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海外ドラマに学ぶ「連ドラ」の書き方

2005年07月16日 14時39分53秒 | シナリオライティング
 ついこの間までアメリカのテレビシリーズ「24」にハマリ、現在後学のために韓流ブームの原点「冬のソナタ」を見ている。
 恩師も「海外ドラマは面白いが、日本はダメだ」とおっしゃっていたが、なら日本の連ドラはどこがダメなんだろうか?
 皮肉にも、あまり興味のなかった「冬ソナ」にその理由をみつけた。

 連ドラというのは、日本の場合は大抵11~13回放送される。つまり3ヶ月見続けさせるわけだ。
 ということは、つまり見る側は、約12週間ものあいだ「見る」理由をもち続けなければならない。
 例え設定やストーリー展開が少々面白くても、ただダラダラとストーリーを12週間も見せられたら、飽きてしまう。
 そう、連ドラで注意しなければいけないのは、この視聴者の「飽き」なのだ。

 一本の映画や2時間ドラマの場合、1話完結なので、飽きられる心配をする必要はないが、連ドラは上記の理由から、途中で飽きられる可能性が常につきまとっている。
 だから、書き手は12回書くとして、毎回「次はどうなるの?」という期待と不安を視聴者に持たせることで、12話までひっぱっていくというテクニックが必要になってくるのだ。

 先にあげた「冬ソナ」の場合、ヨンさまとチェ・ジウが出会って、恋に落ちて、ラストになるまでダラダラと続く恋愛物なのか、と思ってみてみたが、展開がまず格段に早かった。
 1話で出会い(高校生という設定だが、ヨンさまもチェ・ジウもコスプレにしか見えず、笑ってしまった)、2話で恋に落ちるが、その最後で突然ヨンさまが交通事故で死んでしまう。主役のひとりがわずか2話で死ぬという予想外の展開をさせることで、「今後どうなるのよ」と思わせる。
 そして、3話以降はそれから8年後、大人になったチェ・ジウが幼馴染で、高校時代恋のライバルだった男と婚約するのだが、婚約パーティーのその夜にヨンさまを街角で見かけたチェ・ジウは彼を探し回り、パーティーを台無しにしてしまう。なんだかんだあって、「やっぱ他人よね」ということで、自分を取り戻し、仕事にせいを出すチェ・ジウだったが、取引先の理事がヨンさまだった…というところで3話は終り、「次はどうなるのよ?」と今後の展開をやはり期待させる終り方をする。まだ3話までしか見てないが、連ドラとしては高い構成力だと思った。

 これは「24」の場合、もっと顕著だ。毎回毎回が「次の展開が読めない」終り方をし、24回まで引っ張るのだから、すごいテレビドラマだ。

 つまり日本のドラマだったら12回なら12回に分断された話を飽きさせずに見続けさせるには、ただ大きな話を12話に分断するだけでなく、常に次はどうなるのか、という展開を毎回の最後にもってきて、次につなげる、というテクニックがなければ、連ドラとしての魅力がなくなってしまうのだ。

 日本の連ドラが面白くなくなった原因は、様々な理由があるだろうが、シナリオ学校出身のライターは、連ドラのそういった要素とテクニックを全く学ぶことなくシナリオライターになっている点がまずあげられる。
 シナリオ学校の主なテーマは、職人ライターを養成することではなく、コンクールに受かるように指導することになっている。
 コンクールは1時間ものにしても2時間ものにしても、一話完結だ。
 だから、受講生は一話完結のシナリオしか考えないし、書かない。また講師も1話完結のドラマの書き方しか教えない。
 コンクールや学校出身者がほとんどの今のテレビ業界だから、これでは連ドラが面白くなるはずがない。

 連ドラの核は、「いかに次週へ期待と不安をもたせつづけるか」だ。
 これから連ドラのライターになろうという人は、このことは学校で習わなくても、頭の隅に置いておいてほしい。

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2 コメント

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たしかに (dream_brain)
2005-07-16 23:27:02
言うとおりだね。

学校ではテレビ脚本なんて教えてくれないからね。

これから目指す人はドラマを良く見て、後、シナリオ集(TVドラマのね)を見て研究して欲しいな。もちろん面白い作品もそうでないものも…。見る目も養わなければ。
もちろん (むらちょ)
2005-07-16 23:36:09
日本の連ドラにも優れたものは多少ある。

「いい」といわれるものにはまず「1話」くらいは目を通しておくべきだね。



これはでも、連ドラに限らず、シナリオライターを目指す人は映画、テレビ、ゲームとメディアを問わず、いいものには接するべきだと俺は思う。



そこからまたオリジナリティ溢れる秀作が生まれてくるのだから。

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