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春が来た

世界最強の軍団 「アメリカ海兵隊」

2011年10月25日 | 戦争
ダークグリーンの機体に合衆国大統領の紋章をマーキングした大型ヘリコプターが、ホワイトハウスの庭先に着地すると前部のドアが外側に開いてタラップとなり、降り立ったオバマ大統領が待ち構えた報道陣に手を振りながら立ち去る。 テレビに映るお馴染みの光景だが、このとき「ブルードレス」と呼ばれる制服・制帽で起立し、真っ先に敬礼するのが「アメリカ海兵隊」の兵士。 大統領が乗った瞬間から「マリーンワン Marine One」のコールサインが使われる要人輸送ヘリの運行を担うのが、アメリカ海兵隊航空基地に所属する、「HMX-1]なるチーム。 大統領専用機は「シコルスキーVHー3Dシーキング」で衛星電話・ホワイトハウス直通電話などが装備され、武装兵士を乗せたもう1機が必ず護衛に当たる。

略称:USMC,通称:Marinesで呼ばれるアメリカ合衆国の海兵隊は、沿岸警備隊を含んだ「アメリカ軍」を構成する5軍の中で2番目に小さく、各軍のトップを「統合参謀本部」の構成員として送り込んでいる4軍の中で最も小さい組織。 2007年11月の時点で18万6300人の現役将兵と4万人の予備役を擁する。 海外での武力行使を前提とした緊急展開部隊として行動し、水陸両用作戦(上陸戦)などの軍事作戦遂行を目的とする。 本土防衛が任務に含まれない外国専門部隊であることから、「殴りこみ部隊」とも渾名(あだな)され、最も危険な任務に最も早く派遣されることで知られる。

サウスカロライナ州のパリス・アイランドに有る海兵隊訓練キャンプ。 ここで新兵を待ち受ける訓練は4軍の中で最も長期にわたり、その過酷な内容は1984年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の映画 「フルメタル・ジャケット」で詳しく描かれているが、個人を徹底的に否定し、組織の一員として命令に対する即座の服従を叩き込まれる。 ついて来れない者は容赦なく民間社会に投げ戻され、苛烈な訓練を乗り越えた者のみが「海兵」と名乗ることを許される。 海兵隊出身の有名人としては、ジョン・グレン(宇宙飛行士、上院議員)、ジョージ・シュワルツ(国務長官、財務長官)、スティーブ・マックイーン(俳優)、マイク・マンスフィールド(政治家、駐日大使)、ロバート・ミューラー三世(FBI長官)・・・・・など。 

第2次世界大戦で屈指の最激戦地の一つとして知られるのが「硫黄島の戦い」。 日本軍の守備兵2万933名のうち実に96%、2万129名が戦死または行方不明となった。 一方アメリカ軍の戦死6821名,戦傷2万1865名,計2万8686名の実数は、日本軍守備隊を上回る稀有な戦いで、ノルマンディー上陸作戦の戦死傷者数をも上回った。 ちなみにこの戦いの敵前強行上陸で戦死した海兵隊兵士501名は、1日の戦闘で生じた死亡者数として海兵隊創設以来最大で、後に1945年2月19日は、「アメリカ海兵隊記念日」に制定された。

2月23日10時15分、海兵隊第5海兵師団はついに硫黄島・擂鉢山山頂に到達し、星条旗を掲揚した。 この瞬間を捉えて3枚の写真を撮影したのがAP通信の写真家「ジョー・ローゼンタール」で、この写真(硫黄島の星条旗)は同年ピューリッツアー賞(写真部門)を受賞した。 アメリカ海兵隊は創立以来常にその存在意義が問われ続けていたが、硫黄島での戦いは水陸両用作戦のプロとしての存在を、広く世界に向けて認めさせた。 フォレスタル米海軍長官は、海兵隊の兵士数人がが星条旗を立てる光景を海岸から目撃し、こう語った 「これで海兵隊も500年は安泰だな!」。


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