ひねもす のたりのたり かな

映画やら舞台やら日常やらお仕事やら

王の男の試写会に行きました

2006年11月30日 22時05分27秒 | 映画
行ったのは先週なんだけど、今更の感想

全体的に、普通に面白かった。
ちゃんと映画館で見ても良いかなって思った。

韓国の事、歴史の事、ちっとも知りません。
だから、燕山君(ヨンサングン)の事もまったく知りませんでした。
なので、ああ、こうゆう歴史の人物の見方もあるのね……って感想もありません。
それはちょっと勿体無かったかなぁ。
観た後に、「王の男」のサイトで見て、どうゆう評価をされていた人なのか知りました。
歴史を知っていたら、もっと面白かったのかなぁ。
でも、充分堪能しました。

何時も思うのですが、コピーってのは当たり外れあるなぁ。
それより奥は見てはならない
色々な国の長い歴史の中で、コピーにある「見てはならない」って秘密は、さほどショッキングな事ではなく、ある程度続いた専制君主制度の中ではありふれた事だと思った。
それよりも、サイトで見た本人のしでかした事の方がよっぽどショッキングな事だと思ったのだが、どうなんだろう?
この映画の見所は、そんなとこじゃ無かった。

王のお抱えまで上り詰めた芸人の話。
まあ、それに付随して、韓国ではタブーとそれているゲイの話。
私が見る前に、この映画について知っていたのはこの程度だった。
なので、ゲイの関係ったら権力者と非権力者?って思っていたのだが、丸々とひっくり返された。
作った人がそうゆう意図を持っていたのかもしれないが、あの二人にはそうゆう意識は無かったと思うのだ。
王がコンギルを1人呼び出して遊ぼうと言った時、そうゆう意味も含んでいたのだろうが、困惑しながらふと取り出した指人形で小さな芝居をした途端つるんとその顔から「欲」が抜けた。
さびしいだけの子供が、そこにいた。
母を求めて泣く子供と、それを哀れに思って慰める男。
泣いて縋る子の手を、どうして解けようか……そんな顔で始終王を見つめているのだ。
王を前にしたコンギル役のイ・ジュンギがね、菩薩のような顔をするんだもの。
この時、イ・ジュンギってもしかして少しだけ太っていた?お腹とか、頬のあたりがほんのりふっくらしていて、立ち姿が本当に菩薩のような感じだった。
この二人の間にあるのは、コンギルの慈愛。

コンギルの幼馴染というか、相方である主人公のチャンセンがそんな二人の事を疑って毎夜毎夜の呼び出しに、イライラした気持ちになる。
離れよう離れようと思っても、最終的にはどうしても離れられない。
こっちの感情の方が、恋という情愛だと思う。
それを、はっきりした言葉では語らずに、状況と感情だけで語っていたと思う。

元妓生だったノスクと王の間も、最後は母子みたいだったなぁ。
母親のスカートの中に隠れて泣く子と、本当にしょうがないわねぇって許す母。
暴君と呼ばれていた男は、幼い幼い恋愛しか出来ない子供だった。

ぎこちなく不器用な四人だったなぁ。
愛憎劇といったら、確かに愛憎劇だったが、激しくねっとりと薄暗いものではなく、どこか痛々しい愛憎劇だった。

それに大人の思惑やら、陰謀やら、達観やらが入り混じっていた。

最後もね、良い終わり方だった。
この四人がねクーデター勃発という状況を知っていながらも、ふわりと浮いた世界にいて、四人とも笑っていたのが良かった。
その後がどうなったのか知らないが、彼らの人生にあの一瞬があったなら、それで良いと思った。

武士の一分の試写会に行ってきました

2006年11月29日 21時06分31秒 | 映画
最初に言っておきます、ネタバレしています。

先日、武士の一分の試写会に行ってきました。
思ったより、良かった。
うん、結構面白かったです。
「本物志向」とか「本格派」とか、時代劇に「本当」って何なんだ?って思っていたので、かなり色眼鏡で観に行ったんですが、良かった。
本格とか本物とかは、ちっとも意味分からなかったけどね。
ついでに「誰」の武士の一分か、分からなかったです。

木村さんは、「キムタク」から「きむらたくや」ぐらいに脱皮していたような気がします。
やって良かったねって、素直に思った。
「足し算」の演技をしていたのが、「引き算」を覚えたんじゃないかな。
盲目……って事で、どうやったって、押さえる演技しかないんだけど、それが彼にとってはプラスになっていたと思う。

ストーリーはもう予告やあらすじ通りの、最後まで予想できる話でした。でも、悲恋かと思ったら、ただのラブラブだったって、予定外はありました。
やわらかい、優しいお話でした。
何だろう……悲壮感がね、あんまり無かった。泣けるっ!可哀想っ!!って思わなかった。
本気の涙でがんす……ってのがちっとも分からなかった。
私が鈍いのかしら、もうココロが穢れてしまったのかしら……。

三村新之丞は近習組に勤める30石の下級武士。城下の木部道場で剣術を極め、藩校で秀才と言われながらも、現在の勤めは毒見役。不本意で手応えのないお役目に嫌気がさしながらも、美しく気立てのいい妻・加世、父の代から仕える中間の徳平とつつましくも笑いの絶えない平和な日々を送っていた。
そんなある日……
毒見で貝の毒にあたる。
命は助かったが、光を失う。
目が見えなくなったら、お役御免になって、先行きが分からない。
人の世話になって生きるなら、死ぬ。
あなたが死ぬなら、私も後を追う。
親族会議で、偉い人(島田)と知り合いなら、その人に新之丞の今後を頼みに行けと言われる。
無事、もとの石高で家名もそのままとのお達しが下る。
叔母さんから、妻が浮気してるの告げ口。
否定するがし切れず、中間に後を着けさせる。
妻は自ら、告白する。
島田に口添え頼んだ時に、体を要求された。その後脅迫されて、関係を続けてた。
怒って妻離縁。
復讐決意して、木刀で稽古。
師匠に教え請う。
ともに死するをもって、心となす。
勝ちはそのなかにあり。必死すなわち生くるなり
島田と果し合い。


サイトのあらすじ、書きすぎっ!!(笑)
ここまで書かれてしまってるので、ハラハラ感や悲壮感が薄れてちゃったんだと思う。

だって、残りは……
(はっきりネタバレなので、反転してね)

教え通りの心をもって、果し合いに勝つ。
片腕を失った島田は、武士としての面目も無く、恥じて何も語らず自害。
新之丞の仕業と誰も知らず、お咎めもなし。
妻戻る……良かったね、良かったね。


これだけだよっ!!
確かに果し合い部分は、クライマックスだったし、凄い良かったよ。
でも、箇条書きでたった四行だけ。
なんか、つまんなーーい。
勿体無いよーー。
面白かったのに、勿体無い。
「絵」は確かに、全てが計算づくでキレイだったけど、映画ってやっぱりストーリー性だよ。
果し合いのシーンもね、もっと引きとアップの差を作って緊迫感欲しかったかも……。
木の葉が飛ぶぐらいの風も、確かに良いんだけど、集中した時の無音感覚もあれば、もっともっと臨場感というか緊迫感があって良かったのになぁって思う。
果し合いの木村の動きは、本当に素晴らしかったよ。
「人を殺す」剣を持って、「人を殺す」気の人間の持つ緊迫感が、腕の張り、足の動き、肩のラインにみなぎっていて、本当に良かったのだ。
もう少し、もう少し見ていたいって思った。

あと、勿体無かったのは、日本って風景の無い国になっちゃったのかなぁって事。
風景が狭いんだもん。
全てが日常の中で、狭い空間なのは分かるんだけど。広い空間を見たかった。
庭の四季もいいけど、大きな自然の四季も見たかった。
狭い空間を見るなら、別にテレビでも良いじゃんって思う。
新之丞が失った、美しい風景を見たかった。

---モロネタバレ部分です--

「誰」の「武士の一分」が分からなかったと、最初に書いたけど、最後に一番「武士の一分」を通し切ったのは、悪役だった島田だったような気がしたからだ。
新之丞の通したかった、一分は武士というより、「男の一分」のような気がする。
「妻の体を弄んだ男に、せめて一刀でも」って、刀を持つ事のできる夫なら誰もが思う事だと思うのだが、どうなんだろう。
泣き寝入りするのが中間や町民や農民というなら、確かに武士なのかもしれない。
でも、大切なものを傷つけられたから、その相手に復讐したいと思うのは、誰でも同じだと思う。
むしろ「武士」として生きていけない、生き恥さらせない、ましてや新之丞にやられたと言おうものなら、恥の上塗りだけではなく、下手をしたら家名の存続にも関わるから、何も言わずに片手で腹をかっ切って果てた島田の方が、自らの加世にしかけた行いはともかく、最後の身の振り方はまさに「武士の一分」だったと思う。
そして、バレたら腹を切るつもりだったけど、バレ無かったからほっとして、戻ってきた妻と安穏と生きる事にした新之丞に、ケジメとしての「武士の一分」は感じられなかった。
だから、誰の……が分からなかったのだ。
「武士の一分」この題名って、考えさせられるなぁ~


「武士の一分」……まあ、定価で見ても良いかなぁ~。
一皮剥けた、木村さんは見るに値すると思うし、
ちょっとしか出て名なかったけど、やっぱり緒方拳、最高に格好良かったし。

……ところで、妻役の壇さん……ダイコンなのか、薄い演技なのか、分かりずらい微妙な感じでした。


こんなものが

2006年11月21日 00時14分22秒 | つれづれ
友人から送られてきた。
凄いんですよ、なんとようじで彫れちゃうんですって!
むかーしMONO消しゴムで、ちまちまカッターで彫ったものです。会社でも足りなくなったアルファベット彫ったりもした。
便利だけど、何だか趣きが無いなぁ。
しかし友よ、私にこれで何を彫れと?!
私は素材削るより、指削る方が上手いのだが。一度授業で、おぼんじゃなくて手首までうっかり彫って大騒ぎになった。
さて、どうしよう

今日は歌舞伎2

2006年11月16日 23時24分28秒 | 観劇
せっかく撮った画像を忘れた。
芸談の時観客からの、「一日別人になるなら誰になりたい?」の質問に、七之助がまず「アラブの金持ち」っと答えた。凄いお金持ちになってみたいから…って、あんたは充分お金持ちのような気がするんだけど。でも、話しているうちに、あっスポーツ選手もなってみたいと、スポーツ選手にシフト。
そこから勘太郎と二人でトルシエジャパンのDVD「六月の勝利の歌を忘れない」を観て、盛り上がっていた話を披露。
俺はトルシエに……「タカ、行けっ……あっ僕の本名タカ何とかなんで、タカって呼ばれるですよ、トルシエにはっ。でね、タカ、行けって言われたら、俺はビブス脱いで行っちゃうよね、もちろん」っと、嬉々として妄想話に花を咲かせたてくれました。
ああ、普通の男の子なんだなぁって、しみじみ思いました。
可愛らしかった。

ウーマンリブ先生を観てきました

2006年11月16日 01時41分49秒 | 観劇
サンシャイン劇場にて観劇。
色々と感想はあるけど、後日に。それよりも今日は電車に呪われた。
劇場に行く時には、新大久保にて神田での人身事故で電車が止まり、帰りは新宿で御茶ノ水での人身事故で電車が止まった。
人生で初です。一日に二度も電車に止まられるのは!私と中央線の相性が悪い(大体確立1/6で電車が遅延する)のは、分かってはいたけどひど過ぎる。