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参照。

妊娠までのプロセス

2009-01-26 15:43:13 | 解剖生理学(身体の発生)
排卵、受精、着床がスムーズに進行しなくては妊娠できない。
妊娠は簡単のように見えて実はそこには複雑なメカニズムが存在する。

    ①排卵が起こる
生命の誕生は、精子と卵子の運命的な出合から始まる。無事、精子と卵子が出合い受精に成功して、受精卵が子宮内膜にしっかり着床したとき、始めて妊娠が成立する。
妊娠の成立には、受精と着床が不可欠である。月経のころになると、視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される。
分泌されたGnRHは下垂体に作用して、下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、卵巣内にある5~6個の発育卵胞が成熟し始める。
これらの卵胞は、血液中にエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌し、これによってFSHの分泌はストップする。このとき、発育卵胞の中から、たった1個の卵胞が選ばれ(主席卵胞の選別)、他の卵胞は発育が止まってしまう。選ばれた卵胞はその後も発育を続け、この卵胞から分泌されるエストロゲンがピークに達したとき、下垂体から排卵を促すLH(黄体ホルモン)が多量に放出される(LHサージ)。
その刺激によって卵胞をおおっていた膜が破れ、卵子が飛び出し、排卵となる。

    ②子宮内膜の準備が始まる
排卵が起こると、卵巣に残された卵胞の組織黄体になり、プロゲステロンが分泌されるようになる。このプロゲステロンはエストロゲンと強力をして、子宮内膜を厚くやわらかくし、受精卵が着床できるように準備を始める。
妊娠成立後、黄体は妊娠黄体となり、妊娠8~10週ごろまで機能するが、妊娠しなかった場合は月経黄体となり退縮し、プロゲステロンも低下して子宮内膜がはがれ、月経になる。

    ③卵子は卵管で精子を待ち、精子は自力でたどりつく
卵巣から排出された卵子は、卵管采から卵管膨大部へとゆっくり運ばる。ここで精子の到着を待つ。
一方の精子は、1回の射精で1~3億個排出されるが、膣内が強い酸性になってるため、半分ぐらいはすぐ死んでしまう。
それをなんとかクリアした精子は、しっぽのよな尾部を動かして自力で子宮内へと泳いでいく。その間にも弱まった精子はどんどん脱落し、数が減っていく。
ようやく子宮にのぼりつめた元気な精子も、半分は卵子のいない卵管に行ってしまい、卵子に無事たどりつくのわずか60~100個程度である。精子がここまで来るのに、だいたい数時間~十数時間かかる。

    ④精子と卵子の結合で受精
卵管で卵子と出合った精子は一斉に卵子に取り囲み、頭部から酸素を出して卵子の外膜(透明帯)を溶かし始める。このとき、卵子の大きさは0.1mm程度である。
1個の精子がなんとかこの膜を突破して侵入すると、瞬時に卵子の周りにたんぱく質からなる透明帯でバリアがつくられ、他の精子は侵入できなくなる。
結局、卵子と結合できるのは、何億個の精子のうちたった1個。つまり、精子が受精できる確率は数億分に1である。
卵子の受精能力は排卵後約24時間、精子は射精後48~72時間。

    ⑤受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮へ
受精したからもう安心といわけにもいかない。まだ、着床するという大仕事が残っている。
受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管から子宮へと向かう。
受精後24時間で2個、40時間で4個とどんどん細胞分裂を繰り返し、細胞数が増えていく。
これが卵分割である。3日で16個の細胞になり、桑の実のような形をした桑実胚になる。
受精卵の周りにはられた透明帯は、胚がバラバラになるのを防いでくれる。
受精後4~5日たっと、桑実胚はやっと子宮内に到達する。受精卵は自分で動けないので、卵管の繊毛運動と蠕動運動によって運ばれる。
子宮にたどりついた桑実胚は胞胚腔を形成し、大きな胞胚をつくる。

    ⑥子宮内膜に着床し、妊娠が成立
受精卵は大きな胞胚になり、排卵がおこったときから、子宮内膜は胞胚を確実に受け止めるために、着々と準備を整えている。もうベットはやわらかくてふかふかでである。
受精後は、6日目ぐらいになると透明帯が破れ、胞胚は子宮内膜に接触し、いよいよ着床開始。栄養膜細胞が酸素を出して子宮内膜をとかしながら、胞胚は中にもぐりこんでいく。
受精後12日目ぐらいには、すっかり埋もれてしまい、着床が完了する。
卵管、子宮とただよっていた不安定な状態から抜け出し、やっと母体に根をおろしたわけである。
受精してから着床するまでには、このようなプロセスがあり、2週間近くかかる。無事着床すれば妊娠が成立である。


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