アロマテラピー学習ブログ

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参照。

感覚

2009-01-03 19:53:38 | 解剖生理学(皮膚)
感覚分類

ヒトの感覚は5分類では次のようになる。

●体性感覚:表在感覚(皮膚感覚)と深部感覚。
・表在感覚には触覚(触れた感じ)、温覚(暖かさ)、冷覚(冷たさ)、痛覚(痛さ)がある。
・深部感覚には運動覚(関節の角度など)、圧覚(押さえられた感じ)、深部痛、振動覚がある。
●内臓感覚:内臓に分布した神経で、内臓の状態(動き、炎症の有無など)を神経活動の情報として感知し、脳で処理する仕組み。
・臓器感覚(吐き気など)
・内臓痛
●特殊感覚:視覚(目で見る)、聴覚(耳で聞く)、味覚、嗅覚、前庭感覚(平衡感覚)がある。
・視覚:光を網膜の細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・聴覚:音波を内耳の有毛細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・味覚:食べ物に含まれる化学物質(水溶性物質)の情報を、舌、咽頭、喉頭蓋などの味覚細胞で神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・嗅覚:鼻腔の奥にある嗅細胞で、空気中の化学物質(揮発性物質)情報を神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。
・前庭感覚:内耳の半規管などで、頭部の傾き、動き(加速度)などを神経活動情報に変換し、脳で処理する仕組み。

他の感覚
●平衡覚:(前庭感覚)平衡(身体の傾き、全身の加速度運動)に対する知覚であり、内耳の流体を含む腔に関係する。方向や位置確認も含めるかどうか意見の相異があるが、以前の奥行感覚と同様に"方向"は次感覚的・認知的な意識だと一般的に考えられている。
●固有感覚:(運動感覚)体に対する意識(筋、腱内の受容器による筋、腱、間接部の緊張の変化)の知覚である。ヒトが大きく依存する感覚であり、しかしながら頻繁に意識されない感覚である。説明するより更に簡潔に明示すると、固有感覚とは、体の様々な部位の位置する場所を感じているという"無意識"である。これは目を閉じて腕を周りに振ることで演示することができる。固有感覚機能が正確だと思い込んで、どの他の感覚にも感知されてないにも関らず、直ぐに実際にある手の位置の意識が無くなるだろう。

脾臓

2009-01-03 14:12:37 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
 

 脾臓は腹部の左上にあり、肋骨(ろっこつ)の下に隠れているため、通常触れることはできない。大きさは握りこぶしくらいで、重さは約120g。

 脾臓には胎児期まで血液を造る働きがありますが、生後、成長とともにその働きは骨髄が担うようになる。

 脾臓は外側の赤脾髄と内側の白脾髄という組織からできており、脾臓が暗褐色に見えるのは赤脾髄が血管に富んでいるからである。

 赤脾髄は血液のろ過を行っており、古くなった赤血球をせき止めて貪食(どんしょく)、破壊する役割がある。赤血球は全身に酸素や栄養素を運び、不要な二酸化炭素を排出する重要な働きがあるが、赤血球の寿命は約120日といわれ、古くなるとこの働きが正常に行われなくなるため、古いものは処分され、新しい血液が造られる。その処分を行っているのが脾臓である。また、処分した血液から造血に必要な材料を取り込み、必要なとき(不意の出欠や酸素が必要なとき)に供給する。 
 白脾髄は免疫系に関与するBリンパ球を産生しており、リンパ球は血液中に侵入した細菌や異物をキャッチすると貪食したり、それらに対する抗体をつくる働きがあり、健康を維持するために重要な防衛機能のひとつである。

  血管や神経が出入りする部分を脾門(ひもん)という。

脊髄神経

2009-01-03 00:06:47 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄神経とは、末梢神経のうち、脊髄から分かれて出るものを指す。末梢神経は脊髄神経と脳神経に分かれるが、脳神経は迷走神経を除いて頭頸部にしか分布しないから、四肢・体幹を支配する神経はほぼすべて脊髄神経である。狭義には脊柱管から前根と後根が出て合わさるところから、前枝と後枝に分かれるまでの部分を指す。


脊髄神経は、脊椎の椎間孔ごとに一対ずつ出ている。頚椎の間から出るものを頚神経(cervical nerve)、胸椎の間から出るものを胸神経(thoracic nerve)、腰椎の間から出るものを腰神経(lumbar nerve)、仙骨の仙骨孔から出るものを仙骨神経(sacral nerve)、第1尾椎と第2尾椎の間から出るものを尾骨神経(coccygeal nerve)と呼ぶ。これらは上から順に番号をつけた略号で、C1~C8(第1頚神経~第8頚神経)、Th1~Th12(第1胸神経~第12胸神経)、L1~L5(第1腰神経~第5腰神経)、S1~S5(第1仙骨神経~第5仙骨神経)と呼ばれる。後頭骨と第1頚椎(環椎)の間からC1、第7頚椎と第1胸椎の間からC8が出て、以下、第1胸椎と第2胸椎の間からTh1、第1腰椎と第2腰椎の間からL1、第1前仙骨孔・後仙骨孔からS1が出る。なお、これらの略称は神経ではなく骨に対しても(第3頸椎=C3という具合に)使われることがある。この項ではもっぱら脊髄神経に対してのみ使う。

脊髄神経は脊髄から分かれたのち、脊柱管の中でいくらか下に走ってから椎間孔を抜ける。これはより低い位置の脊髄神経について顕著であり、C8が第7頸椎あたりの高さから起こる(脊髄から根が出る)一方、すべての腰神経は第12胸椎から第1腰椎あたりの高さから起こる。このため脊髄の本幹は第2腰椎あたりの高さで終わるのに、脊柱管の中ではその下にも長く脊髄神経の根が束になって走る。この部分を馬尾という。

脊髄神経の根は、脊髄前面の前外側溝から出る前根と、脊髄後面の後外側溝から出る後根の2つである。前根はおもに骨格筋を支配する運動線維、後根はおもに皮膚などの知覚を伝える感覚線維を入れているので、後根は後外側溝「に入る」と言ったほうが正確ともいえる。前根と後根は合わさって脊柱管を出るが、後根は合流する少し根元で後根神経節(脊髄神経節)と呼ばれるふくらみを作っている。脊髄神経節には神経節細胞と呼ばれる神経細胞の細胞体が入っている。神経節細胞は知覚の一次線維である。すなわち、神経節細胞から延びた線維が皮膚や筋紡錘で知覚の受容器を作り、受容した刺激の信号をシナプスを介することなく脊髄神経節まで送る。神経節細胞は脊髄の中にある細胞とシナプスを作って知覚伝導路をなす。

前根と後根が合流した先で、脊髄神経は細い硬膜枝と交通枝を出したのち、体の前面に向かう前枝と後面に向かう後枝に分かれる(前根・後根と混同しないよう注意されよ)。硬膜枝は硬膜の知覚を伝え、交通枝は交感神経幹の神経節に入る。一部の前枝は神経叢を作って異なる高さからの線維を交換し、さまざまな高さからの線維を含んだ神経になって末梢へ向かう。この型の神経叢は人体に4箇所あり、C1~C4の前枝は頚神経叢、C5~Th1の前枝は腕神経叢、L1~L4の前枝は腰神経叢、L4~S3の前枝は仙骨神経叢を作る。頚神経叢と腕神経叢は鎖骨付近で一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて頚腕神経叢とも呼ばれる。腰神経叢と仙骨神経叢は一部の根を共有していて関係が深いので、まとめて腰仙骨神経叢とも呼ばれる。

神経叢にかかわらない脊髄神経はおおむね一様な分布を示す。後枝は固有背筋の運動と背部の皮膚知覚を支配する。前枝は肋間神経として肋骨の間を走り、体壁の筋肉と皮膚知覚を支配する。前枝の支配域は背部まで及んでおり、後枝の支配域よりもかなり広い。