トジハジ日記

日記代わり、家族への発信用として利用させていただいてます。内容はいろいろですが登山が趣味で、公開は山行記録がメイン。

2022年10月14日 鳥甲山 (新潟、長野)

2022-10-17 13:33:20 | 日記

登高ルートにある白嵓の頭(左)と鳥甲山のピーク(右奥)

天気予報ではしばらくの間、晴天が約束されているのでY君と新潟県と長野県の県境の山である鳥甲山を登りに出かけた。日本最後の秘境とうたわれていた新潟県の秋山郷に登山口があり、そこまで自宅から7時間はかかるので前日発、翌日登山という計画で出かけた。ところが天気予報が大外れで、登山日の4時半に起床すると既に霧雨状の雨が降っていた。しかし延々7時間もドライブしてここまできたのだから、登らずに帰るわけにはいかない。それにまだ天気予報の晴れを内心信じていた。昨夜、我々の後に到着した登山者1名と言葉を交わしたが、その方はこのルートは危険個所が多くて雨でスリップしやすいので登るかどうか迷ってみえた(結局、下山した時に車がなかったので行き先を苗場山に変更されたようだ)。彼の言葉がちょっぴり気になったが5時55分にムジナ平登山口を出発した。

登山道は最初から比較的急な登りが続き、気温が12度というのに30分も歩くと早くも汗が出てきて下着1枚だけになる。1時間ほどで最初の難場といわれる鎖場に到着。写真では難しそうに見えていた場所だが、実際には真新しい鎖が設置されていて、フットスタンスも適当にあり、快適なプチ岩登りだった。その後も、足を踏み外したら完全にアウトになるような注意すべき個ところが数か所があったが、それらの場所には信頼できる鎖が設置されていて安心できる。いつも思うのだが、なぜ鎖を設置してまで登山道を作る
のだろうか。登山開始から2時間ほどで最大の難関といわれているカミソリ岩付近に到着。ここでカミソリ岩へ登るルートは”入ってはいけない”と書かれた白いポールが横たわっていて、その脇から下り気味の巻道を使ってカミソリ岩の裾を通過できるようになっていた(この巻道がなかったころはかなり肝を冷やすカミソリ岩からの下りだったことが想像される)。ところがこの巻道を通過中、前を歩いていたY君が、”入ってはいけない”と書かれたポール?が前に横たわっているので、ルートは巻道から外れてカミソリ岩にかかっている梯子を登らなければならないと言う。その時は、何の疑問も感じず、お互いに梯子を上り始めたが先行するY君がカミソリ岩の上に首を出すと躊躇なく、ここからの通過は無理だと言ってきた。仕方なく降りて、先を見てみると”入ってはいけない”ポールがまだ下の方にあるではないか。あんなに下の方にあるのになぜ、そこまで下って確かめずに梯子がルートと判断したのだろうかと思いながらそこまで行ってみると案の定、そのすぐ脇に道が続いていた。しばらく先行すると今後は両サイドが切れ落ちた崩壊地に出た。リッジに荒い目のネット状のものが設置されていてバランスを崩さないように注意して通過した。追いついてきたY君が”崩壊地はたいしたことはなかつたですね”と言っていたが、崩壊地の通過を一番気にしていたようだった(ネットで情報の収集しすぎ?)。すでに通過した白嵓の頭で高度計は1900m以上あるので(鳥甲山の標高は約2040m)残り100mの登りだと単純に思っていたが大間違いで、一旦激下りが待っていた。激下りが終わるとようやく最後の登りにかかる。そして森林帯を抜け出すとまもなく屋敷登山口からのルートと合流し、そこから、ほんの一投足で、登山開始から3時間40分後の9時40分頃に待望の鳥甲山頂上に着いた。雨の為、期待していた展望は全くなかったが無事に登れた喜びは大きかった。視界もガスの為に数十m程度だったろうか。それでも登れた喜びは大きかった。

頂上で約20分間休憩を取った後、下山を開始。Y君は下りのルートの方が危険だと、登山開始時からずいぶん脅かし続けてくれたが、全く良い意味での期待外れで下りルートでは難場など全く出てこなかった。下山を始めてすぐに右ひざが痛み出し、休憩をとると歩けなくなりそうだったので頂上から一気に下山したが、雨で泥道のようになった登山道には何十回とスリップさせられ笑うしかなかった。登山口に降り立った時は下半身泥まみれ、ローカット靴の中はグジョグジョの有様だった。

林道を歩いて駐車しているムジナ平登山口まで戻ったが、林道歩きの途中から青空は広がりはじめ、赤嵓のすざましい崩壊地の全貌を目の当たりにすることができた。そしてムジナ平に戻ったタイミングで、ついに数時間前にはその場にいた白嵓の頭や鳥甲山のピークが青空の下にその迫力ある姿を現し、双眼鏡でルートを追いながら雨の中でも登って良かったと思った。

<軌跡>
Yamap クラハイ小牧A参照

<写真、後日掲載>

林道から赤嵓の頭付近を望む。登山道は崩壊が続いている崖すれすれのところにある。

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