アロマテラピー学習ブログ

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参照。

リンパ液循環

2009-01-29 22:10:29 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
リンパ液循環は盲管(一端が閉じている)で始まる。これは表面の透過性が高い毛細リンパ管で、組織液の圧力が十分に高いとき液が互いの間を通過できるようにボタンのようなつなぎ目をもった内皮細胞から作られている。これらボタンのようなつなぎ目は血小板内皮細胞接着分子-1(PECAM-1)のようなタンパク質フィラメントからなる。ここに配備されているバルブ系は、吸収したリンパ液が組織液のほうに漏液しないようにする。管の内腔に沿ってリンパ液が逆行しないようにする半月弁の系がもう一つある。毛細リンパ管は互いの間を接合するものを多数もっており繊細なネットワークを形作っている。


運動の際に起こる、管壁のリズムをもった収縮も、液がもっと小さなリンパ管、つまり毛細管に引き込まれるのを助けるようだ。組織液が組織に腫れをもたらす場合、浮腫と呼ばれる。体に張り巡らされた循環経路の系がつながって行くうち、液は次第に大きなリンパ管へと運ばれ、最後に右リンパ本幹(体の上半身のリンパ液に対して)および胸管(体の残りの部分のリンパ液に対して)に達する。両管とも右および左鎖骨下静脈で循環系に液を運び込む。この系はリンパ節の白血球と協同し、体を、がん、カビ、ウイルス、細菌の感染から防いで守る。この系は二次循環系として知られている。

毛細リンパ管はリンパ液をより太い収縮性のリンパ管に移す。このリンパ管は弁も平滑筋ももっている。これらは集合リンパ管と言われる。集合リンパ管がより多くの毛細リンパ管から、割り当てられた役目であるリンパ液収集を行ううち、これらはもっと太くなる。そしてリンパ節に入っていくので輸入リンパ管と呼ばれる。ここでリンパ液はリンパ節組織で濾過され輸出リンパ管に送り込まれる。輸出リンパ管は(右リンパ本幹あるいは胸管)のようなリンパ管に直接つながるものがあるし、輸入リンパ管として、他のリンパ節につながるものもある。右リンパ本幹、胸管は鎖骨下静脈に流入してリンパ液を血流に戻す。

軸索反射

2009-01-29 07:48:20 | 解剖生理学(脳神経系)
ツボにある枝分かれした感覚神経同士に刺激が伝わり、さらに、その神経から枝分かれしている神経にも刺激が伝わっていくこと。ただし、この刺激は脊髄や脳までは伝わらない。

 軸索反射により、神経ペプチドが放出され、皮膚発赤(血管拡張、血流増加)、平滑筋収縮(気管支収縮、気道収縮)、粘膜浮腫(血管透過性亢進による血漿蛋白漏出)、粘液分泌亢進が、起こる。

軸索反射とは、末梢神経が刺激された時に、中枢神経を介さないで刺激された神経の側枝内でインパルスが反射性に伝導し、諸反応を起こす反射反応。
■発汗
■立毛
■紅潮

脊髄反射

2009-01-29 07:34:17 | 解剖生理学(脳神経系)
脊髄が中枢となって起こる、最も単純な反射の総称。例えば膝蓋腱(しつがいけん)反射、アキレス腱反射、発汗反射など。

 たとえば、熱いものに手や足が触れるとそれを意識する前に手足を熱い物から遠ざけるような動きをする。このように何らかの刺激によって受容器が興奮し、 その興奮が、それを感じたり意識したりすることがなく効果器(筋肉)に至る現象を反射(Reflex)という。この反射の情報を処理する場所を反射中枢(Reflex center)といい、また反射の起こる経路を反射弓(Reflex arc)という。 反射には
(1)単シナプス反射(Monosynaptic reflex):反射弓が2個のニューロン(1つのシナプス)で構成されているもの
(2)多シナプス反射(Polysynaptics reflex):反射弓が2個以上のシナプスで構成されているもの 
 がある。

脊髄反射の分類
(1)伸張反射(Stretch reflex): 伸張反射は唯一の単シナプス反射で筋伸展による刺激が脊髄内の運動ニューロンに達して筋肉の収縮を起こす。 伸張反射の例として膝蓋腱反射があげられる。大腿四頭筋の腱をたたくと腱にひっぱられて筋が伸張し、筋肉内の伸張受容器である筋紡錘が興奮する。この興奮によって生じたシグナルがIa神経線維を通って後根から脊髄へ入る。さらに脊髄の前角内で運動ニューロンとシナプス結合を介して信号が伝達され、この運動刺激が大腿四頭筋を刺激して収縮させる(下肢が動く)。

(2)屈曲反射(Flexion reflex): 四肢の皮膚を刺激すると屈筋がすばやく収縮して刺激から四肢を遠ざけようとする。これを屈曲反射という。この反射は危険から身を守るとための防衛反射である。
 強い刺激をうけると同側の肢の屈曲だけではなく、反対側の肢の伸展が起こる。これを交叉性伸展反射(Crossed extension reflex)と呼ぶ。
 屈曲反射は多くのシナプスを介した多シナプス反射である。

再生不良性貧血

2009-01-29 07:18:56 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
【病態】  再生不良性貧血は、骨髄中の造血幹細胞の減少により造血能力が低下し、末梢血中の全ての血球が不足する疾患である。血球が不足する結果、貧血症状や感染による発熱、出血などが起こる。原因には、先天性と後天性の両方がある。

【症状】  再生不良性貧血では、初期の段階では自覚症状はほとんどなく、ある程度病状が進行してくると息切れや動悸、眩暈、出血傾向、顔面蒼白、皮下出血、眼底出血などの症状が現れる。

 再生不良性貧血の重症度は、顆粒球や血小板、網赤血球の数により、軽症、中東賞、重症の三段階に分類されている。軽症や中等症では自然治癒もある。重症の場合、造血能回復治療などで90%以上の患者は回復するが予後不良の場合もある。


【統計】  現在、日本における再生不良性貧血の患者数は約5000人と推定され、特定疾患に指定されている。

出血性貧血

2009-01-29 07:16:17 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
【病態】  出血性貧血は、急性あるいは慢性の出血により血液が失われ、これに対して骨髄での赤血球の産生が追いつかない場合に生じる貧血である。

 大怪我や喀血、吐血、下血などで大量出血すると急性貧血になるが、全血量の1/3が失われると「ショック症状」が起こる。

 また、胃や十二指腸潰瘍、胃・大腸癌、潰瘍性大腸炎などで少量ながら継続的な出血があると慢性出血性貧血となる。貧血の中では鉄欠乏症貧血が最も多く、出血性貧血がそれに次いで多く見られる。特に、女性では、毎月の月経や出産時の出血でも出血性貧血の症状がでてくる。

【症状】  貧血が起こると、赤血球による酸素運搬能力が低下するので、これを代償するために動悸や息切れの症状が出る。更に、全身倦怠感や食欲不振にもなる。

 症状が進行すると、爪が反り返るようになったり、物を飲み込めなくなる嚥下障害が出ることもある。

溶血性貧血

2009-01-29 06:54:09 | 解剖生理学(循環器・血管・血液系)
溶血性貧血は赤血球寿命の異常な短縮に起因する、貧血症状を中心とした諸症状をきたす病態の総称で、貧血・黄疸・脾腫の3大主徴を特徴とする貧血と定義される。しかし、貧血のタイプや重症度により臨床像は幅広い変動を示し、基礎疾患がある場合はそれらによる症状・所見が加わり複雑になる。病因的には先天性と後天性に分けられる。前者は赤血球自体の異常によることが多く、そのほとんどが赤血球膜異常によるものである。後者は、赤血球以外(血漿中など)に病因があることが多いといわれている。

どんな病気か
 ヒトの赤血球には約120日の寿命があり、この寿命が異常に短縮した状態を、溶血と呼ぶ。赤血球の寿命が短くなっても、ヒトの骨髄(こつずい)では普通の状態の6~8倍、赤血球を作る能力があるため、その程度が軽い場合には貧血は起こらない。赤血球の寿命が15~20日より短くなって、初めて貧血が起こる。
 溶血性貧血は、先天性のものと後天性のものとに分けられる。先天性では、赤血球そのものの異常が溶血の原因だが、後天性の溶血性貧血は、発作性夜間血色素尿症(ほっさせいやかんけっしきそにょうしょう)などの一部を除いて、赤血球に対する抗体や、血管壁の異常などの赤血球以外の異常によって起こる。
 下図は溶血性貧血の分類を示している。先天性では遺伝性球状赤血球症が、後天性では自己免疫性(じこめんせきせい)溶血性貧血が、それぞれの過半数を占めている。溶血が起こる場所には、血管のなかと、脾臓(ひぞう)をはじめとする網内系(もうないけい)組織との2種類がある。


原因は何か
 最も頻度の高い自己免疫性溶血性貧血では、赤血球を壊す自己抗体が体のなかにつくられてしまうことが原因である。ウイルス感染や、薬剤の使用に引き続いて起こることもあるが、ほとんどの例で誘因は不明である。全身性エリテマトーデスのような膠原病(こうげんびょう)や悪性リンパ腫を合併している例もある。
 また、血管壁の病的な変化や、外部からの物理的な力によって赤血球が壊されて起こるタイプの溶血性貧血(赤血球破砕(せっけっきゅうはさい)症候群)もある。
 先天性の溶血性貧血では、遺伝子の異常のために赤血球の膜をつくっている蛋白や酵素に異常があるため、赤血球が壊れやすくなっている。


症状の現れ方
 溶血性貧血では、動悸(どうき)・息切れ・疲れやすさなどの通常の貧血症状に加えて、黄疸(おうだん)がみられることが特徴。これは、壊れた赤血球内のヘモグロビンが体内で大量に処理された結果、間接ビリルビンという黄色の色素が体内で増えるためである。同時にこのビリルビンは尿中にも排泄されるため、尿の色が濃くなったり、血管内溶血の場合には赤色やコーラ色の尿が出たりすることもある。溶血が慢性化すると、このビリルビンが胆嚢(たんのう)にたまるため、結石ができやすくなる。
 伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)(りんご病)の原因ウイルスであるパルボウイルスB19が溶血性貧血の患者さんに感染すると、急速に貧血が進行することがある。
 溶血性尿毒素(ようけつせいにょうどくそ)症候群や血栓性血小板減少性紫斑病(けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)などの赤血球破砕症候群では、貧血症状に加えて発熱、腎障害、意識障害などがみられる。