９月の歌舞伎座は「秀山祭」 夜の部の通し狂言「伽羅先代萩」を見てきました。「千松は、腹が減ってもひもじゅうない」などの有名なセリフが満載の、この狂言 私、通しで見るのは初めてです。玉三郎 吉右衛門の２人の人間国宝が出演するという豪華な演目ですが、すごいのは、この２人が、まったく舞台上で交わらないこと。つまり、前半玉三郎の「乳人政岡」が舞台を締めますが、後半「仁木弾正」の吉右衛門が登場すると、お役御免となるわけです。昔の興行形態などを考えると、先人の知恵なのでしょう。伝統芸能の奥深さを思い知りました。