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春が来た

「5つの癌」 を生き抜いた男の最後

2011年09月25日 | 健康・病気
「4つの癌を生き抜いた男」 として昨年3月31日に僕のブログで紹介した高校時代の同級生「A君」が、残暑の続く9月15日の早朝、壮絶な闘いの末ついに亡くなった 享年73歳。 癌は定期健診による早期発見や医療技術の進歩、抗がん剤の進化などにより、「治る病気」となり、仮に進行性の癌であっても延命期間が飛躍的に延びてきている。 しかし癌には「転移と再発」という宿命が常に付きまとい、「癌に根治はあり得ない」 という意見もまた、A君を例にとれば間違いとは言えない。 彼がどんな病歴と経緯を辿ったのか、僕の考察を交えながら参考にして頂ければ幸い。

1)、「胃がん」 1978年40歳。 原発の「胃がん」で手術、早期発見により根治したと考えていい。 2)、「胆嚢がん」 1994年56歳。 手術にて摘出、これも転移ではなく原発の癌で、転移再発はしてない。 この年「脳梗塞」になるも早期治療で後遺症なし、さらに4年後60歳で心筋梗塞発病するも、早期治療で一命を取り止める。) 3)、「癌化した大腸ポリープ」 2005年67歳。 内視鏡手術で切除。 4)、「肝臓がん」 2005年67歳。 大腸がんがポリープが初期段階だったことで軽く考えていたようだが、2ヵ月後に肝臓に転移、癌のサイズは1・5cmで、冠動脈塞栓療法を選択。 5)肺がん 2011年73歳。 肝臓がんからの典型的な転移、手術・切除。

こうして列挙してみると本人が言う通り、まさに「癌の総合商社」。 そして加齢による免疫力の低下もあってか67歳から死去までの6年間は、休む間もない厳しい闘病生活だった。 最終的な死因は持病の心筋梗塞だったが、最後まで執拗に苦しめられたのは、肝臓がん。 この癌は悪性新生物による死亡率第4位(年間3万5000人)、早期で発見されても年率15~20%の再発を繰り返す癌。 A君の場合も2006年~9年までマーカーの数値を見ながら、計6回の冠動脈塞栓療法を受けてきたが、周囲に複数の転移が認められ、肝転移療法として限られた選択伎の中から、「陽子線治療」に絞り込む。

陽子線の特徴は体内の奥深くまで到達し病巣に照射できるので、X線やガンマ線より効果的な治療が可能。 厚労省から「先進医療」として認可されているが保険の適用外、つまり自己負担で費用はおよそ300万、「地獄の沙汰も金次第」を連想させる高額医療。 治療は1日1回、週5回、で計20回、1回の治療時間はおよそ15分で痛くも痒くもなく、体への負担もほとんど無い。 照射終了4ヶ月後の2010年3月のマーカーは、ほぼ正常値近くまで下がり当人は大変喜んでいたが、1年後には早くも3つの癌が再発。 病院側から半額(1個当たり)の費用で再度の照射治療を勧められたがこれを断り、免疫療法や温熱療法を受けていたが、再発した癌の進行は早かった。

最終的に当人がこれまで強く拒否してきた抗がん剤治療を始め、それからは治療の度に目に見えて衰弱、これまで常に強気で前向きだった彼が弱音を吐くようになる。 副作用に耐えられなくなった時点でやむなく治療を中止したが、結果的に寿命を縮め余計な苦痛をさせたように思えてならない。 末期状態での抗がん剤使用は、例え患者からの要望があっても、主治医はよく説明し止めさせるべきではないか?。 またA君は西洋医学にのみ傾倒する傾向が強かったが、僕の経験からも、最初の癌を発症した早い段階かから、日常生活の中で「自然治癒力」を高める努力も必要だったように感じた。  それにしてもこの秋に予定されてる同級会に、一緒に行きたかった・・・・。    


















   







 


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