山本太郎氏にネットで殺害予告
東京選挙区から無所属で立候補している山本太郎氏(38)に対して、インターネットの掲示板に殺害予告が書き込まれていたことが17日、分かった。同日午前、書き込みを発見した警視庁が山本氏の事務所に注意を促すよう連絡した。犯行予告は「午後3時に山本太郎の選挙事務所に包丁をもって山本太郎を殺害する」という内容。予告時間に山本氏は東京・池袋で有権者に支持を訴えていたが、事件は起こらなかった。
殺害予告は、17日午前0時14分、インターネット掲示板「したらば掲示板」に書き込まれた。
「明日の午後3時に山本太郎の選挙事務所に包丁もって山本太郎を殺害する。その後愛宕警察署を爆破する。税金泥棒の無能警察官は俺の手で始末する。絶対にやるから覚悟しとけ」
殺害予告時間の午後3時、山本氏は東京・池袋東口で街頭演説を終え、有権者らと写真撮影や握手をしていた。「僕の事務所に、(朝)警察から連絡がありました。山本太郎を包丁で殺すとインターネットの掲示板に書かれていたそうです」と街頭演説で観衆に報告。日刊スポーツの取材には「ずいぶんと注目されているんだなと思いますね」と、冷静に答えた。
警視庁などによると、「したらば掲示板」に書き込まれたものが、殺害予告の通報サイト「予告.in」に掲載されて、ネット情報を監視する警察の担当が発見。警視庁が午前9時30分過ぎに山本氏の事務所に連絡した。同じ掲示板で爆破予告された愛宕署と杉並署が警備に当たったという。警視庁では、「目的が分からない」として、悪質な選挙妨害の可能性も含め、慎重に捜査している。
山本氏の事務所によると、警視庁から「警備に当たらせる。注意してください」と言われたという。事務所担当者は「事務所での殺害予告だったので、街頭は大丈夫だと思います」と説明したが、選挙スタッフには普段よりも注意して警備に当たったという。
選挙戦終盤に突入し、山本氏は、東京選挙区で最後の巻き返しに懸命だ。騒動は改選5議席を巡って激しいデッドヒートの中で起こった。別の事務所関係者は「私たちの陣営は街頭のみなさんと接しながらの選挙活動を行っています。それが組織を持たないうちのやり方なので、街頭での活動を制限されるようなことは本当に迷惑です」と、頭を抱えていた。【上岡豊】
◆予告.in 2ちゃんねるなどの掲示板やブログなどから犯罪予告と思われるキーワードを定期的に検索し、掲載するサイト。ユーザーからの通報機能がある。過去に同サイトの通報により逮捕に至ったケースも多い。08年に起こった秋葉原通り魔事件を受けてサイトが立ち上がった。今年に入り、体罰被害申告サイト「体罰.in」も公開。