ひねもす のたりのたり かな

映画やら舞台やら日常やらお仕事やら

「座頭市」の初日を観てきました

2007年12月04日 18時50分37秒 | 観劇
社会復帰第一弾の観劇が、友達のS子の取ってくれたサダヲかぶりつき席の「座頭市」でした。

何ともびみょーーーな劇だったなぁ。
初日だったので、みんな台詞カミカミなのはもう仕方ないんですよねっ!
席が良すぎたのもあるかもしれないんだけど、見えない部分が多過ぎでした。かなり役者の尻とか脛越しに、劇を覗き見していましたよ。
コマ劇場って、観客席に半円が飛び出ているので、脇の席だったから、真ん中でやっている劇が群集の向こうだったから、もう埋没しちゃって大変。
しかもアングルが決まってるっぽい感じで、アングル外の私たちの席は、見難いったらありゃしない。
場面の転換も多いので、集中できない。あんなに集中できない劇は久しぶり。脚本が悪いのかなぁ、何だか台詞も説明しすぎ。

私たち、劇を見る人間には想像力ってのがあるんだぞっ。

ただの箱だって、役者が机に見立てれば机に見えるし、墓に見立てれば墓に見える。セットばたばた動かして、いちいちあっちこちに配置しなくても、別に良いのに。
余計な事が多すぎる気がする。
もう三池さんは、映画だけ作っていなさいっ!映画の世界観とか、映像は好きなのになぁ、アングル外の席に座った私たちが悪いんでしょうか……。三池さん、劇場で演出家の目じゃなくて、観客として見たのかなぁ。お稽古場でしか見て無かったんじゃないのかな。君にはコマ劇場は早すぎる。これはコクーンとかサンシャインとか、スクエアな脇の席の無い劇場でやった方が良いよ。やるならせめて、マツケンさんの暴れん坊将軍とか、コマ劇場常連演劇を見て、どう演出しているのか見てからにして欲しかった。

そして……翔兄ぃは大好きだが、「あえいうえおあおー」を1000回ぐらいやってから舞台に立って欲しかった。
山場の台詞が、全く何を言っているのか分かりませんっ!サダヲのつぶやくような台詞の方が、よっぽど染み通っていました。
サダヲと長門さんばっかりが、演技が練れていて目立っていた。
長門裕之……あのクソジジイっ!どうなのよ、あの演技はっ!あんなよごよごっぽく見えるのに、もう目が行くったら無い。熟練の演技って、ああゆうの言うんだろうなぁ。凄い上手かった。長門さんの台詞の後だと、翔兄ぃの台詞が軽く聞こえてしょうがないの。長門裕之と津川雅彦兄弟に、私は昔からやられっぱなしです。凄いいやらしいオヤジっぷりから、これまたとんでもないクソジジイになりやがってっ!もーーうっ!たまらないわよっ!カーテンコールでぴょこんぴょこん飛び跳ねてる姿なんて、小脇に抱えて持ち帰りたい衝動に駆られましたわ。
サダヲも、可愛らしかった。劇中でひょいって小脇に抱えられていたんだけど、私も小脇に抱えて持ってみたーーい。脇の席だったから、正面の顔よりも尻ばっかり見えていたので、尻堪能しました。脛も、堪能しました。ごちそうさまでしたっ!
遠藤さんも、ごちそうさまでした。あなたの低い声が、とってもステキでした。みんな声高かったんだもん。すらりと高いそのお姿は、舞台下から見上げると首が痛くなりそうなぐらいに高かったけど、てらてらした涎まで見えて楽しみました。市と竜のシーンでは、あなたが確実に兄ぃを引っ張っていました。
麻路さんは……あの、その声が地声なんでしょうか?女の声は無いんでしょうか?男役さんの声のような気がするんですが……。話の流れが、役者か女かという部分があったのですが、アテ書きだったのかなぁ。別に太夫は「女」でも良かったと思うのは、間違いなのかなぁ。「若衆の姿をした女」が、一座の太夫って事なのかなぁ。勉強不足で申し訳ないんだけど、恋しい人を想う女を、別に「若衆の姿をした女」にした意味が分からなかった。どうせなら男役をやっていた人だけに、「女」で見たかったなぁっと思います。ファン的には、これで良いのかもしれないけど。

個人的に、お茶屋のおいとちゃん?名前が良く分からなかったんだけど、可愛かったです。大嫌いだーって言う部分と、泣くとこが胸にきた。キレイゴトを言ってばかりで実践までできなくて、でも理想に近づこうとして実行したのに遅くって躓いて、わちゃくちゃになってしまった気持ちとか、どん底に来てから一歩を踏み出す少女の姿だったと、私にはそう理解できた。

巧い舞台役者と、上手い映像役者と、上手い映画監督と、上手い宝塚役者とを、集めすぎて不協和音になっちゃったと感じた舞台でした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿