また、映画王に行ってきました。
今度は
「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」を観に。
いやー、何と言うか気になるじゃないですかっ!「三池」「スキヤキ」「ウエスタン」「源平」「香川照之」「佐藤浩市」「堺雅人」このキーワード。どんなのよーっ!
もう、観る前からわくわく♪状態。
実は相方のO嬢が試写会当たったんだけど、映画王は「劇場」でやるので、そっちの方が音も環境も良いから、試写会を友達に譲って行って来ました。
急遽特別ゲストが決定して、何と映画前には主演の伊藤英明くん、映画後には桃井かおりさんがいらっしゃって、トークしてくれました。なーんてラッキー★
伊藤くん……足ながーーっ!少し高めの椅子に浅く腰掛けて、足が余ってるの。ほそーながー!そして、伊藤くんのおパンツはカルバンクラインですって。司会の佐々木恭子アナの質問に、ひょうひょうと応えてくれて、何が嘘で何が本当かまったく分からない。おもしろい奴だなぁ~。ワイドショーとかでも、トークを早く切り上げよう切り上げようとしていたみたいだったけど、今回もちょっとそんな感じでした。
桃井さんは、逆によく話す方で、色んな裏話を教えてくれました。0号試写で、桃井さんでさえ「うそーっ!○○なんて知らなかったわよぉ!」「ええーっ!○○だったのぉっ!」という事が多々あり、予測外の出来上がりだったそうだ。今回はワイヤーやトランポリン使ってのアクションもあったんだけど、ワイヤーは飛ぶ時(上がる時)は気持ち良いんだけど、降りる時がもの凄い怖かった。気分は飛び降り自殺……本気で落ちる感覚で、一番最初は泣くんだって。桃井さんは泣かなかったのでワイヤーの先生に「あいつは泣かないから大丈夫」と言われたそうだ。でも、怖いから本番まで何度も練習させて貰って慣れるようにした。トランポリンは「ふんふん、こうやってこう行くのね」と説明では分かるんだけど、実際にやると体が拒否する。もう思い切ってうりゃっ!ってやったら、むち打ちになった。それに腹立たしくて、アクションとか終わったんだけど体鍛えまくって、今は背中きれいよぉ~っと。本当に前向きな人ですわ。
桃井さんの最近の格言は、
「年を取ったヘビほど美しい」だそうです。ヘビは年を取るほどに色合いを増し、シワも(?)増えて、高価になるから。うむうむ、深い格言だ。
二人のトークの他に、三池監督のビデオメッセージがあったりと、かなり盛り沢山。
やっぱり、映画王はおいしい企画だよなぁ。
さて、内容は……一言で、やっぱり面白いっ!
石橋蓮司大好きだし、松重豊さんも大好きだし、伊勢谷友介くんも、安藤政信くんも、木村佳乃さんも桃井かおりさんも大好きなので、本当に楽しく見れた。
世界観もぶっとんでて面白かったし、色合いも面白い。源氏の白の凄烈さ、平家の赤の暑苦しさも良かった。
なによりかっこいいっ!不様でも、えぐくても、どろどろでも、破天荒でも、かっこいいっ!役者も、とにかくかっこいいっ!
銃さばきが、キレイでね、流れるようなの。日本人って、本当にこう…様式美というか、流れるような動作にしちゃうのが上手いよなぁ。剣舞の美しさに通じる、銃さばきの美しさだった。
三池監督の特徴なのかなぁ、美と醜が綾になっているの。美しいだけにせず、醜いだけにせず。音も切れるような音も、粘るような音もある。粘着質な音って、あんまり聞かないじゃないですか。あっちこっちで、ねちょ、べちょ、ぐちょ、ぐりゅ、べちゃ、くちゃ、ずちゃ、くちゃ、びちゃって音がする。
あと、ストーリーの流れで、最初はどかどか笑わせて、後はもうぎゅーっと引き締めて泣かせるってパターンがあるけど、そうじゃないの。そこで笑わせるのかいっ!ってとこで笑わせるのだ。人が死ぬとこで、笑わせないで下さいよぉ。
ヘンリーで、どんだけ笑わせられたか……。
最後の最後に、変なオチ持って来るし。タイトルロール直前に「何ですとっ!○○が△△なのかよっ!」って……びっくりしちゃったよ。
とにかく、最後まで面白いし、かっこいい。
映画では全員が英語しゃべってる(…一人変な人がちょろっと日本語しゃべっていたなぁ…変な人が)けど、これを本人が日本語吹替えをした「吹替え版」もあるらしいが、そっちも観てみたいなぁ。公開したら、そっちを観に行こうかな。あっ、タランティーノの吹替えは監督がやったらしい。
役者はみんな良かったなぁ。
蓮司は、もう見てて可愛いはズルイはだったし、タカさんはもう……最後に義経をあれだけ慌てさせた人はいないって演技っぷり。
松重さんの最後にはきゅんきゅんさせられた。
香川さんの怪演っぷりもすざまじい。
伊勢谷くんは、とにかく美の追求者だった。とにかくキレイなんだよ、この人。汗もかかないんじゃないのか?某所以外は、凛とした佇まいを崩さなかったし。
それと対極にあるのが佐藤浩市で、とにかくずるい汚いせこいバカで、しぶといったらありゃしない。ガントリング砲腰だめにして打つなんて、素敵過ぎる。
このむさ苦しくも暑苦しい佐藤浩市率いる平家一団の中で、清楚に咲く一輪の野の花のような堺さん。「……可憐だ…」なんて、呟いてしまいたくなった。だって、可愛いんだよぉ、本当に。どうしてあなたがそっち(平家)にいるんですかっ!というぐらいに、一人場違いな佇み方。なんなんだろうなあ、アレは。この気持ちを、萌えって言うんじゃないのだろうか。
安藤くん……どうしてそんな人に……。五年ぐらい前の安藤くんは純粋で青くて可愛い役を演じていたのに、この変わりよう。粘着質な音が似合わなかったのに、今回はぴったりで……ねっとり…いやねっちゃりしていて、それも良かった。幅かいつのまにか広がっていたんだねぇ。
伊藤くんはなぁ、随時かっこよかった。アクもなくて、汚くも無くて、ニュートラルな感じで、でもアクションはかっこよくて。なんていうか……ある意味主人公って損だよねぇっと思った。周りが強烈過ぎると、どうしたって主人公がクッション役になっちゃうんだろうな。
女性二人は、本当に良かった。好きだった。
木村佳乃さんは私の中では、今まであんまり色気とか感じる役者じゃ無かった。「おんな」の匂いの薄い役者だったんだけど、今回はとにかく「おんな」だった。目元や、首を傾げた角度、肩から背中のラインに色気が滴って、どこまでも女だった。踊るシーンがあったんだけど、酷くギリギリな感じがして、涙が出た。良かった、本当に最後の最後まで良かった。
桃井さんは、こうだろうなぁって部分はあったんだけど、そうだと思ってても凄かったなぁ。色っぽいのに潔い。それでいて、とても乙女な部分を隠し持っていた。
ラストは一挙一動がかっこよくてキレイだった。エロかっこいいって、こうゆうのが本物だと思った。……これで五十かよ……。
タランティーノ……完敗です。もう諸手挙げて降参します。「怪」の一字です。笑わせてもらいました。砂糖の甘さじゃなくて、白菜の甘さです。その通りです。トーフはシルクはダメです、その通りです。
慎吾は、楽しそうだったなぁ。思ったよりいっぱい出ていたし、最後のクレジットにはしっかり名前出ていたよ。私は願わくば……こうゆうテイストの映画に主演して欲しいです。ゲストじゃなくて、がっぷりとね。もう安藤くんの役でも、タカさんの役でも、香川さんの役でも良いです。見てみたいんだよなぁ……正義や正論と無縁の役を。オトナの事情で、無理なんだろうけどねぇ。
1800円で観ても惜しくは無い映画だけど、ローソンの前売りならDVD付きで1800円だ。私は是非もう一回観たいから、これ買ってDVDも楽しんで、吹替え版を観ます。