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春が来た

「ワンコイン検診」と、新しい医療サービスへの考察

2011年02月05日 | 健康・病気
看護師の資格を持つ青年が、500円で血糖値、総コレステロール、中性脂肪など生活習慣病の血液検査を、駅ナカやショッピングセンター街など利便性の高い場所で提供するビジネスを立ち上げたニュースは、医療関係者に少なからず衝撃を与えたはず。 08年11月から2010年10月までの2年間で4万人が受診したと言う。 「検診を1年以上受けてない検診弱者は4000万人、そのうちワンコイン受診者はまだ0・1%、3年後に100万人を実現したい」 と青年は強気。 

昨年10月20日のブログにも書いたが、僕は4月に受けた健康診断で「脂質異常症」と指摘され、6ヶ月が過ぎたので市内の内科医院で受診した。 検査の結果コレステロール値が下がっていたため治療はせずに済んだが、これに要した費用が8700円(自己負担1割)で、結果がすぐに出ないため2回通院した。 1、価格革命、2、アクセス革命(予約なし、通勤通学買い物の合間に) 3、スピード革命(自己採決1分、結果が出るまで5分) 4、情報革命(結果を携帯サイトで確認可能、データー永久保存)。 ワンコイン検診の謳い文句にインパクトを感ずるのは僕だけであるまい。

ワンコイン検診のヒントは、創業者の社長、川添高志氏が大学生のとき米国研修に行った際、SCやドラッグストアーなどに設置されていた 「リテール・クリニック」。 近年アメリカでは高額な医療費負担や、4500万人(人口比率15・3%)を超える無保険者が社会問題化していたが、オバマ政権下で医療制度改革が実現した。 こうした医療環境のもと、ここ数年新たな医療サービスとして急成長しているのが、「コンビニエント・ケア・クリニック:CCCs」

「CCCs」 とは医師ではなく、上級看護師「ナース・プラクティショナー」(NP)や「フィジシャン・アシスタント」(PA)と呼ばれる医療従事者が、限定された軽疾患の患者に対し、事前予約なしで診療、治療、投薬を行う 「外来診療機関」。 これらは薬局やスーパーマーケット、ショッピングモールの中に開設されており、「リテール・クリニック」や「インストア・クリニック」と呼ばれている。 夜間や週末診療を行っているケースが多く、「プライマリ・ケア医」不足の解消や、緊急外来における医療費削減の切り札として期待されている。

また一般の病院や診療所と比べて安価であるうえ、個々の診療項目が固定料金で明示されていることから、患者が気軽に立ち寄れるし、最近では民間医療保険に加えて、公的医療保険メディケアの対象となるケースも出てきて、ますます身近な存在になっている。 CCCs最大の特徴は医療従事者が医師でなくNPもしくはPAである点。 日米の医療システムの相違は大きく、アメリカの事業モデルをそのまま導入することは難しいだろうが、これからますますプレッシャーの強まる「医療費抑制」の環境下、新しい医療サービスの出現が待たれる。


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