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「テロ特」はテロ対策法案なのか

2007年11月12日 16時16分52秒 | コラム
いわゆる「テロ特」と呼ばれている、「海上自衛隊によるインド洋における給油活動」を可能にする法案だが、現在国会も世論も賛否まっぷたつに割れている。

様々な考え方があり、どれが正しいという立場にはないが、あえて私見を述べるなら、この議論は「テロ対策」という観点からいえば論点がずれている。

「テロ対策」というものは本来「国際貢献」の一環として行われるべきものではないし、テロを封じ込めるためにまず必要なのは多国間での「軍事協力」ではなく「捜査協力」だ。
まず捜査と情報収集を徹底し、テロ(この場合はアルカイダ)の活動を詳細につかみ、初めてテロ対策部隊による限定的武力攻撃が有効であると考える。
「9.11は戦争ではなく事件」というとらえ方をした場合、軍による報復戦争自体意味のない行動なのだ。

さて、「テロ特」に話を戻すと、そもそも海上封鎖がどの程度「テロ対策」に有効なのか、という疑問点がある。
テログループというのは、そもそも場所や活動が特定できる「国家」ではない。
つまり、いつどこでどのような活動を行うかわからない勢力なのだから、物理的な抑止の手立てはない(インド洋を多数の艦船で完全に塞ぎ、通行禁止にするというなら話は別だが…)。
一隻でもテロに関連する船籍がこの「海上阻止行動」の網を抜けてしまった場合、この作戦自体ほぼ意味をなさなくなる。
アメリカがこのOEFと呼ばれる作戦を継続しているのは、別に目的があるからだ。
つまり、アメリカの中東政策と密接にかかわりがあるからである。
北朝鮮やミャンマーのような独裁政権にはまったく軍事行動を示さない一方、イラクのフセイン政権を「独裁政権」として敵視し、結果として軍事行動で崩壊させ、更にはイランをも軍事行動の視野に入れていることからも、アメリカ政府の視線は「平和」や「テロ撲滅」ではなく、中東における「石油の利権」に向いていることは明確といえるのではないだろうか?
この「テロ特」という法案は、結果的にその中東政策を支持する法案ということになる。
つまり「テロ対策」に協力するのではなく、「石油の利権獲得」に協力するための法案なのではなかろうか?

この法案に反対する勢力が「アメリカ追従」と批判しているのはこの点なのである。
一方、賛成している勢力はこの法案が「国際社会に評価され、テロ撲滅につながる」と考えているから賛成しているのだろう。
現時点で、どちらが正しいとは言えない。
なぜなら「国際社会に評価されている」のは、ある意味事実であり、「テロ撲滅につながる行動」として各国が参加しているからである。
「アメリカ追従」だとしても、それは日本のみならず、多数の国家も同じなのだ。
現在における「平和と正義」は、アメリカの価値観によって決まる。
それに意を唱える場合は、日本独自の「平和と正義」を掲げなければならないし、確実にアメリカのそれよりも効果のあるものでなければならない。

今の日本に、そもそもそんな余裕はないはずだ。

自民も民主も「一国平和主義はいけない」と言うが、はたして今の日本は「海外の治安維持」に協力できるほど裕福で平和な国だろうか?
足元がフラついている状態で、はたして本当に「テロとの戦い」や「国際貢献」が可能なのか?

今一度「日本は本当に平和なのか?先進国の一員としてふさわしい国力を持っているのか」と政府及び国民が自らを省みる必要があるのではないか、と「政界のゴタゴタ」を見るにつけ、つくづく思う今日この頃である。


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