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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

風刺が効いている ラッパ屋「ユー・アー・ミー?」

2017-01-21 11:51:54 | 日記
座席に置かれているパンフに、脚本・演出の鈴木聰氏のコメントが載っており、その言葉を借りると「ヘンテコリンな話です」とあります。確かに、「ラッパ屋」作品にしては、いつもと違ってヘンテコリンな物語です。なにしろ、登場人物が、各々自分の分身に出会うという話ですから・・・といっても、悪い意味ではありません。いつもの鈴木聰作品らしく、風刺も効いていますし、今回は、「現代の日本企業が見失ったもの」を冷静な目で見つめています。
舞台は、家電メーカー。主人公は、小西という50過ぎの窓際部長 スタバ片手にパソコン通して会議する風潮に馴染めない小西。社は「お掃除ロボット」開発で盛り上がっていますが、彼は、その仕事から外されてしまいます。この商品のデザインを任されているのはタシロという女性。かつては、小西の下で働いていたのです。そして、最高責任者がヤマザキ局長。こちらは、小西の同期。ちなみに、彼は、ホリという、これまた同期の社員と不倫中。かつて、この女性を巡って、2人は、恋の鞘当てを演じていました。
アメリカ帰りのジュニアが二代目を継いでから、「実績主義」に変貌した会社。そんな風潮を嘆いている小西の前に現れたのが、イケてるキャラに変身したコニシ。コニシ 小西を説得して、出世の階段を上るべく、行動を開始します。一方「お掃除ロボット」を巡り、タシロたちは足の引っ張り合いを始めます。ここで登場するのが、各々の分身 イケてない皆さん。田代 山崎 堀らがイケてる自分を説得。会社は、小西が入社したころの様子に逆戻り。そして・・・
ラストは、皮肉で面白い展開。「サービス残業」「契約社員」などが、社会的問題となっているなかで、こうした部分にスポットを当てた佳作です。