ことばで遊んでます

yuri
に、改名しました。
詩や短歌をかいています。
内容は、フィクションだとおもってください^^

~今日一番美しかった話~

2013-03-29 16:35:53 | 2007・4~2009・3に、かきました
葉先を白く燃やしていた
もみじの幼葉のその薄緑に
まだ遠いはずの空の緋色が
揺れはじめた


(美しい
(ねっ
(けど
(もう
(夕食支度してる
(時刻
(だぁ~


わたしは
友と別れて
ホテルの玄関へと
(小)走りました
その
背に
勢いのようなもの
走り越した
少年

風圧、


に、巻きこまれて
おばあさん
倒れました
芯を抜くと瞬間で崩れてしまう
ビーズドールの
ように


 **


ハラリ

駆け寄りました
幾つも
幾つもの心
ハラリ

駆け寄ってました
その


集団

オートドアの向こうから
遠い汽笛の大きさで
押しよせた
おじいさんの
視線




 **


一瞬、
火照りました
たぶん
白金
全域


そして、
すこし
ながい
時間
かけて
おじいさん
おばあさんの
手を取って
タクシーにのって
おじいさん
無敵艦隊長
みたいに
手を振って
おばあさん
紋章の百合
のように
会釈して
もう、
わたしたちになっていた
わたしたち、
手を振ったり
会釈したり

それは、
もう
ハラリ

駆け寄った
幾つもの
心の
シンフォニー


 **


で、
わたし、
かかえきれないほどの優しい綺羅綺羅
きらきらきらきら
零しながら
近道して
帰りました


煙りはじめた空の薄墨色にくるまって
ねむったように耳垂らしてる
もみじの幼葉に
秋になったら紅葉するのよ
とても美しく

そっと
ささやい


(大)
走りで
きらきらきらきら
帰りました













(写真は「季節の花300」さんから、おかりしました。いつもありがとうございます)