増税するなら国家公務員給与、3割削減を…橋下知事

2011-05-17 15:04:30 | 報道
国家公務員給与、3割削減を…橋下知事

大阪府の橋下徹知事は16日、東日本大震災の影響で地方交付税が削減されるという一部報道があったことを受け、財源不足を補うために、府職員の給与カット(現行3~14%)の拡大を検討する考えを示した。


 報道陣の質問に答えた。国家公務員給与を1割カットして復興財源に充てる政府の方針について、「国難を乗り切るために別の財源が必要となれば、国を挙げてやらなければならない。地方交付税が削減された場合、住民サービスを削ることは府民が許さないだろうから、職員給与のカットは当然ある」とした。

 また、国家公務員給与のカットの幅について言及。民主党が2009年の衆院選マニフェスト(政権公約)で「総人件費2割削減」を掲げていたことを指摘し、「緊急時だから3割ぐらいはカットしないと、平時に2割カットなんてできない」と批判した。

(2011年5月16日19時32分 読売新聞)

福島県は死んだ 死の汚染水で 

2011-05-17 13:53:11 | 報道
 入れても入れても水はたまらず、“死の汚染水”だけが増えていく-。東京電力福島第1原発1号機では、賽の河原で石を積むようなむなしい注水作業が続いていた。これに加えて、連日の大量放水などでたまりにたまった汚染水の総量は間もなく10万トン、50メートルプール111杯分にも達する。だが、集中廃棄物処理施設への移送は思うように進まず、一部が地下に漏水している可能性は高い。終わりの見えない汚染水地獄の実態とは-。

 4つの原子炉の中では「比較的優等生」(関係者)とされていた1号機が地震直後にメルトダウン(全炉心溶融)を起こしていたことが分かり、格納容器から水漏れしている可能性も高まったことで、工程表の第一関門だった1号機の冠水(水棺)作業は「夢物語」(東電関係者)となった。追い打ちをかけるようにやってきたのが、汚染水の漏水恐怖だ。

 1号機の建屋地下には格納容器から漏れた高濃度の汚染水が3000トンもたまっているという。だが、溶けた燃料は依然として熱を出し続けるため、冷却機能が復旧するまで注水をやめることはできない。汚染水はただ増え続けるだけだ。その行き着く先はどこなのか-。

 原子炉安全設計が専門の川島協・前九州東海大学学長は、「高濃度の汚水は、原子炉建屋地下の床から漏れ出ている可能性がある」と指摘する。

 「注水した水は熱で蒸発しているか、格納容器の配管を通じて建屋外に排出されたと考えるべきだが、格納容器の温度は一定に保たれており、建屋外の地下杭道の水位が上昇しているという情報もない。大量の汚染水が建屋地下にたまっているなら、建屋底部にライナーと呼ばれる鉄片を敷き込むなどの措置をしていないかぎり、地震による亀裂から地下に染みだしている恐れがある」

 汚染水については、2号機も深刻。放射線の総量が約40万テラベクレル(テラは1兆倍)にも達する2万5000トンも汚染水を抱えているからだ。

 2号機では、4月19日からタービン建屋内の汚染水を集中廃棄物処理施設に移送する作業が始まり、今月14日までに5070トンを移送した。だが、作業用トンネルの水位は移送開始時に比べて逆に4センチ上昇し、地面から76センチ下まで水面が迫るなど、処理自体は思うように進んでいない。地震によって生じた亀裂から大量の地下水が流入している可能性も指摘されている。

 「水位が下がらない原因は分からないが、最も危機的状況であることは間違いない。亀裂から海に流出し、港に滞留している約30万トンの汚染水の処理も放置できない。集中廃棄物処理施設の容量は1万トンだが、3号機からの移送も始まっており、一刻も早く汚染水を浄化し再利用する施設を稼働する必要がある」(川島氏)

 ■梅雨で水量増し、その後は台風…

 その3号機は、圧力容器上部の温度が最高221・7度まで上昇。東電は注水量を毎時7トンから12トンに増やしたことで、14日午前5時現在で154・9度まで下がった。しかし、一部の測定値は再び上昇し、注水量が15トンに増やされるなど、汚染水の“増産”が続く。温度上昇の原因について、東電は「水が正確に炉心に届いていなかったとみられる」などと説明している。

 11日に発覚した新たな海への流出では、取水口付近の海水から基準の6200倍の放射性セシウムが検出された。再臨界が起きないよう、3号機では原子炉の冷却水に中性子線を吸収するホウ酸を溶かし注水を始めた。1、2号機も今後、同じ措置を取るという。

 排気管がつながる3号機に誘因されて水素爆発を起こしたとみられる4号機の立て杭も、雨水や地下水の影響で水位は上がり続けている。

 すべての原子炉周辺で増え続ける汚染水。これら大量の汚染水を浄化する施設について、政府と仏原子力大手アレバ社との契約では6月から稼働する予定だが、その処理能力は1日1200トン。10万トンもの汚染水を処理するには途方もない時間がかかる。

 さらに、細野豪志首相補佐官は11日、「梅雨の季節に入ると、ますます水の問題は深刻になる」と不気味な“予告”をした。1、3、4号機は爆発のために屋根を喪失しており、降り注ぐ雨は建屋へとたまっていく。すでにタービン建屋の地下やトレンチにたまった高濃度の汚染水と雨が混じりあい、さらにその量を増していくのだ。

 夏から秋にかけては台風もやってくる。巨大余震による津波再来のリスクも消えていない。死の汚染水が地下や海に広がる前に、何としてでも食い止めなければならない。