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参照。

血球の分化過程

2009-01-05 17:45:04 | 解剖生理学(免疫系)
図の上段が顆粒白血球で骨髄芽球(myeloblast)から3種の顆粒球が分化する。
前骨髄球(promyelocy te )は細胞質中に顆粒が出現した状態。骨髄球(myelocyte )は、各細胞質に特異な顆粒が出現し始め、細胞核クロマチンが粗くなり始めた状態。
後骨髄球(metamyelocyte )の細胞質は各顆粒球ごとに特異な顆粒を含む細胞質となり、細胞核に凹みが見られた状態。
桿状核球( stabcell )の細胞核は棒状の核となる。好中球
( neutrophile )や好酸球(eosinophile )、好塩基球( basophile )は多核細胞となり、桿状核球とあわせて末梢血中に出現する。中段はリンパ球でリンパ芽球( lymphoblast )から分化する。末梢血で見られるリンパ球の多くはT リンパ球である。下段が赤血球(erythrocyte)の分化成熟過程である。

血球の分化と成熟
1 白血球は大きく分けて顆粒球とリンパ球がある。その他に少数だが単球と呼ば
れる細胞がある。これらの細胞の元は中胚葉発生で骨髄幹細胞から分化する。
1) 顆粒球の分化成熟
顆粒球は幹細胞から骨髄芽球になり、好中球や好酸球、好塩基球に分化する。
正常抹消血で見られる細胞は成熟した多核の細胞で好中球は桿状核から2-3核、好酸球は通常2核で見ることができる(分節球)。したがって、抹消血で見られる細胞より若い骨髄芽球や骨髄球などを幼弱細胞と呼び、通常は抹消血で見ることはできない。
急性骨髄性白血病では抹消血中に病的な骨髄芽球が異常に増える。慢性骨髄性
白血病では骨髄芽球から分節球までの種々の段階の顆粒球が抹消血中に出現する。
顆粒球は骨髄で発生し骨髄で分化成熟する。好中球は急性の炎症で出現し、好酸
球は寄生虫やアレルギーで多く出現する。これらの働きは次の通り。
(1)好中球 遊走性があり、炎症機転で血管から血管外(組織中)に遊走して、細菌などを貪食する。食細胞としての機能はマクロファージの方が強く、好中球
は細菌を食べて死滅する。これが膿となる。
(2)好酸球 好酸球も弱い食細胞としての機能があるが、それ以上に細胞からケミカルメディエーターと呼ばれる種々の作用の強い物質を分泌放出させる。好酸性の顆粒から放出される物質は寄生虫を攻撃し、さらに炎症状態を強め他の細胞を呼び寄せる因子を放出する。放出成分には組織障害性もあるので周辺の細胞は障害を受けることがある。
(3)好塩基球 この細胞は血液中からでて塩基性の顆粒を放出する。この物質はヒスタミンに代表されるように、炎症反応を強め、血管の内皮の結合を緩め、血液中の細胞を呼び寄せる。組織中にとどまったものが肥満細胞と呼ばれる。肥満細胞は硫酸基成分のヘパリンを分泌し、炎症での好中球や他の細胞が活発に活動できる環境をつくる。
2) リンパ球の分化成熟
リンパ球も幹細胞から分化した細胞である。リンパ球は分化する過程で2種類に分けられる。骨髄で発生し胸腺で成熟するT細胞と、骨髄で発生し骨髄で分化成熟するB細胞で、各リンパ組織に定着する。B細胞はこの二次リンパ組織と呼ばれる扁桃やリンパ節などで抗原刺激を受けて分裂増加する。T細胞は非自己抗原を認識する細胞として教育され、全身の監視役細胞(細胞性免疫のはたらき)となる。B細胞はさらに分化して抗体を専門に産生する形質細胞になる。(液性免疫)
2 赤血球の分化は葉酸やVB12、内因子、エリスロポエチンなど造血因子によって調節される。


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