巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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愛玩動物の叫び

2017-04-04 19:22:51 | 
風が吹いて、立ち眩み
思わずその場にうずくまる
幾秒の過去を振り返っては
非力な自分を恥じる

微風に靡く長い髪
私は襟元をキュッと締めて
今に至るまでの人生を思い起こす
新しい何かを常に探してたあの頃

ほろ苦く残った記憶の日々
軽やかに過ぎ去った気取り屋
すべて計算ずくだったなんて
にわかには信じられないけど

毎日は予定調和
新しい朝がまた訪れる
今日は誰に誑かされるのだろう
無防備なあなたは隙だらけの餌食
そんなあなたに惚れた私が馬鹿ね

深呼吸して、眼を閉じ
空想する、あなたのいない世界
予想外の寂寥感、ふと気付くと惨め
あなたにとって私なんて女でなく
当たり前の存在なんでしょう

早く、早く、オトナになろうと焦る
あなたといる限り私はただの「いい子」
卒業する頃にはあなたはもういない
成長過程の私、私はあなたの虜
世界に謀れたあなたは私を蔑む
私は対等の愛を訴える愛玩動物

明日の深夜午前2時
流星が次々と堕ちる頃
この場所にひとりで来て
あなたとケリをつけるわ
私は子供の殻を脱皮する
そう、私は操られないオトナ
もう脅えも戸惑いもない
遂にあなたから卒業してみせる
あなたはこの世界の漂流物

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