アロマテラピー学習ブログ

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参照。

脾臓

2009-01-03 14:12:37 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
 

 脾臓は腹部の左上にあり、肋骨(ろっこつ)の下に隠れているため、通常触れることはできない。大きさは握りこぶしくらいで、重さは約120g。

 脾臓には胎児期まで血液を造る働きがありますが、生後、成長とともにその働きは骨髄が担うようになる。

 脾臓は外側の赤脾髄と内側の白脾髄という組織からできており、脾臓が暗褐色に見えるのは赤脾髄が血管に富んでいるからである。

 赤脾髄は血液のろ過を行っており、古くなった赤血球をせき止めて貪食(どんしょく)、破壊する役割がある。赤血球は全身に酸素や栄養素を運び、不要な二酸化炭素を排出する重要な働きがあるが、赤血球の寿命は約120日といわれ、古くなるとこの働きが正常に行われなくなるため、古いものは処分され、新しい血液が造られる。その処分を行っているのが脾臓である。また、処分した血液から造血に必要な材料を取り込み、必要なとき(不意の出欠や酸素が必要なとき)に供給する。 
 白脾髄は免疫系に関与するBリンパ球を産生しており、リンパ球は血液中に侵入した細菌や異物をキャッチすると貪食したり、それらに対する抗体をつくる働きがあり、健康を維持するために重要な防衛機能のひとつである。

  血管や神経が出入りする部分を脾門(ひもん)という。

脊髄神経

2009-01-03 00:06:47 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄神経とは、末梢神経のうち、脊髄から分かれて出るものを指す。末梢神経は脊髄神経と脳神経に分かれるが、脳神経は迷走神経を除いて頭頸部にしか分布しないから、四肢・体幹を支配する神経はほぼすべて脊髄神経である。狭義には脊柱管から前根と後根が出て合わさるところから、前枝と後枝に分かれるまでの部分を指す。


脊髄神経は、脊椎の椎間孔ごとに一対ずつ出ている。頚椎の間から出るものを頚神経(cervical nerve)、胸椎の間から出るものを胸神経(thoracic nerve)、腰椎の間から出るものを腰神経(lumbar nerve)、仙骨の仙骨孔から出るものを仙骨神経(sacral nerve)、第1尾椎と第2尾椎の間から出るものを尾骨神経(coccygeal nerve)と呼ぶ。これらは上から順に番号をつけた略号で、C1~C8(第1頚神経~第8頚神経)、Th1~Th12(第1胸神経~第12胸神経)、L1~L5(第1腰神経~第5腰神経)、S1~S5(第1仙骨神経~第5仙骨神経)と呼ばれる。後頭骨と第1頚椎(環椎)の間からC1、第7頚椎と第1胸椎の間からC8が出て、以下、第1胸椎と第2胸椎の間からTh1、第1腰椎と第2腰椎の間からL1、第1前仙骨孔・後仙骨孔からS1が出る。なお、これらの略称は神経ではなく骨に対しても(第3頸椎=C3という具合に)使われることがある。この項ではもっぱら脊髄神経に対してのみ使う。

脊髄神経は脊髄から分かれたのち、脊柱管の中でいくらか下に走ってから椎間孔を抜ける。これはより低い位置の脊髄神経について顕著であり、C8が第7頸椎あたりの高さから起こる(脊髄から根が出る)一方、すべての腰神経は第12胸椎から第1腰椎あたりの高さから起こる。このため脊髄の本幹は第2腰椎あたりの高さで終わるのに、脊柱管の中ではその下にも長く脊髄神経の根が束になって走る。この部分を馬尾という。

脊髄神経の根は、脊髄前面の前外側溝から出る前根と、脊髄後面の後外側溝から出る後根の2つである。前根はおもに骨格筋を支配する運動線維、後根はおもに皮膚などの知覚を伝える感覚線維を入れているので、後根は後外側溝「に入る」と言ったほうが正確ともいえる。前根と後根は合わさって脊柱管を出るが、後根は合流する少し根元で後根神経節(脊髄神経節)と呼ばれるふくらみを作っている。脊髄神経節には神経節細胞と呼ばれる神経細胞の細胞体が入っている。神経節細胞は知覚の一次線維である。すなわち、神経節細胞から延びた線維が皮膚や筋紡錘で知覚の受容器を作り、受容した刺激の信号をシナプスを介することなく脊髄神経節まで送る。神経節細胞は脊髄の中にある細胞とシナプスを作って知覚伝導路をなす。

前根と後根が合流した先で、脊髄神経は細い硬膜枝と交通枝を出したのち、体の前面に向かう前枝と後面に向かう後枝に分かれる(前根・後根と混同しないよう注意されよ)。硬膜枝は硬膜の知覚を伝え、交通枝は交感神経幹の神経節に入る。一部の前枝は神経叢を作って異なる高さからの線維を交換し、さまざまな高さからの線維を含んだ神経になって末梢へ向かう。この型の神経叢は人体に4箇所あり、C1~C4の前枝は頚神経叢、C5~Th1の前枝は腕神経叢、L1~L4の前枝は腰神経叢、L4~S3の前枝は仙骨神経叢を作る。頚神経叢と腕神経叢は鎖骨付近で一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて頚腕神経叢とも呼ばれる。腰神経叢と仙骨神経叢は一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて腰仙骨神経叢とも呼ばれる。

神経叢にかかわらない脊髄神経はおおむね一様な分布を示す。後枝は固有背筋の運動と背部の皮膚知覚を支配する。前枝は肋間神経として肋骨の間を走り、体壁の筋肉と皮膚知覚を支配する。前枝の支配域は背部まで及んでおり、後枝の支配域よりもかなり広い。

上皮

2009-01-02 17:16:58 | 解剖生理学(身体の発生)
 上皮は、上皮を作っている細胞の形、並び方によって、何通りにも分類されている。体のあちこちにある上皮は、どのような上皮によって作られているのか決まっている。


上皮細胞の層による分類
 上皮をつくる細胞が、一列に並んでいる場合、2層以上に積み重なっている場合などにわけられる。一列に並んでいるのは単層上皮、細胞が2列以上にならんでいれば、重層上皮という。


上皮細胞の形による分類
 上皮の膜をつくっている1個1個の細胞の形について、その高さと幅とを比べたとき、細胞が縦に長く背が高い場合、高さと幅がほぼ同程度の場合、平べったい場合などにわけられる。縦に長い細胞の形を円柱、高さと幅が同程度の細胞の形を立方、細胞が平べったいことを扁平と呼んで、上皮の分類に使う。もし、細胞の層が何層もあるときには、一番表面に近い層(最表層)の細胞の形で分類する。


細胞の形と層の数の組み合わせの基本
単層扁平上皮
平べったい細胞が1層にならんでできている上皮。血管の一番内側の層(内皮)、胸膜や腹膜などの漿膜、肺の肺胞の上皮など。
単層立方上皮
サイコロ型あるいは比較的丸っこい細胞が1層にならんでできている上皮。腎臓の尿細管の上皮、唾液腺や膵臓などの導管の細い部分など。
単層円柱上皮
縦に長い細胞が1層に並んでいる上皮。胃や小腸、大腸の粘膜(内側の壁)の上皮、子宮の粘膜(内側の壁)=子宮内膜の上皮など。
重層扁平上皮
細胞が数層から数十層にわたって積み重なっている上皮で、上の方の細胞の形が平べったい。皮膚の表皮、口の中(口腔)、食道、膣、尿道の出口近くの上皮など。
重層立方上皮
細胞が数層以上積み重なっている上皮で、一番上の層の細胞が丸っこい、あるいは立方体に近い形。卵胞上皮細胞
重層円柱上皮
細胞が数層以上積み重なっている上皮で、一番上の層の細胞が背が高いもの。眼の結膜、男性の尿道など。


細胞の形と層の組み合わせ、その他の例
多列円柱上皮(多列上皮)
一見細胞が何層にもなっているように見えるが、実は積み重なっているわけではなく、一列に並んでいるだけなのだが、背の高い細胞に、背の非常に低い細胞がまざっているもの。鼻の穴の中(鼻腔)、気管、気管支、精管など。
移行上皮
特徴は、上皮が非常に伸縮性があり、伸びたり縮んだりでき、それにあわせて上皮の見かけも大きく変化するため、この名がある。細胞は数層に積み重なって見えるが、ほんとに積み重なっているのか、上の多列上皮のようにいろいろな大きさの細胞が混ざったいるだけなのかよくわからない。上の層ほど細胞が大きい。細胞どうしのつながり方に特徴があり、引っ張られて伸びるときには細胞どうしがちょっとずつずれて一見細胞の層の数が減るように見える。尿管、膀胱、膀胱のそばの尿道などの内側の上皮。

チャラカ・サンヒター

2009-01-02 11:50:07 | アロマテラピーの歴史
インドの伝承医学アーユルヴェーダでは、病気の最大の原因は、ドーシャと呼ばれる身体の生命エネルギーである「気」の増悪(増えすぎること)としている。

ドーシャには大きく分けて、
 ヴァータ(乾性・軽性の気)、
 ピッタ (熱性の気)
 カファ (粘性・重性の気)
の3種類がある。

 ドーシャによって起こる病気の名目がアーユルヴェーダーの古典書物『チャラカ・サンヒター』スートラスターナ第20章に説かれている。そこではヴァータ性の病気は80種、ピッタ性の病気は40種、カファ性の病気は20種が記載されている。

胎盤

2009-01-02 09:16:24 | 女性の健康
胎盤とは、円盤状のかたまりで、直径約20cm、厚さ2~3cm、重さ500~600g。胎盤は、役目が終わった赤ちゃん誕生の15~30分あとに、もう一度軽い陣痛が起こって子宮からはがれ落ちてくる。
元気で健康な赤ちゃんの胎盤は、張りがあり、厚みもあって、しっかりしている。反対に、発育不全の赤ちゃんの胎盤は、やはり発育不全。小さくて薄かったり、硬かったり、石灰化していたり、むくんでいることもある。

胎盤ができるまで
受精卵が子宮に着床すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されて、絨毛ができ始め、子宮の一部が厚くなり始める。さらに厚くなった子宮の一部にだんだんくぼみが出来てきて、もっこりとした山が見えてくる。ちょうど妊娠14週~16週ごろ胎盤が完成する。

胎盤の仕組み
胎盤は無数の血管の集まり。中には絨毯の毛のような細かな絨毛が密生していて、中隔と呼ばれる仕切りもある。絨毛のまわりには空間があって、ここは母体の血液で満たされている。ここが、酸素や栄養、老廃物の受け渡し場所。絨毛の中には毛細血管が走っていて、母体の血液から酸素や栄養分や水分を吸収して胎児へ送る。逆に胎児が排出した二酸化炭素や老廃物はここに出して、ママに処理してもらう。
つまり胎盤は、胎児の肺であり、胃腸や腎臓。ホルモンや免疫機能も備えている。


胎盤ができる前は、母体の血液中の物質がそのまま胎児に移行してしまう。妊娠初期にとくに薬などに注意しなければいけないのは、このためである。しかし、胎盤ができると、フィルター機能が働いて、分子量の大きいものは胎児に移行しない。ただし、分子の小さなものは、胎児に移行してしまうので、やはり薬はドクターの指導の下に服用すること。ニコチンやアルコールも分子が小さいので胎盤を通過してしまう。


胎盤が完成すると、俗に安定期と呼ばれる中期に入るが、ドクターは、「妊娠中に安定期はない!」という。胎盤はこの時期から、ますます充実。胎盤完成の妊娠4ヵ月頃、約100gだった胎盤は、その後どんどん成長して、最後には約500gにもなる。中期から後期は、胎児もいっしょにぐんぐん大きくなっていく時期である。無理は禁物。この時期に胎盤がしっかり成長できないと、酸素や栄養補給がうまくいかず、胎児も大きくなれない。


胎盤には寿命があり、妊娠42週に入るとちょっと問題が出てくる。この頃から衰えてくる可能性がある。胎盤機能が落ちると、赤ちゃんに充分な酸素や栄養が送れなくなる。胎盤の血管が詰まって、赤ちゃんが弱ってしまうこともある。胎盤機能が低下していると疑われたら、陣痛促進剤を使ったり、緊急の場合は帝王切開をしたりして、赤ちゃんを助ける。

むくみ、高血圧、たんぱく尿、これらのどれかひとつでも症状が出たら、妊娠中毒症。こうなると子宮から胎盤に養分を送る血液が流れにくくなる。となると当然、胎盤機能が低下。妊娠中毒症を予防するには、体重をしっかり管理して太り過ぎないこと、塩分を控えること、過労やストレスも避けること。
さらに胎盤は血管の集まりですから、いい血管、いい血液を作ることが大切。血液がドロドロだと血管がつまりやすくなり、赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなる。サラサラのいい血液を作るには、ビタミンE。血中の過酸化脂質を分解してくれる。
豆腐などの大豆やナッツなどの豆類、緑黄色野菜、タラコやサケにも多く含まれている。毎日の食生活に取り入れていくとよい。