巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

忘却の彼方に

2018-04-30 08:44:30 | 
「忘却の彼方に」

この世のありとあらゆる神々よ

私は漆黒の夜空を彩る星座
思いのままに姿形を変えて
衆人の視線を浴びていよう

夕暮れ時が迫るとき
陽光が徐々に弱まる
私は潜めた姿を現す

うっすらと
ひっそりと

私は夜空を彷徨う琥珀色の魂
万人がそれとわかる美の象徴
君達が滲ませる涙と相俟って
誰かと寄り添おうと誓うのだ

うっとりと
ゆったりと

過ぎゆく春のよう
迎えくる夏のよう
秋と冬は遠い過去になってしまった

或る大人が子を連れて
私達の夜空へ昇ってきた
私は「還れ」と一言囁いた

旅路の終着点は遥かに遠い
君達はまだ終わりを知ってはならない
はじまりを忘れてしまったのと同様に


コメントを投稿