成熟すると、細胞質に微細な顆粒が多数、出現する。顆粒は1層の限界膜に包まれた径200-300 nmの電子密度の高い顆粒で、Azur好性である。顆粒の出現と同時に多数の小胞が現れ、それらが増加・融合して連なり、分離膜 (platelet demarcation membrane)を形成する。分離膜は網状に広がって細胞質を多くの区域に分ける。
次に、巨核球は突起を延ばし、その突起が類洞内皮(細胞間隙または細胞質の穴)を通り抜けて類洞内腔に達する。

まず、突起の一部が細胞体から離れ(前血小板となる)、次に離れた突起の中で分離膜によって分けられていた細胞質の各区域が、分離膜が次々と融合してゆくことにより完全に分かれ、血小板となる。


巨核球の起源:幹細胞-> 巨核球前駆細胞-> 巨核芽球-> 巨核球となる。巨核芽球から 巨核球になる際、細胞質が分裂せずに核分裂だけが起こるため、分葉核となる(多くが16n-32n)。

類洞内皮に延びだした巨核球の突起からは1回に、約2,000個の血小板ができる。この過程を4回ほど繰り返すうちに、細胞質がなくなって、巨核球は死滅する。

紫外線

2009-01-05 20:58:25 | 解剖生理学(皮膚)
近紫外線 (波長 380-200nm)
・UV-A (波長315nm-380nm)
太陽光線の内5.6%通過。皮膚の真皮層に作用し蛋白質を変性させる。細胞の物質交代の進行に関係しており、細胞の機能を活性化させる。また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。サンタン(suntan)。

・UV-B (波長280nm-315nm)
太陽光線の内0.5%通過。表皮層に作用するが、色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取る。これがいわゆる日焼けである。また UV-B には発癌性が指摘されるが発癌するのは高齢者、しかも肌の露出した部分のみというケースが多い。サンバーン(sunburn)。 屋外での日焼けの主な原因となる。UVAよりも波長が短く、強烈なエネルギーをもっており、多量にあびると皮膚に赤い炎症を起こし、しみ・そばかすの原因になったり、ひどくなると水ぶくれを起こす。UVBは皮膚の細胞内のDNAを傷つけ、日焼けを繰り返すことで皮膚がんになりやすくなるといわれる。雨の日でも2~3割は地上に降り注いでいるので、紫外線量の多い春や夏の外出には紫外線対策は欠かせない。

・UV-C (波長200nm-280nm)
オゾン層で守られている地表には今のところ到達しない。強い殺菌作用があり、生体に対する破壊性が最も強い。

血球の分化過程

2009-01-05 17:45:04 | 解剖生理学(免疫系)
図の上段が顆粒白血球で骨髄芽球(myeloblast)から3種の顆粒球が分化する。
前骨髄球(promyelocy te )は細胞質中に顆粒が出現した状態。骨髄球(myelocyte )は、各細胞質に特異な顆粒が出現し始め、細胞核クロマチンが粗くなり始めた状態。
後骨髄球(metamyelocyte )の細胞質は各顆粒球ごとに特異な顆粒を含む細胞質となり、細胞核に凹みが見られた状態。
桿状核球( stabcell )の細胞核は棒状の核となる。好中球
( neutrophile )や好酸球(eosinophile )、好塩基球( basophile )は多核細胞となり、桿状核球とあわせて末梢血中に出現する。中段はリンパ球でリンパ芽球( lymphoblast )から分化する。末梢血で見られるリンパ球の多くはT リンパ球である。下段が赤血球(erythrocyte)の分化成熟過程である。

血球の分化と成熟
1 白血球は大きく分けて顆粒球とリンパ球がある。その他に少数だが単球と呼ば
れる細胞がある。これらの細胞の元は中胚葉発生で骨髄幹細胞から分化する。
1) 顆粒球の分化成熟
顆粒球は幹細胞から骨髄芽球になり、好中球や好酸球、好塩基球に分化する。
正常抹消血で見られる細胞は成熟した多核の細胞で好中球は桿状核から2-3核、好酸球は通常2核で見ることができる(分節球)。したがって、抹消血で見られる細胞より若い骨髄芽球や骨髄球などを幼弱細胞と呼び、通常は抹消血で見ることはできない。
急性骨髄性白血病では抹消血中に病的な骨髄芽球が異常に増える。慢性骨髄性
白血病では骨髄芽球から分節球までの種々の段階の顆粒球が抹消血中に出現する。
顆粒球は骨髄で発生し骨髄で分化成熟する。好中球は急性の炎症で出現し、好酸
球は寄生虫やアレルギーで多く出現する。これらの働きは次の通り。
(1)好中球 遊走性があり、炎症機転で血管から血管外(組織中)に遊走して、細菌などを貪食する。食細胞としての機能はマクロファージの方が強く、好中球
は細菌を食べて死滅する。これが膿となる。
(2)好酸球 好酸球も弱い食細胞としての機能があるが、それ以上に細胞からケミカルメディエーターと呼ばれる種々の作用の強い物質を分泌放出させる。好酸性の顆粒から放出される物質は寄生虫を攻撃し、さらに炎症状態を強め他の細胞を呼び寄せる因子を放出する。放出成分には組織障害性もあるので周辺の細胞は障害を受けることがある。
(3)好塩基球 この細胞は血液中からでて塩基性の顆粒を放出する。この物質はヒスタミンに代表されるように、炎症反応を強め、血管の内皮の結合を緩め、血液中の細胞を呼び寄せる。組織中にとどまったものが肥満細胞と呼ばれる。肥満細胞は硫酸基成分のヘパリンを分泌し、炎症での好中球や他の細胞が活発に活動できる環境をつくる。
2) リンパ球の分化成熟
リンパ球も幹細胞から分化した細胞である。リンパ球は分化する過程で2種類に分けられる。骨髄で発生し胸腺で成熟するT細胞と、骨髄で発生し骨髄で分化成熟するB細胞で、各リンパ組織に定着する。B細胞はこの二次リンパ組織と呼ばれる扁桃やリンパ節などで抗原刺激を受けて分裂増加する。T細胞は非自己抗原を認識する細胞として教育され、全身の監視役細胞(細胞性免疫のはたらき)となる。B細胞はさらに分化して抗体を専門に産生する形質細胞になる。(液性免疫)
2 赤血球の分化は葉酸やVB12、内因子、エリスロポエチンなど造血因子によって調節される。

レセプター

2009-01-05 17:18:55 | 解剖生理学(免疫系)
細胞膜表面や細胞質、核内に分布し,細胞外からの各種生理活性物質を特異的に認識して結合し,生理活性物質の情報を細胞内やDNAに伝達するタンパク質。

レセプターは分布する場所によって細胞表面レセプターと核内レセプター(細胞内レセプターともいう)の二つに大別される。

細胞膜表面レセプターは,細胞膜を通過できない親水性の生理活性物質(ペプチド,サイトカイン,カテコールアミン,増殖因子など)と結合し,素早い構造変化を通して不活性型から活性型へ転換し,生理活性物質の情報を細胞内に伝達する。

細胞表面レセプターはそのタンパク質の構造と情報伝達機構の違いからイオンチャネル共役型レセプター,チロシンキナーゼ共役型レセプター,3量体GTP結合タンパク質(Gタンパク質)共役型レセプターの3種のグループに大別される。

一方、核内レセプターは,細胞膜を容易に通過する疎水性の生理活性物質(ステロイドホルモン,甲状腺ホルモン,ビタミンA,ビタミンDなど)と結合する。リガンドの結合した核内レセプターは特定の遺伝子のプロモーター上の特定配列を認識して結合し,その遺伝子の転写を活性化または抑制する。代表的な核内レセプターとして,レチノイン酸レセプター,ステロイドホルモンレセプターなどがある。

糖尿病と壊疽

2009-01-05 16:49:31 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
糖尿病があると,糖尿病でない人に比べて,壊疽が多い。

壊疽の成り立ちには,
①神経障害,
②血管障害,
③感染
の3つの要素が複雑にからまりあっている。

・神経に障害がおきると,痛みを感じなくなり,傷や感染がおこっていても気づかないことがある。

・さらに,自律神経(栄養神経)が障害されると皮膚が弱くなり,細菌などが侵入しやすくなる。

・血管が血栓などでつまると,栄養や酸素の供給が十分でなくなり,その部分の細胞が死んで黒変する。

・栄養神経の障害が壊疽の原因であるときは,足の動脈の拍動はよくわかるが,

・動脈がつまったときは足の動脈の拍動はなくなる。これは動脈硬化が原因で
閉塞性動脈硬化症と呼ぶ。

・血糖が高いと皮膚が化膿しやすくなり,とくに壊疽の部分では細菌が増えやすく, 放置すると敗血症のために命が危うくなることもある。

尿毒症

2009-01-05 16:33:46 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
1:尿毒症とはどんな病気か?
尿毒症は、慢性腎不全の最終段階で腎機能が極端に低下し、排出されるべき老廃物や毒素が血液中に蓄積される。その結果、血液が汚れそのまま放置すると生命が危険にさらされる。

2:尿毒症の症状はどのようなものがあるか?
乏尿、貧血、むくみ、かゆみ、疲れ、倦怠感、口臭、頭痛などの症状が現れ、体の表面のむくみ、胸水などの症状が出現する。その他、神経や筋肉、消化器、循環器、皮膚にもさまざまな症状が現れる。

3:尿毒症の検査はどのようなものがあるか?
血液検査で尿素、クレアチニン、クレアチニン・クリアランス、尿酸の値が著明に増加している。

4:尿毒症の治療はどのように行うか?
入院し安静にする。タンパク質や食塩を控える食事療法が必要。通常、人工透析療法を行うことになり。生体腎移植も考えられる。

尿閉

2009-01-05 16:19:45 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
腎臓での尿生成・尿管・膀胱に何ら異常を認めず、尿の蓄積・尿意の発生があるのに、排尿できない状態。
尿道の閉塞などで尿が膀胱から排泄できない場合を尿閉といい、膀胱が尿で充満していること、及びそれによる患者の訴え、自覚症状、現病歴などから「無尿」「乏尿」と区別できる。

尿道狭窄、尿道結石、神経因性膀胱、前立腺疾患(前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎など)などの病気で発生する。

急性と慢性がある。急性の場合は、冷や汗が出るほど苦しく、すぐに導尿などの処置が必要である。慢性尿閉は前立腺疾患で多く見られ、徐々に症状が進行し、放っておくと腎機能を損なうおそれがある。

腹圧性尿失禁

2009-01-05 16:05:08 | 排泄・解剖生理学(消化器系・泌尿器系)
どんな病気か
 腹圧性尿失禁とは、急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態をいう。女性に多く、とくに中高年の女性に頻度の高い病気。


原因は何か
 膀胱や尿道の「しまり」が悪くなっている状態であり、尿道を閉じる機構(尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)など)がうまくはたらかないことや、膀胱を支える骨盤の筋肉(骨盤底筋(こつばんていきん))が弱くなっていることが原因となる。
 前者の原因としては尿道の外傷、神経の損傷などが、後者の原因としては前立腺や子宮などの骨盤内手術、妊娠や出産、子宮脱、膀胱脱、加齢などがあげられる。


症状の現れ方
 腹圧が高くなる時、たとえば急に立ち上がった時や階段を上る時、重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみ、笑った時などに尿がもれます。通常、睡眠中にはみられない。
 腹圧性尿失禁のうち、約30%の人には切迫性(せっぱくせい)尿失禁(急に強い尿意が出現し、トイレに間に合わず失禁してしまうこと)が合併する。

感覚

2009-01-03 19:53:38 | 解剖生理学(皮膚)
感覚分類

ヒトの感覚は5分類では次のようになる。

●体性感覚:表在感覚(皮膚感覚)と深部感覚。
・表在感覚には触覚(触れた感じ)、温覚(暖かさ)、冷覚(冷たさ)、痛覚(痛さ)がある。
・深部感覚には運動覚(関節の角度など)、圧覚(押さえられた感じ)、深部痛、振動覚がある。
●内臓感覚:内臓に分布した神経で、内臓の状態(動き、炎症の有無など)を神経活動の情報として感知し、脳で処理する仕組み。
・臓器感覚(吐き気など)
・内臓痛
●特殊感覚:視覚(目で見る)、聴覚(耳で聞く)、味覚、嗅覚、前庭感覚(平衡感覚)がある。
・視覚:光を網膜の細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・聴覚:音波を内耳の有毛細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・味覚:食べ物に含まれる化学物質(水溶性物質)の情報を、舌、咽頭、喉頭蓋などの味覚細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・嗅覚:鼻腔の奥にある嗅細胞で、空気中の化学物質(揮発性物質)情報を神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・前庭感覚:内耳の半規管などで、頭部の傾き、動き(加速度)などを神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

他の感覚
●平衡覚:(前庭感覚)平衡(身体の傾き、全身の加速度運動)に対する知覚であり、内耳の流体を含む腔に関係する。方向や位置確認も含めるかどうか意見の相異があるが、以前の奥行感覚と同様に"方向"は次感覚的・認知的な意識だと一般的に考えられている。
●固有感覚:(運動感覚)体に対する意識(筋、腱内の受容器による筋、腱、間接部の緊張の変化)の知覚である。ヒトが大きく依存する感覚であり、しかしながら頻繁に意識されない感覚である。説明するより更に簡潔に明示すると、固有感覚とは、体の様々な部位の位置する場所を感じているという"無意識"である。これは目を閉じて腕を周りに振ることで演示することができる。固有感覚機能が正確だと思い込んで、どの他の感覚にも感知されてないにも関らず、直ぐに実際にある手の位置の意識が無くなるだろう。