東電用地買収に裏金疑惑 西松建設、2億円肩代わり

2013-07-16 14:52:13 | 政治

西松建設は自民党森喜朗の政治団体に3億円を献金していたが

自民党森喜朗の秘書はなぜ逮捕されないのか? 検察はグルなのか

東電用地買収に裏金疑惑 西松建設、2億円肩代わり

 【市田隆、久木良太】東京電力が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐり、2007~08年に西松建設の裏金2億円で用地買収工作を進めていたことが、関係者証言や西松建設の内部資料で分かった。東電の清水正孝元社長と皷(つづみ)紀男元副社長(当時はいずれも副社長)が西松側に資金支出を依頼したという。原発関連施設の立地で東電首脳が関与した裏工作疑惑が表面化した。
 「東電の影」、裏交渉役
 問題の買収対象地は、使用済み核燃料が陸揚げされる港と中間貯蔵施設を結ぶ約1・5キロメートルの専用道路に貫かれる形で両側に隣接する二つの土地計約1ヘクタール。地権者からこの土地の買い上げを東電側が求められていた。
 
 東電幹部らによると、東電側は当初、この土地の買収を避けるため、地下トンネルを掘ることを検討したが、建設費が高額となるため断念。買い上げ交渉を、東電役員と付き合いがあった警備会社「ニューテック」(青森県六ケ所村)の白川司郎会長に依頼した。白川氏の周辺関係者によると、白川氏は買収前、「トンネルを通すと費用がかさむため、自分が東電から相手方との調停役を頼まれた。数億円かかる」と話していたという。
 
 朝日新聞が入手した西松建設の内部資料や、同社の石橋直副社長(当時)の証言によると、東電副社長だった清水、皷両氏が07年11月ごろ、西松の国沢幹雄社長(当時)、石橋氏と東京・新橋周辺の飲食店で面談。清水氏らは、むつ市の用地買収で「法外な金額を要求されており、2億~3億円かかる」と打ち明けた上で、「白川氏は『西松建設に頼んだらどうか』という。工面してもらいたい」と依頼し、西松側はその場で了承した。東電側は「白川氏と相談してほしい」と西松側に伝えたという。
 
 朝日新聞が入手した白川氏の顧問弁護士名の文書には、西松が調達した2億円が地権者側に渡り、さらに不足分を白川氏側が立て替えたとの記載があった。西松側の作成資料にも、同じ内容が記されていた。
 
 内部資料によると、西松側は使途を明らかにしない資金から2億円を支出したとされ、その時期に近い08年6月、東電の関連会社で、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」は、この対象地を額面上は約2千万円で買収した。買収工作が完了した後、ニューテックは10年までに、施設の警備業務を数十億円で受注している。
 
 一方、西松側資料には、石橋氏が用地取得後に東電幹部と会い、「10年間で計500億円の発注を約束するとの発言を得た」との記述もあった。西松は、東電福島第一原発の増設工事などを希望したが、東日本大震災の後、増設計画は白紙撤回された。
 
 東電や西松関係者によると、東電の発電所などへの設備投資額は年間5千億~7千億円で推移し、ゼネコン各社は東電を重要な取引先と位置づけている。西松建設は、発注額が大きい原発関連事業の受注を狙い営業活動を強めていた。
 
■東電「承知せず」 西松「資料ない」

 朝日新聞の取材に対し、東京電力広報部は「当時の役員の一つ一つのやり取りについては承知しておりません」と答え、現時点で清水元社長らに事実確認をする意思はないとの見解を示した。西松建設は広報部長名の文書で「内容を確認できる内部資料は、弊社には存在せず、回答はできません」とした。白川司郎氏は文書で「用地買収などに関係したことは一切ございません」などと自身の関与をすべて否定した。「東京電力社員にお会いしたのは、過去から現在までせいぜい5~7人でなかろうかと思います」と述べている。
 
 「リサイクル燃料貯蔵」は、「私契約に関することであり、回答は控える」とした。

■しわ寄せ、利用者に

 【村山治】電力会社は一般の会計監査に加え、経済産業省の監査もあり、秘密資金を捻出することが難しい。電力会社が前面に出ず、ゼネコンが「前さばき役」として地元対策を代行することがあるとされてきた。
 
 東京電力が西松建設に裏資金を肩代わりさせ、西松側には後から工事発注で穴埋めしようとしたのだとすれば、工作を露見しにくくするためコンプライアンス違反を犯した疑いが濃い。
 
 東電の経営は、ほぼ電気料金収入で成り立っている。原発関連施設の立地に伴うこうした裏のコストは、結局は電力利用者が負担させられる。

 東電福島第一原発の事故以降、将来も原子力エネルギーを選択すべきか否かの国民的議論が起こった。もし、裏のコストを隠したまま原発運転を強行することになれば、利用者の理解を得られまい。
 
 東電は「当時の役員のやりとりは承知していない」というが、問題の施設はまさにこれから稼働するものだ。東電は早急に自ら事実関係を調査し、結果を説明する義務がある。
 
     ◇

 〈中間貯蔵施設〉 原発の外で使用済み核燃料を再処理するまで保管する施設。震災前、全国の原発から出る使用済み燃料は年約1千トンで、六ケ所村再処理工場で処理できる年最大800トンを超えるため、中間貯蔵が必要とされた。原発内の貯蔵量が限界に近づき、原発の運転継続には、中間貯蔵の整備が不可欠とされる。青森県むつ市で建設中の「リサイクル燃料備蓄センター」は、東電80%、日本原電20%の出資による全国初の施設。使用済み燃料計5千トンを最長50年間貯蔵する予定だ。2010年8月に建屋の工事を始め、建設費は約1千億円。今年10月の操業を目指してきたが、国は12月施行の新規制基準への適合が必要だとしている。
 


自民党は日本を破綻させる気か

2013-07-16 12:19:46 | 政治

本当に金利が上昇すれば、日本財政はもたない

FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長が、金融緩和から脱却する可能性に言及した。もしそれが実現するなら、10年以上の期間にわたって続いた世界のマクロ的経済環境は、大きく変わることとなる。

ただし、バーナンキは、脱却のためにはいくつかの条件が満たされなければならないとした。したがって、脱却が本当に実現するのかどうかは、分からない。実現するにしても、いつになるかは、はっきりしない。

 ただし、世界経済の新しい均衡がどのようなものになるかを考えておくことは有意義だろう。特に、その均衡の中で日本経済がどのような状態になるかは、重要な問題である。

 これまでは、金融緩和のために投機資金が世界中の経済を不安定化させてきた。リーマンショック後の世界は「ニューノーマル」といわれたが、安定的な均衡状態には達していなかったわけだ。本当の意味のニューノーマルとは、安定的な均衡である。その世界はどのようなものか? 

 現在と比べての最大の変化は、金利が上昇することだ。それによって、投機資金を低利で調達できる時代が終わる。そこで、リスクの高い投資対象から資金が引き上げられる。

 市場はこのような変化を見越して、すでに調整を始めている。まず、新興国からの資金流出が起きている。アメリカの金利はそれで下がるのではなく、むしろ上昇している。これまでのアメリカでは、実質金利を計算するとマイナスになっていた。これは異常な状態だったので、是正が生じているのだ。5月中旬まで2%未満だった10年国債利回りは、6月25日には2.6%を超えた。それにつれて日本の金利も上昇している。
■ 為替先高観が消え 外債投資に向かう

 新しい世界均衡の中で、日本ではどうなるだろうか。日本の金利上昇が遅れて、内外金利差が拡大すれば、円安になる。そして、将来に向かっては円高期待が形成される。

 ただし、それは最終均衡ではない。日本銀行は、2年後にはインフレ率が2%になると約束している。これは、ほぼ先進国共通の水準だ。したがって、これが実現されれば、金利も先進国の標準的水準になる。最近のアメリカの状況を参照すれば、10年国債利回りは最低でも2.5%程度になるだろう。図に示す2005年ごろの水準を標準と考えれば、4%を超えることもありうる。

 内外金利差が消滅すれば、金利平価式によって、為替の先高観も先安観もなくなる。これには、次のような重要な意味がある。

 これまで日本の金融機関は、日本国債という利回りの低い資産の保有で満足してきた。理由は、外債投資に為替リスクがあるためだ。日本のインフレ率は他国より低く、フィッシャー方程式によって金利が低くなる。金利平価式からいえば、これは、将来の為替レートが円高になる状態だ。だから海外投資をすると、為替差損を被ることになる。海外投資をすれば、高い利回りが実現できるので一見有利のように見えるのだが、為替差損を被るので、結局、国内投資をした場合と同じ結果になる。だから日本国債に投資をしてきた。

 しかし、内外金利差が消滅すれば、この状態は一変する。金融機関がこれまでのように国債を保有し続けるかどうかはわからない。日本国債から外国債への転換が起こる可能性は、次の理由で、非常に高い。

 金利平価式で規定される為替変化率は数年先までのものだ。それより長期を考えれば、日本経済の衰退によって「日本売り」が起こり、円安になる可能性が高いのである。この点を考慮すれば、円建て資産を保有するより、外貨建て資産を保有するほうが合理的だ。

 日銀は、6月に公表した「通貨及び金融の調節に関する報告書」の中で、金融緩和で、金融機関の資産が貸出やリスク性の資産にシフトする「ポートフォリオ・リバランス」が期待されるとした。そこで主として考えられているのは、国内貸し付けの増加だろう。しかし、それよりは外債投資が増える可能性が高い。

 ところで、以上で述べたすべてのことは、「2%のインフレ目標が達成されれば」という仮定の下の話だ。この目標が実現できるか、市場は半信半疑なので、実際には外債投資へのリバランスは起きていない。今のところ、市場は将来のインフレ率について判断がつきかねている。

 

■ 新しい均衡に日本財政は耐えられない

 仮に2%インフレ目標が達成されて金利が上昇すると、深刻な問題が起きる。それは国債利払い増大だ。

 13年度予算の国債利払い費は、9兆8546億円(予算総額の10.9%)だ。一方、12年度末の公債残高は709兆円だ。したがって、平均利回りは、1.4%程度だ。金利が現在の2倍になるのは十分起こりうるし、3倍になるのもありえなくはない。金利が3倍になれば、利払い費も最終的には3倍になる(すぐにはそうならないが、ここで考えているのは、長期安定的な状態である)。その場合、国債利払い費は、現在より20兆円程度増加する。

 これを賄うには、国債を発行するしかない。しかし、金利が上昇した状態では、簡単には資金を調達できない。マクロ的にいえば、先に述べたように、資金調達で外債と競合することになるので、難しいのだ。

 日銀引き受けに依存すれば、国債増発とインフレの悪循環が起きる。日本経済がそうした状態に陥るのは、他国にとっても望ましいことではない。先般のG8で注文を付けられたのも、このことだ。

 もちろん、財政再建ができれば、こうした問題はなくなる。先に、「利払いのために国債発行が必要になる」と述べたが、他の歳出を削るか、税収を増やすことができれば、国債を増発しなくてすむ。しかし、一般会計の社会保障関係費が約26・3兆円であることを考えれば、歳出を20兆円カットするのは到底不可能だ。また、消費税の税収が約10兆円であることを考えれば、20兆円の増税も到底できない。

 そして、現実の政治は、財政状況を深刻視していない。先般閣議決定された「骨太の方針」は、プライマリーバランス半減という目標を一応は掲げてはいるものの、その実現への過程は、一向に明らかでない。社会保障の見直しは緊急の課題だが、検討さえされていない。

 それだけではない。消費税の増税を先送りすべきだとの声がある。一方で、公共事業を増やす国土強靭化計画や、法人税の減税が叫ばれる。財政赤字の拡大はありえても、縮小する可能性はほとんどない。

 結局のところ、日本の財政は、デフレと低金利という条件下において初めて、破綻せずに継続できたのだ。その状況が変わると、維持できなくなる。つまり、日本はデフレ脱却ができない状態にあるのだ。

 日本経済は深刻な傷を負っているため、ゆっくりとしか歩けない人のようなものだ。ところが周りの人たちは、早足で歩いている。そこで傷を忘れて、「早足で歩こう」ということになった。しかし、そうすれば、傷口から出血して死んでしまう。「傷を治してからでないと早く歩けない」というのは、考えてみれば、当然のことである。

 (週刊東洋経済2013年7月13日号)


暑くならない太陽光反射パネル

2013-07-16 03:55:29 | 自然エネルギー

「屋根の10%でエアコン35%を節電」:暑くならない太陽光反射パネル

建物から日光を反射させて熱を放散するパネルが開発された。温暖化につながらない波長帯での反射が可能で、1平方メートルあたり100W以上の冷却力を達成できるという。
 
スタンフォード大学の研究者チームが、建物に当たる日光を反射して熱を放散させる冷却パネルを設計した。このパネルは日が当たっても熱くならない。エアコンを使う必要がない建物や車両の開発に向けた道を開く可能性がある。
 
「われわれが開発した『Fan』は新しいタイプの構造物で、日光をほとんど反射してしまうと同時に熱を(冷たい宇宙空間に)送り出すことができる。これによって日中でも建築物を冷却できる」と、論文の著者であるシャンフイ・ファン教授(電子工学)は述べる。特に興味深い点は、これが受動的な技術(passive technology)であり、冷却に外部エネルギーをまったく必要としないところだ。
 
パネルができる限りたくさん日光を反射するようにすることが重要だった。反射材の性能が不十分だと、日光を吸収して熱を帯びてしまうからだ。さらに、熱を地球の大気中に留まらせずに冷たい宇宙空間に放散させられるような特定の波長帯の範囲内で、熱放射を効率的に排出する必要があった。この範囲から外れた放射は、大気に影響して温室効果の拡大につながってしまうからだ。
 
地球の放射冷却については、気候変動を和らげる手段として広範囲に研究が行われているが、夜間の活動に焦点がおかれたものが多い。これまで誰も、太陽が照っている日中に放射冷却を活用しようとはしなかった。
 
スタンフォード大学のチームは、水晶と炭化ケイ素でできたナノ構造のフォトニック素材を用いることで問題を解決した。この素材は、特定波長の光の反射を強めるように製造することができる。フォトニック素材は熱の発生源である日光をパネルが吸収する量を抑制するとともに、地球の大気に留まらない周波数の範囲で非常に効率的に熱を放射するという。
 
チームでは、熱放射材と太陽反射鏡を組み合わせてひとつの装置をつくり、最大の効果を発揮できるようにした。
 
このパネルは1平方メートルあたり100W以上の総冷却力を達成できる。その計算によると、典型的な家族向け住宅の屋根の10%をこのパネルで覆うと、夏の間エアコンを動かすのに必要な電力を35%減らせるということになる。